■USN arsenal and private shipyard ■米国海軍工廠及民間造船所 アメリカの1939年における造船能力について、海軍軍令部が編纂した資料をUPする。 ”防衛省戦史部図書館、資料番号H霞ヶ関48”がソースである。 下記表は1939年における米国造船能力について、昭和14年当時の各種統計や公刊物等を基に軍令部が作成したものを加工しました。 また、付記した第二次世界大戦前後の各造船所の主要建造艦については、ネット上の資料である。 Table.1 米国海軍工廠及民間造船所能力表(昭和14年10月海軍軍令部)
*( )は他に建造中のものを示す
Table.2 東海岸における米国海軍工廠(並びに工場)
戦艦Washington、 NewJersey、
駆2、敷設艦1
ニューヨーク工廠 1930年 ペンサコラ 1934年 ニューオーリンズ 1937年 ブルックリン 1938年 ホノルル 1939年 ヘレナ 1941年 ノースカロライナ 1943年 アイオワ 1944年 ミズーリ・ボノムリシャール 1946年 キアサージ 1950年 オリスカニー (リプライザル) フィラデルフィア工廠 1934年 ミネアポリス 1937年 フィラデルフィア 1939年 ウィチタ(キャムデン艤装) 1941年 ワシントン 1943年 ニュージャージー 1944年 ウィスコンシン 1945年 アンティータム・プリンストン・ロサンゼンルス・シカゴ 1946年 バレーフォージ (イリノイ・ノーフォーク・スクラントン) フィラデルフィア近辺は3つの大造船所が集中している。 フィラデルフィア工廠 : 所在地はペンシルバニア州フィラデルフィアのデラウェア川ととシューイルキル川の合流地点にあるリーグ島。大型船台2。ここでアイオワ級戦艦2隻ニュージャージーとウィスコンシンが建造された。 ニューヨーク=カムデン造船所 : 所在地はデラウェア川対岸のニュージャージー州カムデン(Camden)。フィラデルフィア工廠から約5キロ北東にある。大型船台9。戦艦サウス・ダコタが建造された。 クランプ=フィラデルフィア造船所 : 所在地はペンシルバニア州フィラデルフィアのデラウェア川北岸で、ペティス島の対岸周辺。カムデン造船所の北約2キロの対岸。 ノーフォーク工廠 1942年 アラバマ 1944年 シャングリラ 1945年 レークシャンプレーン・タラワ (ケンタッキー) Table.3 西海岸における米国海軍工廠(並びに工場)
メアアイランド工廠 1931年 シカゴ 1934年 サンフランシスコ ビュージェットサウンド工廠 1931年 ルイビル 1934年 アストリア
Table.4 東海岸における米国民間造船所
ニューヨーク=カムデン造船所 1927年 サラトガ 1929年 ソルトレークシティ 1930年 チェスター 1932年 インディアナポリス 1934年 タスカルーサ 1938年 サバンナ・ナッシュビル・フェニクス 1942年 サウスダコタ・クリーブランド・コロンビア・モントピリア・デンバー・サンタフェ 1943年 インディペンデンス・プリンストン・ベローウッド・カウペンス・モントレー・ラングレー・カボット・バターン・ サンジャシント 1944年 アラスカ・グアム・ウィルクスバール・アトランタ 1945年 ブレマートン・フォールリバー・メーコン・デイトン・ファーゴ 1946年 トレド・ハンティントン (ハワイ・フィリピンズ・プエルトリコ・サモア・ニューアーク・ニューヘブン・バッファロー) このカムデン造船所は、Northyardに戦艦×5、巡洋艦×4、Southyardにも巡洋艦×4建造できる船台があったようなので、インデペンデンス級の7隻同時の建造進行なんてことができたのだろう。 ニューポート=ニューズ造船所 1927年 レキシントン 1930年 ヒューストン 1931年 オーガスタ 1934年 レンジャー 1937年 ヨークタウン 1938年 エンタープライズ・ボイス 1939年 セントルイス 1941年 ホーネット 1942年 インディアナ・エセックス 1943年 ヨークタウン・イントレピッド・ホーネット・バーミンガム・モービル・ビロキシー・ヒューストン 1944年 フランクリン・タイコンデロガ・ランドルフ・ベニントン・レイテ・ビックスバーグ(ノーフォーク艤装)・ダラス 1945年 ボクサー・アムスターダム・ポーツマス (イオージマ・タラハシー・シャイアン・チャタヌーガ) チェサピーク湾に臨むノーフォーク工廠の対岸にある造船所。エセックス級の正規空母3隻エセックス、ヨークタウン、イントレピッドを同時期に建造した。さらに空母フランクリンを起工した1942年12月の段階では、ヨークタウン・イントレピッド・ホーネット・フランクリンの4隻が船台上に乗っている。つまり、ここだけでエセックス級を少なくとも4隻同時に建造可能ということです。 ベスレヘム=クインシー造船所 1930年 ノーザンプトン 1933年 ポートランド 1936年 クインシー 1937年 ビンセンス 1942年 マサチューセッツ・ワスプ・サンディエゴ・サンファン 1943年 レキシントン・バンカーヒル・ワスプ・ボルチモア・ボストン・キャンベラ・クインシー 1944年 ハンコック・ピッツバーグ・ビンセンス・パサデナ・スプリングフィールト・トペカ 1945年 セントポール・コロンバス・ヘレナ・プロビデンス 1946年 フィリピンシー・オレゴンシティ・オルバニー・ロチェスター・マンチェスター 1953年 ノーザンプトン (ケンブリッジ・ブリッジポート・カンザスシティ・タルサ) フェデラル=ケアーニー造船所 1941年 アトランタ 1942年 ジュノー 1946年 ジュノー・スポケーン・フレスノ クランプ=フィラデルフィア造船所 1944年 マイアミ・アストリア・オクラホマシティ 1945年 リトルロック 1946年 ガルベストン (ヤングスタウン・ウィルミントン・バレホ・ヘレナ・ロアノーク) クランプ造船所は1927年に閉鎖しているため、上表には存在しない。 1940年に海軍は巡洋艦と潜水艦を建造するため2,200万ドルを費やし造船所を再開。 敷地は175エーカー。船台8、乾ドック×1。 主な建造艦艇にはクリーブランド級軽巡やバラオ級潜水艦などがある。 1947年に閉鎖。 Table.5 西海岸における米国民間造船所
*他に民間造船所約40あり
ベスレヘム=サンフランシスコ造船所 1943年 オークランド・リノ 1944年 フリント 1945年 タクソン Table.6 正規空母・軽空母の造船所
ニューヨーク=カムデン造船所は軽空母11隻を建造した。 正規空母31隻が6造船所で建造された。 そのうち、太平洋戦争の期間内に正規空母を進水まで果たせたのは、ブルックリン工廠を除く5造船所の24隻。 ニューポート・ニューズ社は24隻中10隻を建造し、そのシェアは40%である。 この化け物チート国家アメリカを、どうすれば敗北させられるというのか。 ・1939年当時の英国 ビッカーズ社バロー・イン・ファーネス工場、同タイン工場、ジョン・ブラウン社、キャメル・レアード社 各2基 スワン・ハンター社、フェアフィールド社、ハーランド・ウルフ社、デボンポート工廠、ポーツマス工廠 各1基 計13基の大型船台が稼動していた。 うち2つは「クイーン・メリー級」の超大型客船を建造中。 残る11基のうち5基は「キング・ジョージ五世級」戦艦、4基は「イラストリアス級」空母を建造中。空きは2箇所しかなかった。