■フェイズ02:「傾向と対策2」■

●気候と風、海流(農業、人口密度など)

 日本列島が十倍になると、何をどうやっても周辺の海流の流れが確実に変化する。連動して気候の変化も起きる。
 だが「お約束」として、巨大化した日本列島以外の変化は可能な限り存在しないものと想定する。確実に地球規模での変化が起きる筈だが、考察を始めたらキリがないいからだ。
 故に、変化無しという大前提の上で、巨大化した日本列島の変化を全体と地域ごとに見ていこう。とはいえ、日本の変化だけでもたいへんな事となる。

 まず、暖流の黒潮(北太平洋海流)と寒流の親潮(千島海流)が変化する。
 一番の変化は千島海流(親潮)で、地形の変化により日本の太平洋側に流れてこなくなる。ベーリング海に鎮座する北海道が原因で、北海道が蓋となって北極海から発生を始める千島海流は、地球の自転などの影響もあって全て広大になった日本海へと流れていく。
 つまりは、我々の世界でのリマン海流が巨大化した姿が、この世界での千島海流の姿となる。そしてこの寒流は、基本的にユーラシア大陸寄りに流れるので、日本列島への影響が若干減る。この辺りはリマン海流と同じだが、ロシア極東の沿海州や朝鮮半島の北部、東部は、我々の世界よりも少し寒冷になるだろう。
 また、日本海の日本寄りの海の各所で暖流と寒流がぶつかるので、日本海の広範な地域が好漁場となるだろう。

 次に北太平洋海流(黒潮)だが、やはり九州南部が邪魔をするので、少し南寄りに進路を取るようになる。
 その後、日本列島をかすめながら東進して、日本列島を抜けると南北に分散する。そして北に流れる海流は邪魔をする大きな寒流がないので、そのまま北上を続ける。
 アラスカ南部沿岸は、我々の世界よりも少し温暖になる可能性が高いだろう。もちろんだが、日本の太平洋岸にも大きく影響し、より温暖な気候になる地域も出てくる。紀伊半島南部では、屋久杉のような巨大杉林になっているだろう。
 つまり熊野杉が屋久杉化することになるのかもしれない
 また東シナ海から分離する対馬海流も、九州南部によって分かれた段階で我々の世界よりもやや大きな流れとなる。
 しかし基本的に変化はないので、主に西日本の冬の気候に大きな影響を与え、さらに日本海各地に好漁場を提供することになるだろう。

 次に風だが、日本列島が十倍になっても、基本的には季節風が最も強い影響を与える点に変化はない。
 しかし季節風と海流の影響、偏西風の通常進路、さらにはユーラシア大陸からの距離、そして緯度の関係で、東日本以東および以北は、我々の世界の日本とは違う気候条件になるだろう。
 また、もとの日本は季節風の影響を受けるが、十倍になると事情も異なる。夏は、季節風のおおもととなる北太平洋上にある北東貿易風をもたらす高気圧が、関東平野のほぼ真東にきてしまう。
 いわゆる「太平洋高気圧」の事で、真夏になると近畿から関東平野にかけてのすぐ下あたりまで勢力下とする。
 このため、関東地方は南東からではなくほぼ東からの風の影響を受ける。このため夏はかなり乾燥するのではないだろうか。
 それでも暖流の上を風が通るので、雨量自体は極端に減ることはないかもしれない。
 夏から秋にかけての台風については、もとの日本だと南方で発生してその後ジェット気流に乗って日本列島を横断する事が一般的だが、十倍になると四国、中国地方の西半分程度までしか大きな影響圏には入らない。
 基本的に台風は、九州の西か東を通過する事が多くなるだろう。近畿や東日本に台風が上陸するのは、ピークから外れた季節になるだろう。関東地方は、季節外れに1つか2つ来る程度だろう。
 冬になると、アリューシャン列島の辺りに低気圧の中心がくるので、北海道はこの低気圧の真下になり、東北は西から東へと吹く風の影響を受ける。
 また日本全体が大陸から離れるので、シベリア寒気団をもたらす大陸からの風の影響は日本全体で弱まる。九州、中国地方、精々近畿ぐらいまでが大きな影響を受けるに止まるだろう。
 こうした海流と風の影響から考えると、日本の原風景とされる「瑞穂」の大地は、九州を中心に西日本の景色となり、関東や東北は少し乾いた違った景色になるだろう。
 場所によっては、地中海沿岸に近い情景になる場所も見られる筈だ。もしくは中華大陸の華北地域に近いかもしれない。

 では北(東)から順番に、この世界での地域名を冠しつつ我々の世界の視点から考察できる程度で、気候と代表的農業を見ていこう。
(※なお、多少は雰囲気を出すために、この世界で記された文献風に進めていく。)

・北海州(ノースシーランド(アイランド))

 北海州だけ一つの地域となり、島自体は本州(メインランド)、グリーンランドに次いで世界第三位の面積を誇る(※僅差で4位のニューギニア島より大きい)。
 島の名は北海州で、日本名で「島」とはつけないが他言語だと「島」を付ける。
 主な気候は亜寒帯か寒帯で、冬の間は北太平洋低気圧がほぼ真上にきてしまう。また夏はほぼ真北から、冬は南西からの風が吹く。
 このため冬は非常に厳しいが、夏の太平洋岸はかなり過ごしやすくなる。ただし北部の冬は極寒の世界となる。
 気候区分は、太平洋沿岸の多くが西岸海洋性気候で、北ヨーロッパの北大西洋沿岸に近い気候となる。
 内陸部は平地が冬に降雨量(降雪量)が比較的多い亜寒帯気候で、山岳部と北部、北東部沿岸がタイガ(針葉樹林帯)やツンドラ気候になる。大雪山系の一部には、永久氷河が存在している。

 動物は、1万5000年前にアメリカ大陸へと渡ったマンモス、ヘラジカなどのほ乳類が中心となるが、その後は、ヒグマ、トナカイ他の動物にとって代わられる。
 先住民は、ユーラシア大陸の北部でマンモスなどを追いかけてきた人々の末裔で、遺伝子的には最後にアメリカ大陸へと進んだアメリカ先住民と非常に近くなる。
 現代ではマンモスは滅亡し、ヒグマ、ヘラジカが最大級の動物となる。また、北アメリカ大陸からの動物の移動もあり、スミロドン(サーベルタイガー)、ダイアウルフなどが入り込み、その後日本列島を南下している。
 農業は、主に太平洋岸の海に近い地域で北ヨーロッパで行われる混合農業が行われ、その内陸部では酪農中心になる。
 酪農が無理な地域では、近代以後に牧羊も行われている。
 北部、北東部は寒冷すぎて農業に不向きのため、一部夏に温度の上昇する地域で現代に入って農業(酪農)が行われる以外は、トナカイ放牧程度しかできない。
 基本的に人が住むには厳しい気候なので、現代でも人口密度は総じて低く、多い地域でも北欧と同程度に落ち着いている。北部を中心に住民の半数近くが、「乾人(いぬいびと)」呼ばれる先住民族で、アメリカ大陸先住民と同じ系譜に属している。

・奥州(ファーランド)

 本州(メインランド)の北部に位置しており、冬の間はほぼ真西から、夏は南東からの季節風の影響を受ける。
 「東北」と島の位置で地域を指す場合もある。
 気候区分は全体が亜寒帯に属するが、日本海側は冬の降水量(降雪量)が比較的多く、太平洋側は夏の気候が亜寒帯としては比較的温暖となる地域もある。
 しかし、ユーラシア大陸からの影響が小さくなるので、降水量(降雪量)は本州南部地域に比べるとやや少なく、また気候も寒冷のため水稲、陸稲を問わず稲作栽培は不可能となる。
 冬は雪が比較的多いため、雪解け水を主な水源とする夏作の小麦栽培(春小麦栽培)が盛んに行われている。小麦栽培が始まってからは、仙台平野は北の穀倉地帯となっている。
 小麦が大陸から渡来するまでは、稗や粟の生産が主軸で、古くから穀物不足によるカロリーを補うため家畜の飼育が盛んに行われていた。
 そうした土地柄の影響か、縄文時代から猪を家畜化した豚を飼育していた。この飼育は他と連続性がない日本独自のため、日本も農業発祥地の一つに含めることもある。会津豚の知名度は、世界的にもかなり高い。
 しかし北部を中心に農業に不向きな地域も多く、人口密度はあまり高くない。北部には乾人(イヌイット)も住んで、古くから混血も進んでいる。住民一般で縄文系の血も濃く残るため、風貌は北東アジア的ではなく、北ユーラシア系に近い。

 農地開発が難しいので自然が多く残されており、世界で最も北に虎が生息する地域となり、大柄の狼もいまだ多く生息する。この狼は長い間に一部がハスキー犬に似た大型の犬となって、奥州山犬として犬ぞり、猟犬など人の生活の中で活躍している。またこの地域まで、北の動物であるヘラジカ、トナカイが生息している。
 なお、この地域より北を蝦夷(蛮族の地)と呼ぶ事も多い。その昔、会津南部に蛮族撃退用の長城が建設された事もある。

・広州(フラットランド)

 本州(メインランド)の東部に位置しており、現代ではほぼ300キロ四方の広大な平野部を抱えている。
 このため武蔵平原、東日本平原と呼ぶ事もある。しかし、大陸の平原とでは比べるべくもない。
 平野の半分近く(東部地域)が、氷河期終了とその後の温暖期の後に形成された沖積平野となっている。
 利根川水系は、縄文海進時期は多くが海没(水没)していた。そして人の手により開拓されるまでは、約4000年前の温暖期に多くが海没した名残で湿原が多く、長い期間の地道な開発、開拓を必要とした。
 坂東湿原という言葉もある。その中心の利根川は日本有数の大河で、古くから河川交通として利用されている。

 この辺りの地域から、北東アジア特有の季節風の影響が夏冬共に大きくなり、暖流の影響もあるため全般的に気候も温暖になるので、完全な温帯気候に属している。
 だが夏の降水量は少ないため、農業は灌漑農業が出来る地域以外では畑作(麦作)が中心となる。灌漑農業の為、池や河川が盛んに利用されている。特に平野部の西部はため池が多い。この地域でも、中世以後は灌漑池を作るために土木技術が発展した。この灌漑農業を利用して、一部では陸稲の稲作が行われている。
 特に雨量が少ない地域では、乾燥に適した作物(綿花・柑橘類など)の栽培も盛んに行われている。その替わり、家畜の飼育が増える。平野が大きいため、古くから馬の利用も盛ん。軍事的には、広州騎兵と呼ばれ他の地域から恐れられた。
 米の栽培が難しい為、西日本に比べると人口密度は低くなる。人口密度は欧州中原や中華北部に近い。
 農業技術が向上すると灌漑農業による稲作(陸稲)も可能となるが、20世紀半ば以後は収穫量が大きく伸びた小麦栽培が主力となっている。稲ではなく麦の大地で、日本最大の穀倉地帯を形成している。

 民族的には縄文系が強く、弥生系の血統は半分ぐらいあるが縄文系寄りの見た目が多い。坂東という別名があるが、もともとは「蛮東」と言われていた。

・越州(オーバーランド)

 本州(メインランド)中央部の山脈地帯(日本山脈)を越えた日本海側に面しており、全体としては日本海に流れ込む暖流(対馬海流)の影響で気候は温帯区分か亜寒帯区分になる。
 日本海側に位置するので、対馬海流と冬の季節風の影響を大きく受ける。
 しかし、ユーラシア大陸からも一定程度離れてしまうため、冬の季節風の影響は東にいくほど低下する。
 また暖流の影響は、東に行くほど減る。このため冬の降雪量があまり増えず、一年を通しての雨量も東に行くほど少なくなる。
 また、海流の影響があっても気温も低下するため、越中地域より東では灌漑農業以外での水耕稲作は難しい。また東に行くほど寒冷になるため、気温の問題からも稲作は難しい。
 このため越後(=新潟)での穀物栽培は、小麦を中心とした畑作が中心となっている。
 逆に越前は、豊富な雪解け水によって稲作が盛んに行われている。現代では品種改良により越後でも稲作が可能となったが、小麦も収穫量が大きく伸びた影響もあって小麦栽培が中心のままとなっている。
 民族的には縄文系が強く、弥生系の血統は半分ぐらいあるが縄文系寄りの見た目が多い。

・東州(東海、日本山脈(イーストシー、ハイランド))

 東海と呼ばれる太平洋に面する沿岸部は、温暖な温帯地域となる。山間部は標高が高い地域が多く地形も険しいため、人が住むにも農業をするにも不向きな地域が多くなる。大陸の高山地帯の気候に近い場所もある。
 雨量は東日本に比べてかなり増えるが、東部の雨量はまだ水耕稲作をするには少なく、濃尾平野あたり(浜名湖近辺)までが水耕稲作の限界地域(年間降雨量1000mm)となる。
 それでも東部の沿岸部では、雪解け水が豊富な河川周辺での灌漑農業による水稲栽培や、陸稲の栽培が行われる事が多い。山間部も似ているが、標高が高い事もあって沿岸部よりも畑作中心(麦作)となり、古くから副食としての畜産が盛んに行われている。
 また、この地域より西の太平洋岸地域では、亜熱帯系の農作物や柑橘類の栽培も盛んに行われるようになる。お茶やたばこの栽培も盛ん。

 台風は夏の初期に近在で発生するものと、主要コース(偏西風の影響)から大きく逸れたもの以外は滅多に通ることはなく、夏の雨量が西日本に比べて少なくなる原因の一つとなっている。
 一方で、季節性の停滞前線の影響を受ける地域のため、春と秋の降水量は比較的多い。東部は梅雨や時雨と呼ばれる初夏の雨期の影響を受ける最も東の地域でもある。またそうした季節の雨量に頼らず、豊富な河川を利用した灌漑農業が進んでいる。

 なお濃尾平野は、歴史的経緯から「関東」や「坂東(野蛮な東が変化した名称)」と呼ばれる事が多く(関ヶ原が東西の関所)、この地域から東が「東日本」と言われる事がある。
 また東の箱根峠が、古くから東海と広州の境界線になる。このため東海側には恒久的で大規模な城塞が建設されている。
 稲作、畑作地域が混在するため、トータルでの人口密度が日本でのほぼ平均値となる。
 民族的には、この辺りから西は北東アジア地域に多い「平たい顔」の弥生系が多くを占めるようになる。

・近畿(ミッドランド)

 中世以後の日本の中心地域。
 瀬戸内海の海運で西部地域と結ばれているお陰で、古くから発展できた。気候は日本で最も平均的で、最も過ごしやすいと言われる。
 しかし日本海側は冬には大量の雪が降り、背後に大きな山脈が控える地域は降雪量が多くなりやすい。世界的な豪雪地帯としても知られている。
 逆に南端部は、海流の影響もあって亜熱帯に近い気候となる。紀伊半島南東部は非常に雨量が多い。

 日本各地への交通の便がよく、土地、耕作地の開発も早く進んだ。基本的に何でも育つので、特徴的な作物は少ない。人口密度は中世から近世の前半まで最も高く、日本の中心地域となった。人口密度も、近代に入るまで最も高い状態が続いた。
 この地域より西は、夏の台風の影響を受けやすくなるが、近畿に台風が来る事はほとんどない。
 しかし北部は雪解け水、南部は春から秋にかけての大量の降雨があるため、水不足になる事は少ない。
 なお、中心部にある琵琶湖は日本最大の湖だが、世界的に見るとそれほど大きくはない。しかし琵琶湖から大阪湾にかけての内陸河川が古くから発達している。現代でも、一部河川の改良や運河化により、1000トンクラスの船舶が琵琶湖まで入り込む事ができる。
 そしてさらに琵琶湖の北端から小規模ながらも河川による交通網があるため日本海に抜けるルートが作られ、交通の要衝ともなっている。

・西州(中国・伊予島)(ウェストランド)

 日本唯一の内海である瀬戸内海を挟んだ地域。気候は温暖で、年間の降水量は若干少ない地域もあるが安定している。
 日本海側は冬に降雪があるが、後背に標高の高い山岳地帯が少ないため、近畿北部ほど多く降る事は少ない。
 瀬戸内海地域は特に東部は雨量が少なく気候も温暖の為、柑橘類の栽培に比較的向いている。
 伊予島の太平洋岸は沖合を流れる暖流の影響もあってかなり温暖で、一部では瑞穂南部のように亜熱帯に近い場所もある。稲作の二期作も盛んに行われている。

 瀬戸内海地域は地震による災害が日本で最も少ない地域だが、西州全体が夏になると特に西部が台風の通り道となるため、雨の恵みをもたらす事もあるが大きな災害に発展する事がある。
 大きな平野は少ないが、中国地方は山の勾配が比較的ゆるい為、古くから内陸部まで開発が進んでいる場所が多い。
 また、先住者の南方系民族(マレー・ポリネシア系)は、伊予島の太平洋岸を中心に南部に行くほど比率が高くなり、古くから「茂呂(もろ)」、「茂呂夷(「もろい」又は「もろえびす」)」と呼ばれる。
 サトウキビの栽培も、伊予島南部から始まったと言われている。

・瑞州(筑紫島)(ウォーターランド)

 日本の最も西に位置していると同時に最も南に位置している為、南部は亜熱帯気候に属している。
 しかし亜熱帯に属しているのは、緯度よりも海流の影響が大きい。北部は温帯気候で、冬は大陸からの影響を受けやすく雪が降ることも多い。
 雨量が全般的に多いので、水耕稲作が盛んに行われている。南東部沿岸では二期作も行われる。しかし南部は火山灰系の土壌が多いため、豊かな土地とは言えない地域も多い。
 南部は亜熱帯系の作物栽培が盛んで、古くからサトウキビ栽培が行われたりしている。また南部では、古くから東南アジア由来の豚と鶏の飼育が行われ、徐々に日本全体に広がった。
 また、先住者の南方系民族(マレー・ポリネシア系)は、南部に行くほど比率が高くなり、彼らは四国と違い「隼人(はやと)」と呼ばれることが多い。
 五島列島が国境の島、瑞州全体が日本で最も西に位置していて朝鮮半島、大陸にも近いため、瑞州自体が大陸からの日本の守りとも言われる。
 そのため鎮西や鎮州と呼ばれることもある。北部を古くから筑紫と呼び、筑紫島が正式名称。だが、「瑞穂」や「高千穂」が地域名になっている。

 

・※補足:

 ごく単純に分けると、日本アルプスから西が水耕稲作が中心で、東が陸稲や小麦(それ以前は稗、粟)が穀物栽培の中心となる。
 つまり十倍日本は東西で食べ物が異なる世界となり、社会や価値観にも違いが出てくる可能性が高い。
 また、人口は西に行くほど多い。しかも東は開拓も遅れるので、尚更人口は少なくなる。