■あとがきのようなもの

 今回の箱庭世界(竜宮)の設定では、まず文明が始まらないと考えられる方は多々いらっしゃると思いますが、その方のご意見は自動的にスルーさせていただきます(笑) という冗談はさておき、天地創造の時点で大きな無理があるのは最初から認識しています。私自身がコンテンツを書き始める前に多少真面目に検証し始めた時点で、箱庭世界そのものが成立しないことは分かっていました。
 同時に、地学面での不備に関するご指摘も、原産の動植物の無理についても同様とさせていただきます。無理が多いことは最初から分かっていますし、何とかある程度の人が暮らせるだけの狭い場所に文明世界を作るために多くの道具を置いたから、無理があるのは当然だと思います。
 多くの事は、世界史に決定的影響(世界征服してしまうとか)を与えない程度で、近代より前の時代で他国に征服されないという条件、そして極々最低限の物理上の問題をクリアさせた結果、今回の場所に箱庭を設定したので、その点を汲んでいただければと思います。例えば、日本列島に近すぎたら、日本人がそこを征服して日本の一部になってしまう可能性が高いですからね。
 また「竜宮」という名称自体は、それほど意味はありません。正直何でもよかったのです。竜宮としたのも、東洋的でファンタジックな名前という基準だけで選びました。日本語圏であるなら、「蛭子(えびす)」などが語源の名前が選ばれるのが普通だと思います。

 なお、今回の箱庭世界の候補には色々ありました。もともとが、十年以上も前に設定をこねくり回して遊んでいたものだからです。昔から、「箱庭世界」や「異世界」を妄想するのが好きだったんです。極論、架空戦記も、戦闘面よりも一種の異世界構築が私にとっては中心になります。
 そうした箱庭構築の内容も、プレートテクトニクスを強引に悪用した、日本海の沈降が小さく大和堆などが島だった場合、カリフォルニア地域が日本のすぐ側まで移動した場合(※サイト「戦争経済」さんがしているのと似た設定でした・・・OTZ その後、地図作製を請け負いましたが(笑))。日本近辺の大陸移動と造山運動が派手だった場合と地味だった場合、沖縄辺りが大きく隆起していた場合、6500万年前に落っこちたとされる巨大隕石がユカタン半島ではなく日本の造山帯のどっかに落ちて大変な事になった場合など、色々と候補がありました。
 というか、ユカタン半島に落ちた隕石を今回の発端にした方がよかったかもと、今更ながら後悔しています。あのときは、ユカタン半島以外にももう一つデカイのが落ちていたという説もあるそうですから(笑)
 
 さて、何といいますか、今回は個人的に「イフ」を存分に楽しんでみました。恐らくは、皆様にとっては一番退屈なコンテンツだったのではないかと思います。
 何しろ、殆どが空想の中の事です。本当の架空であり、どちらかと言えばファンタジーにすら属する事ではないかと思います。
 それでも、日本近在の日本と似た国を作るという始まりなので、かなりの方が第二次世界大戦での日本の勝利もしくは善戦を予測されたのではなかったでしょうか。それとも当サイトの別コンテンツ「太陽帝国」世界のような展開を予測されたのかもと思います。
 しかし今回は、ゴールを我々の時代まで追いかけると決めた以外では、箱庭世界を他国に完全征服させないという制限を設けたのみで、ダラダラと続けることを半ば目標にしていました。
 そうした中で、今回の箱庭世界(竜宮)がいかに動くかは、その時の自身と周辺の状況をそれなりに分析、考察しながら進めてみました。
 おかげで、あっちに行ったり、こっちに行ったりという状態になりがちでしたが、それなりの結果に落ち着いたのかなと思います。
 また、作り上げた世界を多少贔屓目にしていますが、そのぐらいはご愛敬と思いご容赦いただければと思います。
 ただ、20世紀に入るぐらいでやめとけばよかったかもと、かなり後悔しています。世界の距離が縮まる19世紀半ば以降だと、箱庭世界だけで語ることが難しいからです。
 加えて言えば、日本史をほぼ動かさなかったのは、色々考えた末での選択だった筈なのですが、どうしても歪な面が拭えなかったのも失敗でしたね。その反省から、第二次世界大戦以後は色々弄ってみましたが、逆にやりすぎたかもしれません。

 なお日本史を可能な限り弄らなかったのは、読まれる方との知識の共有という側面を重視したからです。本来ならば、かなりの変化が存在したでしょう。
 また、第二次世界大戦を可能な限り史実に近づけるために、竜宮には二度クーデターを起こさせました。おとぎ話的想定を第二次世界大戦に持ち込んだのは、そうしたお話し的状況を現代史に淡々と持ち込むとどうなるかという例を示してみたかったからです。
 それと、共産主義陣営を続けさせてみたり、中華地域を史実よりも混沌とさせてみたのは、今回は刺身のツバ程度のことでしかありませんでした。後はあえて言えば、中華情勢が史実と違っていれば起きていたかもしれない事件を酷くしてみたり、北東アジアに先進国をもう一つ作ればあり得た状況があったかもと想定を進めてみただけです。
 それと、色んな場所で紛争や戦争ばかりさせるのが面倒くさくなったので、中華地域に全部背負わせたという側面も強かったですね。基本的に、他意はありません。
 ただ、ソ連の続いている世界、文革以後の中華が大きくこけてしまった世界という、我々の世界からかけ離れた状況は、またいずれ取り組んでみたいテーマです。

 では最後に、地球上に存在しない場所に国を作る作業の難しさを実感したという言葉で終えさせていただきたいと思います。

 

 それでは、また違う並行世界で会いましょう。

あ、そうそう、忘れるところでしたが、最後に艦艇イメージを一つ紹介したいと思います。
本当なら竜宮王国の艦艇をと思ったのですが、
今まで「航空戦艦扶桑・完全版」というのをなかなか他でも見る機会がないので作ってみました。


航空戦艦・扶桑