●略歴年表

 ・1853年
6月 
「白船来航」。瑞穂国の日本来訪。
7月
幕府、瑞穂学問所開設。
幕府、大船建造の禁をとく(船舶の建造規制撤廃)。
幕府、製鉄用の反射炉建設。
8月 
ロシア船が長崎来航。
幕府、江戸台場の工事開始。
9月 
幕府、長崎に海軍伝習所設置。
幕府、新型の国産大砲製造。
10月 
始めての国産帆船就役。以後爆発的に増加。
12月
始めての国産蒸気船就役。
国産の電信を試作。

 ・1854年
1月 
ロシア船再度長崎に来航。国書を渡す。
ペリー来航。国書を渡す。
6月 
「白船再来航」。瑞穂国と国交樹立。しかし諸外国には長らく伏せられる。
7月 
瑞穂国の使者、孝明天皇に拝謁。
10月 
ロシア再来航
12月 
日露和親条約締結。ロシアと国交樹立。

 ・1855年
2月 初の国産機関車完成。鉄道敷設の準備が進む。
3月 イギリス艦隊、フランス艦隊が日本に来航
6月 瑞穂国来航
神戸を瑞穂にだけ開港。居留地を建設
7月
瑞穂領事館、瑞穂学校、瑞穂研鑽所(研究所)開設
日米和親条約締結。アメリカと国交樹立
イギリス艦隊再来航。日英和親条約締結。イギリスと国交樹立
8月
電信の商業利用開始。
10月
大量印刷機実用化。後に蒸気動力化。
12月
フランス、オランダと和親条約締結。

 ・1857年
4月
日本人の渡航規制解除。
初の日本人移民が出発。
9月
鉄道敷設開始(江戸=横浜。神戸=大坂=京)。
10月
日本船が、アロー戦争中の揚子江地域に出現。情報収集のため。

 ・1858年
4月 
井伊直弼大老就任。保守勢力を排除して、改革の強力な推進を画策。同時に幕府中心の体制への軌道修正も実施。
7月 
日米修好通商条約締結。日本側の抗議により完全平等条約として締結。日本の武力と知力をアメリカは評価。
8月
英、仏、露、蘭とも修好通商条約締結。どれも平等条約とされる。
同時に領土確定。ロシアは樺太、千島が日本領と認める。
9月 安政の大獄。改革の反対派(保守派)を弾圧。

 ・1859年
3月
横浜開港。
5月
最初の鉄道が開通(江戸=横浜間)。
6月
釜石に近代製鉄所開業。

 ・1860年
3月 桜田門外の変。改革反対派により井伊直弼暗殺。幕府主導による改革の限界が早くも見える。
4月
瑞穂留学開始。
10月
初の留学生帰国。驚くほどの知識を得て戻る。以後恒常化。留学生は様々な分野で日本を牽引するようになり、近代化も加速。

 ・1861年
日本初の株式会社誕生。
蝦夷で幌内炭坑開削。
ロシア対馬を一時占領。幕府は最新鋭の蒸気艦隊を出動させて退去を要求。ロシア側はすぐにも撤退。幕府に領土確定を急がせる。
この頃から瑞穂米が普及し始め、各地で今までにない良種の米の豊作が報告される。他の新種作物の普及も拡大。一時的に米価の値崩れが見られるが、人口拡大と一人当たりカロリー摂取量の増加が始まる。

 ・1862年
7月
「文久の改革」
(武士による)常備軍の設置(幕軍)、海軍の建設、新貨幣の整備(銀行制度整備)を行う。
並行して官僚制度の刷新開始。武士以外の登用も積極化。
多数の武士が石高ではなく、常備軍や官職で禄を得るように変化していく。石高制度の事実上の崩壊始まる。地方領主として置いて行かれつつある大名に危機感。
日本捕鯨船が初めてハワイ王国に到着。
9月 
日本銀行開設。
10月
鎮台発足。幕府直轄地の箱館、江戸、駿府、京、大坂、長崎に設置。幕軍の拠点となり、各地で旅団が誕生。3年以内に改変と再編成が繰り返されて師団に拡大。

 ・1863年
3月
将軍上洛。
4月 
将軍が上奏に出向くも、逆に孝明天皇より言葉を賜る。
孝明天皇は、瑞穂との関係をますます盛んにして、諸外国とも遅れることなくつき合うことを示唆。
8月 
日本からハワイへの移民始まる。

 ・1864年
幕府海軍の鎮守府設置。長崎、呉、横須賀に設置。
大坂証券取引所開設。
北樺太で炭田開削。
瑞穂人襲撃事件。日本人の中では瑞穂人擁護の方が圧倒的多数の意見だと改めて判明。

 ・1865年
天皇家が瑞穂国王族との姻戚を進めることを発表。
横須賀で装甲戦列艦就役。欧米最先端に並ぶ戦闘艦となる。

 ・1866年
1月 
雄藩及び瑞穂留学を経た者達が、天皇を中心として江戸幕府に代わる政府設立で連合。幕府との間に対立。
10月 
江戸=神戸間の鉄道開通。
12月
十五代将軍に徳川慶喜就任。孝明天皇崩御。
孝明天皇の遺言公開。日本中に衝撃。
この年、新種の米の爆発的普及により驚くほどの豊作のため、米価が値崩れ。幕府が米価の統制に乗りだしたが、豊作一揆が各地で起きる。同時に武士の財政基盤が、米から貨幣に動く向きが極端に加速。

 ・1867年
1月 
明治天皇即位。式典出席と祝辞を述べるため、瑞穂王と后が初めて来日。また日本皇室と瑞穂王室との婚礼を進めるための来日でもあった。日本中で瑞穂への大歓迎で、特に上方方面は祭り状態となる。
4月、
幕府、初めての外交としてロシアのアラスカ売却に名乗り。アメリカを嫌うヨーロッパの幾つかの国を仲介としてロシアに打診。またロシアには幕末頃からの良好な関係を利用して、宮廷工作も実施。アメリカと競り合うが、アメリカより高額の130万両(=同額£=約800万$)で落札。これ以外に賄賂として大量の金品がロシア上流階級に流れた。
資金源が世界中で怪しまれるが、日本は幕府財宝と国内に多数の金鉱があることで説明。当然とばかりに即金で支払った。このため一時的だが、世界規模で金の価格が若干低下。各国が日本との貿易に殺到。日本とロシアの関係が大きく好転。
5月 
天皇の下に欽定憲法の準備委員会が発足。幕府は止めることができず。
6月 
新しい帝と瑞穂国の姫が結婚。京、大坂では祝賀に伴う振る舞いが身分を問わず広く行われる。
8月 
「ええじゃないか」の発生。新国家機運を後押し。
9月 
この年も大豊作が確定。幕府は対応に苦慮。各地で豊作一揆再び。
10月 
朝廷内で欽定憲法の発布が現実化。
徳川慶喜「大政奉還」実施。江戸幕府終焉。
12月 
大日本国憲法発布。

 ・1868年
1月 
戊申総選挙開始。
2月
初代内閣総理大臣に徳川慶喜が就任。内閣を組閣。選挙を勝ち抜いた身分を問わない者が登用される。
『大日本国』建国宣言。
4月 徳川家、江戸城明け渡し。江戸城内に臨時議事堂が設置される。
5月 
第一回大日本国議会開催。
新帝の第一子が誕生。国を挙げての祭りとなる。
7月 
アラスカでゴールドラッシュ。莫大な黄金が日本に流れ込み、2年後には完全な金本位制を実施。
ロシアが苦言して一部で軍を配置。日本側は交渉の後ろで力を見せることで対応。
連動して、漁業の発展と共にアラスカの開発と入植が進む。
ロシアからアリューシャン列島を購入。破格の金額(200万両)で購入。
8月 
明治天皇即位の礼。国を挙げての祭典も催される。
9月 
明治改元(一世一元の制)
明治時代始まる。

 ・1869年(明治2年)
2月
各国との領土協定成立。
日本列島、樺太、千島、琉球、西太平洋各地の島嶼、アラスカ、アリューシャン列島、ニューギニア島東部、ニューギニア島東部近在の島嶼を領有確定。
日本は、事実上太平洋の西半分に勢力を広げる。


●第二部「汎日本主義」