改阿賀野型二等巡洋艦

同型艦(第一期)
宇治 1943年1月就役 木津 1943年2月就役
1943年1月就役 吉野 1943年1月就役

同型艦(第二期)
九頭竜 1944年5月就役 常願寺 1944年7月就役
隅田 1945年3月就役 鶴見 1945年6月就役
猪名 1945年10月就役 遠賀 1945年12月就役
久慈 1946年2月就役 武庫 1946年3月就役

要目(第一次改装後)
項目 数値 武装 数値
基準排水量 8900t 主砲 60口径15.5cm砲  連装4基  8門
全長 185.0m 高射砲 65口径10.0cm砲  連装6基  12門
全幅 16.5m 魚雷発射管 なし
機関出力 128000馬力 艦載機 なし
速力 32.5ノット 水線部装甲 100mm
航続力 16ノットで8000浬 甲板装甲 47mm

備考
太平洋戦争における臨時戦時計画である第九次海軍補充計画(1942年)で大量に建造が行われた、戦時量産型汎用巡洋艦。
船体構造と装備など基本的な点を、設計期間の短縮のため阿賀野型二等巡洋艦の設計を流用していた事から「改阿賀野型」と呼ばれることが多いが、その見た目のシルエットから大きく食い違っており、聞くと見る印象を大きく異ならせている。
しかし、その最大の特徴はまさに見た目にあり、徹底した簡易構造とブロック工法の大幅採用により、日本艦としては大量建造が可能な構造を大型艦で初めて取り入れたものとなっている。
また、一見装備も防空装備を充実させ、航空艤装と雷装を全廃すると言う大胆な変更がなされるなど、この事を以てしても日本海軍の戦術ドクトリンがこの戦争においていかに変化したかを知ることが出来ると思う。
なお、派生型として砲装備を変更した「綾瀬型二等防空巡洋艦」、さらに簡易構造化された戦時増産型防空艦「空知型防空巡洋艦」があり、艤装以外の大半のものを共用することによるコストの削減と、ただでさえ複雑な兵器体系の単純化が試みられている。もっとも口さがないものは、第二次世界大戦前後の巡洋艦の艦船デザインとそのヴァリエーションの貧弱さを批判する事も多い。
しかし、思いの外シルエットは変化があり、その点設計者の皮肉な抵抗の後が見られる。