綾瀬型二等防空巡洋艦
同型艦(第一期)
綾瀬 | 1942年9月就役 | 水無瀬 | 1942年11月就役 |
音無瀬 | 1943年1月就役 | 就役 | 1943年2月就役 |
要目(第一次改装後)
項目 | 数値 | 武装 | 数値 |
基準排水量 | 8900t | 主砲 | 65口径10.0cm砲 連装12基 24門 |
全長 | 185.0m | 高射砲 | 40mm高射機関砲 連装16基 32門 |
全幅 | 16.5m | 魚雷発射管 | なし |
機関出力 | 128000馬力 | 艦載機 | なし |
速力 | 32.5ノット | 水線部装甲 | 100mm |
航続力 | 16ノットで8000浬 | 甲板装甲 | 47mm |
備考
日本海軍が初めて量産した防空巡洋艦。多数の高射砲とそれを制御する多数の高射指揮システムを搭載するのが最大の特徴だが、同時に量産効果を期待するために「改阿賀野型二等巡洋艦」と艤装が違うだけで他は全く同じ仕様となっているのも大きな特徴となっている。
このため、外観は改阿賀野型とよく似たものとなっているが、汎用巡洋艦として建造された改阿賀野型と比較するとその性格は大きく異なり、艦隊全体の防空戦闘と若干の対潜戦闘のみしか考慮されていない、極めて限られた能力しか与えられていない。
しかし、同時に5つの目標を狙える電探連動射撃装置を持ち、他にも多数の40mm、20mm機銃を搭載しており、多層にわたる重厚な防空火力を形成できる能力を持つ。
特に4隻全てを揃えた対空射撃は、航空攻撃は不可能とすら言われる弾幕を形成した。
初陣はハワイ奪還作戦だったが、空母の直衛艦として十二分にその任務を果たし、米艦載機を寄せ付けない圧倒的な火力を披露した。
この効果を確認した海軍も、その後防空艦の多数整備に力を入れるようになったり、既存の巡洋艦の防空艦化を促進させるのに大きな役割を果たしたという点からみれば大いに成功作と言えるだろう。
そして、この後さらに簡易構造を採用した戦時増産型防空艦「空知型防空巡洋艦」へとつながっていく事となる。
なお、船体設計にゆとりがなかった事から、その後は新型の高射砲を搭載される事もなく、防空兵器の主力が対空誘導弾に移行すると早々に順次退役していくことになる。