日本皇国の護衛駆逐艦

桜(花)型駆逐艦

新造時(1915年時)

改装後(1941年時)

同型艦
桜 梅 椿 藤 菫 菊 葵 桃 蘭 桐 蓮 梔
撫子 雛菊 木蓮 秋桜 百合 菖蒲 牡丹 鈴蘭 薔薇 睡蓮 水仙 朝顔
沈丁花 石南花 勿忘草 紫陽花

要目
項目 数値 武装 数値
基準排水量 2970t 主砲 45口径12cm砲  連装4基  8門
全長 132.6m 機銃 45口径8cm砲  単装2基  2門
全幅 12.3m 魚雷発射管 53.0cm 3連装2基  6門
機関出力 45000馬力 爆雷投下器 2基
速力 32.5ノット 爆雷投射器 なし
航続力 14ノットで5000浬 爆雷数 32発

近代改装後
武装 数値
主砲 65口径10cm砲  連装2基  4門
機銃 40mm連装機銃5基 10門  25mm単装機銃12基 12門
魚雷発射管 53.0cm 3連装1基  3門
爆雷投下器 2基
爆雷投射器 2基
爆雷数 48発

備考
長距離哨戒を主目的として計画された教導用にも使用できる大型駆逐艦。軽巡洋艦のはしりとも言える。
その任務は輸送船団の護衛とそれらを護衛する護衛専用艦艇の旗艦任務にあり、その性格上巡洋艦ではなく大型の駆逐艦として計画、建造された。
元々は八八艦隊の別枠である護衛艦隊の中核戦力として8隻程度が建造予定だったが、折しも第一次世界大戦が勃発したため当初の建造計画を大幅拡大の後、大量に建造され欧州へと派遣されその任務を遂行した。
このため、駆逐艦としては大型の艦橋を持ち、背負式の砲塔を前後に搭載する事から、見方によっては5500t級よりも立派な艦様をしていた。
使用実績は良好で、その後も軍縮条約に引っかかるまで長らく使用され、軍縮条約に引っかかってからも速力を一時的に低下させて護衛艦として使用され大戦の勃発とともに再び缶を元に戻し護衛戦隊の旗艦任務に戻り、老骨にむち打ち二つの大戦を戦い抜いた。
なお、第二次世界大戦を迎えての改装で、旗艦設備を増設するため2番砲塔を降ろし、そこに施設を増設している。

■改桜型

新造時(1915年時)

改装後(1941年時)

同型艦
001号艦〜174号艦

要目
項目 数値 武装 数値
基準排水量 1070t 主砲 45口径12cm砲  単装2基  2門
全長 96.6m 機銃 45口径8cm砲  単装1基  1門
全幅 9.0m 魚雷発射管 53.0cm 3連装1基  3門
機関出力 18000馬力 爆雷投下器 2基
速力 27.0ノット 爆雷投射器 なし
航続力 14ノットで3500浬 爆雷数 18発

武装 数値
主砲 45口径12cm砲  単装2基  2門
機銃 40mm連装機銃3基 6門  25mm単装機銃8基 8門
魚雷発射管 なし
爆雷投下器 2基
爆雷投射器 2基
爆雷数 24発

備考
第一次世界大戦の勃発と共に量産性能を特に重視して計画、建造された護衛専用駆逐艦。
性能は凡庸だが、その圧倒的な数でUボートから輸送船団を守り抜いた。
最大の特徴は、大量生産を可能とするための簡易構造とその平凡な兵装にある。
第一次世界大戦後は、大量に発生した余剰艦艇が亜細亜各国に供与され標準的な駆逐艦として親しまれ、また残り六割程は第二次世界大戦でも護衛艦隊で使用され、第二次世界大戦初戦の護衛艦艇不足を大いに助けた。
なお、このクラスの駆逐艦だけはあまりにも多数建造予定されたため、艦名が番号表記「桜001号艦」となっている。
そのため、多数(一説には6隻以上)の桜型が参加すると『桜並木ができた』とはやされ、商船船員からありがたられた。

■松型護衛駆逐艦 第一期生産型


同型艦多数

要目
項目 数値 武装 数値
基準排水量 1390t 主砲 40口径12.7cm砲  連装1基 単装1基  3門
全長 105.0m 機銃 40mm連装機銃5基 10門  25mm単装機銃8基 8門
全幅 9.4m 魚雷発射管 61.0cm 4連装1基  4門
機関出力 21000馬力 爆雷投下器 2基
速力 28.2ノット 爆雷投射器 2基
航続力 18ノットで3500浬 爆雷数 32発

備考
無条約時代に入り、旧式化の目立つ護衛駆逐艦の代艦として建造が行われた、新世代の護衛専用駆逐艦。
中程度の対空防御力と、最低限度の対艦攻撃力、すぐれた対潜水艦戦能力を量産しやすい中程度の能力を持った船体に詰め込んで設計されており、
10年以上に渡り各種300隻以上建造されたワークホース的な駆逐艦。
時代に対応する為、順次装備を増設し船体を大型化した結果、1950年代に建造された第3期生産型は排水量が2000トン近くに達していた。

■改松型護衛駆逐艦 第三期生産型

同型艦多数

要目
項目 数値 武装 数値
基準排水量 1830t 主砲 60口径12.7cm砲  単装2基  2門
全長 117.0m 機銃 40mm連装機銃8基 16門  25mm単装機銃8基 8門
全幅 11.8m 魚雷発射管 なし
機関出力 24500馬力 爆雷投下器 2基
速力 27.6ノット 爆雷投射器 三式爆雷投射器 1基
航続力 18ノットで4000浬 爆雷数 36発

備考
第三次世界大戦前後に大量に生産された、「松型」の第三期シリーズにあたる護衛駆逐艦。
もっとも、その外見は、母体となった「松型」から比較するとまるで別物の駆逐艦とすら見れるほどの変貌を遂げており、
10年の間の技術進歩と戦術の変化を知る上では非常に興味深い存在と言える。
また、装備の多様化などにより非常に大型になり、その排水量は往年の艦隊型駆逐艦に迫るほどとなっている。

■楢型護衛駆逐艦

同型艦
同型艦多数

要目
項目 数値 武装 数値
基準排水量 1830t 主砲 60口径12.7cm砲  単装2基  2門
全長 117.0m 機銃 40mm連装機銃7基 14門  25mm単装機銃12基 12門
全幅 11.8m 魚雷発射管 なし
機関出力 32000馬力 爆雷投下器 2基
速力 29.5ノット 爆雷投射器 三式爆雷投射器 1基
航続力 18ノットで4000浬 爆雷数 36発

備考
第三次世界大戦前後に大量に生産された、「松型」の最終シリーズにあたる護衛駆逐艦であると共に、
新世代の護衛駆逐艦と呼びうる存在。
船体や装備、艤装の大半は「松型」の第三期シリーズとほぼ同じものを使用していてが、新型のアクティブ・ソナー、
立体電探(3Dレーダー)、その他の新型捜索、索敵、妨害装置の搭載は、船体下部の形状の変更、艦橋の大型化、
マストの大型化をもたらしており、いわよる「現代的」な姿を洋上に見せることになります。
そして、ジェット戦闘機、反応動力潜水艦すら追尾可能な装備は、艦隊護衛の中核として
また新時代のワークホースとしての地位を確立し、戦後も各国に供与されるなどして長らく使われ、
半世紀以上たった現在においても現役の艦が存在しているほどである。