ヴァージニア(VIRGINIA)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 「打倒大和」を能力面で実現させるべく、アメリカが威信を持って建造した超大型戦艦。 もっとも、満載10万トンと言われる巨体こそがその最大の特徴で、それ以外の面はその排水量に相応しい性能こそ与えられていましたが、比較的オーソドックスな能力しか持っていませんでした。特に外見上はロードアイランドと酷似しており、違いは船体の大きさと主砲が連装から三連装に代わったぐらいとすら言えます。 ただし、47口径18インチ砲を12門も搭載するというのは、他の列強と比べても重武装であり、同程度のクラスの日本の「播磨級」と比べても排水量に対する武装は過剰と言えるでしょう。 このため、他国では30ノットの速力発揮がもはや当たり前となりつつある中、いまだ28ノットの速力しかなく、本クラスをアメリカ海軍が砲雷撃型の艦隊決戦を非常に重視して建造している事の現れと取ることができます。 しかしそれだけに砲力は圧倒的であり、弾薬投射量に関しては、重武装で知られる「播磨級」と比しても遜色ありませんでした。 このため、「ヴァージニア級」は「播磨級」に対抗するため建造されたのだとする研究者もいるぐらいですが、本クラスはあくまでそれまでの戦闘の反省と雪辱戦を願って、「打倒大和」だけを目指して建造された戦艦であり、日本の同時期の新造戦艦と同程度の能力だったのは単なる偶然に過ぎないと言えるでしょう。 また、本級があくまで戦艦として建造された背景には、他の新造戦艦と共同行動を取るためという目的があった事も忘れるべきではないでしょう。 なお、同級は計画時4隻の建造が計画されましたが、日本などがさらに強力な戦艦の計画を発表し、実際建造を行ったことから2隻でうち切られ、次のアメリカ最後の戦艦クラスとなる「ワシントン級」に移行する事になります。