ワシントン(WASHINGTON)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 アメリカが最後に建造した超大型戦艦。 国際政治的に四面楚歌状態に追いやられたアメリカ連合が、列強全ての戦艦を圧倒するために建造したものです。 本クラスがこれほど巨大になったのは、過剰な戦艦を建造する傾向にある日本・アイヌならともかく、欧州のイギリス、ドイツですら軍拡の原則に従い超大型戦艦の整備を進め、イタリア、フランスですら5万トンクラスの大型戦艦を建造している事を受けて建造が決定したもので、多数の敵を抱える事となったアメリカ海軍の焦りがこの法外な能力を決定させたと言われています。 その最大の特徴は、新開発の50口径53.34cm砲、つまり21インチ砲で、これをそれまでのアメリカ製重戦艦同様3連装砲塔で3基、9門も装備する重武装で、他の新型戦艦同様ヘビーシェルを用いると、一斉射あたりの弾薬投射量は、何と25トン近くに達していました。 もちろんこれは、同様の戦艦を建造しているであろう日本戦艦よりも大きな数字を目指したもので、実際上も世界最大の弾薬投射量でした。 また満載16万トン以上という巨大な船体には、この主砲を防御できるだけの防御力と過剰とも思える程の防御火器が装備されており、全身針鼠のような姿は、当時のアメリカの精神状態をよく表していると表現する研究者もいます。 ただ、計画・建造されたのも世界で最後だったため、戦場に姿を表した時には、その能力を縦横に振るう場所は失われていたことは、皮肉と言えば皮肉でしょう。 また、当初計画なら22インチ砲を搭載する予定だったのが、鋼鉄を加工するプレス機の能力的な限界から最大上限の21インチ砲が選択されたという経緯もあります。そして、この技術の限界に挑んだ事が2番艦の就役に大きく影響し、アメリカ戦艦にしてはめずらしく就役年が大きくずれる予定が立てられました。 そして攻撃力ばかりが大きく誇張されていますが、それを表すかのように防御力は必ずしも十分とは言えず、アメリカ海軍のお家芸であるダメージコントロールこそ非常に優れていましたが、砲撃戦で死命を分けると言われる直接防御力は、同クラスの戦闘艦を相手にした場合は必ずしも十分とは言えず、その点は過剰防御を施す傾向にある、ドイツや日本系戦艦との違いと言えるでしょう。そして、これは本来なら重防御を伝統とするアメリカ戦艦らしくない設計であり、研究者はここでもプレス機の能力の限界がそうさせたのではとしています。 そして、ここで言える結論は、戦艦の際限ない能力強化が最後に技術的限界に達し、まるで恐竜の進化のような状態になったと言えるのではないでしょうか。