ガスコーニュ(GASCOIGUE)級戦艦
ガスコーニュ(新造時)
同型艦
要目(新造時)
備考 本級は、「クレマンソー」ともども「シリュリュー級」の1938年度計画で建造が進められていましたが、フランス降伏時に建造20%で終戦を迎え、その後しばらく建造は放置されていましたが、亡命政府と本国政府に分かれての対立が始まると、フランス軍そのものの再建が急ピッチで進められ、その中で計画が復帰し、当初計画よりはかなり遅れて完成されました。 また、「シリュリュー級」と違って、当初から砲塔の配置を変更するなどの設計時からの他との違いがあり、前と後ろに一基ずつ砲塔を載せるという一見オーソドックスながら、大型戦艦としてはこれまた珍しいスタイルをしています。 さらに、建造が遅れた事から艦橋構造物の変更や、主砲の仕様の変更、機関の出力上昇など列強の新造戦艦に少しでも対抗できるよう細部にわたる改良がなされており、「シリュリュー級」と言うよりは、単一のクラスと分類した方が良いとされ、このため計画時から単艦の建造ながら「ガスコーニュ級」としてジェーン海軍年鑑にも掲載されています。 また、その誕生の経緯から、「シリュリュー級」こそがライバルであり、主砲には姉たちと同様スーパーチャージャーを装備し、砲弾も専用の超重量砲弾を搭載するなど、砲撃戦に重点をおいた改良が施されています。 もちろん、防御力の点においても、装甲厚こそ同級と同じですが、間接防御はさらに洗練されています。そして、全体の重量増加に対応するために機関出力も10%アップさせており、新世代の戦艦として不可欠とされる最高速力30ノットを維持しています。 また、同級の建造の頃から脅威を増している航空機に備えるため、多数の新開発の高角砲や高射機関砲を装備しています。なお、これらの防空火器の全てに砲塔を覆う形で防楯が施されているのも同級以後のフランス艦の特徴となっています。このため、同級は主砲を発射しながらも全く劣ることのない防空戦闘が可能だとされています。 このように「攻・防・走」極めて高いレベルでバランスが取られている事から、条約型戦艦としてはアメリカと同様最良の条約型戦艦との評価を受けています。