ヘルムート・グラフ・フォン・モルトケ (Helmuth Karl Bernhard Graf von Moltke)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 ドイツが、日米が建造する超大型戦艦に対する回答として建造した18インチ砲戦艦。また、ドイツ帝国最後の戦艦でもあります。 一見、「フリードリッヒ・デア・グロッセ級」一回り大きくしたような姿をしていますが、紛れもなくその主砲は18インチ砲であり、しかもこれまでの戦艦と同様ドイツの優れた冶金技術が生み出した47口径の高初速砲、高速発揮維持のためのバーベット径のコンパクト化と主砲発射速度の維持のために採用されている連装砲塔も相まって、他国の18インチ砲戦艦以上の戦闘力を持っていると当時は見られていました。 ただし、さすがに太平洋で多数就役したより大型の化け物戦艦に対してはやや遜色を免れませんでしたが、それでも10万トンクラスと同等の戦闘力があると各国は認識しており、就役後は特に仮想敵国とされているアメリカの大きな脅威となりました。 また、排水量、戦闘力、砲力などカタログデータ上では全ての点でライバルたる英国の「ライオン級」を凌駕しており、欧州最強の戦艦と言うことができます。 なお、「フリードリッヒ級」で完成の域に達したとされる艦艇デザインの寵児であり、装甲防御は間接防御など目に見えない細かな点でさらなる完成度の上昇がなされ、さらに新世代の兵器である対艦誘導弾に対して、初めてそれを考慮した防御構造が取り入れられた点は特筆に値するでしょう。 なお、本級の心臓は全て蒸気タービンに戻されており、いかにドイツと言えどあまりにも巨大でそれでいて安定したディーゼル機関の製造は難しい事を見て取る事ができます。ですが、そのおかげで出力はより大きな数値を達成しており、実質的には満載9万トン近い巨体を30ノットの速度の健脚を発揮させる事ができました。 ただし、30ノット発揮の為の大馬力機関の搭載は、ドイツが得意とする高温高圧タービンの搭載により実現されており、カタログデータはともかく、長期の運用や全力発揮した後の整備では非常な苦労がともなわれたと言われています。 また、特筆に値するのが、ドイツ戦艦で初めて舷側装甲にテーパーを付けており、その内側の傾斜装甲の効果もあり非常に強固な防御力を持っていました。