シャルンホルスト(SCHARNHORST)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 海軍休日明けにドイツ海軍が送り出した条約型新造戦艦。 その一見した特徴は、あえて他の列強よりも小口径の主砲を搭載する事で、その余分の重量を防御力に割いている事であり、それをドイツ戦艦としては初めて三連装砲塔を採用するなどの努力を重ねる事で、さらにバイタルパートを短くするなど、数々の野心的な試みが用いられています。 また、条約型として建造されたのですが、基準排水量はそれを大きく凌駕してしまっており、ドイツ戦艦の防御力の高さを際だたせていますが、彼らの基準からすれば最低この程度の排水量がなければ満足な防御力は付与できないと見て取ることもできます。これは、日英米など海洋帝国が攻撃力を優先した建造を行う傾向がある事と好対照と言えるでしょう。 そして、見た目には分かり辛い特徴ですが、戦艦としては世界で初めて大型ディーゼル機関を搭載しており、これにより長大な航続距離を実現しています。遠方に植民地を持たないドイツがこの種の艦艇に大きな航続距離を与えているのは、いまだに水上艦艇に通商破壊を目的とさせている面を見ることもでき、各国の軍事ドクトリンの差を見せる興味深い例と言えるでしょう。 なお、新開発の47口径38.1cm砲は、ドイツの優れた冶金技術と47口径という長砲身のおかげで、戦後公開された各国のカタログデータなどからは16インチ砲に匹敵する威力を持っている事が分かっています。しかも、他国の新型砲よりもさらに発射速度の高い砲は、弾薬投射量と言う面に置いても他国の大口径砲に遜色しておらず、優れたドイツの砲製造技術を見てとる事ができます。 ただし、船体の設計上艦尾のパーツの接合部に大きな欠陥を抱えており、実際損傷するまで判明しませんでしたが、それ以後ドイツ艦特有のアキレス腱となっています。