インペロ(IMPERO)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 建造当初は、「リットリオ級」の4番艦として建造が進められていたが、イタリア降伏により建造が一時中断され、その後かなりの設計変更の後に建造が再開され、就役しました。 このため、「リットリオ級」とは別に「インペロ級」として分類される事が多く、ここでも分けて紹介しています。 「リットリオ級」との最大の違いは、外見的には完全なフラッシュデッキにされた事ですが、実際はその装甲防御にあります。排水量的には2000トンしか増加しておらず、それによる速力の低下も1ノットに止まっていますが、舷側装甲を一枚板の350mmにする事で直接的な対弾防御力を非常に強力なものとしており、前級と同様11度のテーパーを付けることで16インチ砲にすら対抗可能な装甲が施される事になっています。 また、水平装甲も部分的な多層式を改め、最上甲板と防御甲板の二層にわけて、防御甲板では128mmの厚さにされて、防弾能力の向上が図られています。ただ、これでも垂直防御は大きな不安がありますが、これで30cm砲弾に貫通されるという事態は避けられるようになっています。 同級がこのような改訂をされた背景には、第二次世界大戦中に「リットリオ級」2隻が相次いで砲撃戦で撃沈された事が強く影響しており、あまりにもアッサリ砲撃戦で沈んだ原因を装甲防御にあると認めざるをえなかったイタリア艦艇の設計を、改めさせる最初の大型艦が同級でした。 このため、就役が1947年と大きくずれ込む事になりました。ただ、この改訂で「リットリオ級」に比べるとトップ・ヘビーになっており、戦艦としては転舵のおりの傾斜が大きくなるという欠点を持つようになっています。 しかし、装甲防御を改訂しただけに、使用実績は概ね良好で、第三次世界大戦でも安定した能力を持った中型の高速戦艦として、欧州海軍の一員として地中海でソ連海軍相手に活躍する事になります。