イタリア(ITARIAN)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 イタリア海軍が最後に建造した戦艦です。 また、イタリアが建造した戦闘艦艇の中で唯一基準排水量が5万トンを超えた大型艦でもあります。 同級は、第二次世界大戦で戦没した、「リットリオ級」2隻の代艦的な位置で建造承認されましたが、予算の都合から結局「イタリア」1隻しか建造されていません。なお、予算不足の中であっても建造されたのは、イタリアを象徴する巨大戦艦を建造するという国家威信の問題が強く取り出されたからだとされています。 外見上の特徴は「リットリオ級」よりも一回り大きな船体に50口径38.1cm砲を三連装に納めた砲塔を1基多く搭載しただけの姿をしていますが、その内容は「リットリオ級」から大きく進化しています。 装甲防御に関しては、「インペロ級」と同様の設計改訂がなされたのは当然として、その装甲厚を舷側装甲で381mm、水平甲板で152mm(最大230mm)と大きく上昇させているのが最大の違いとなっています。これにより、イタリア戦艦としては始めて18インチ砲戦艦とも限定的ながら渡り合えるだけの装甲を得るに至っています。 もっとも、これでも水平防御はまだ低いと言えますが、イタリア海軍ではこれでも破格の防御力を付与できたと大きな満足を示したと言われており、この防御力を主に16インチ砲の完全防御を目標としていたと言われています。 また、カタログデータでも見えにくい違いは、主砲の射撃システムで、英国やドイツから輸入された技術を用いて主砲の発射速度を大きく改善する事に成功しており、35秒に一度の斉射が可能なように改良されています。このため、「リットリオ級」よりも主砲塔の全体の重量は重くなりましたが、船の規模そのものが大きくなっている事からこれは問題とはならず(と言うよりも、これを搭載するために船体を大きくしたと言える。主砲が1基増えたのはむしろオマケのようなもの。)、単に主砲の威力だけでなく、弾薬投射量の面でも世界各国の同程度の艦とほぼ対等な戦力を持つに至っています。 そして、非常に初速の高い主砲を装備していていた事もあって、こうした「リットリオ級」からの改訂を受けて建造された同級は、最良の15インチ砲戦艦、または中距離戦闘最強の戦艦と呼ばれれています。