キングジョージ5世(KING GEORGE V)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 イギリス海軍が海軍休日明けに最初に建造した戦艦。 このため、かなり厳格に条約型戦艦として建造されており、そのため中途半端な戦艦であるとの評価が高い、皮肉なものとなっています。ですから、本クラスをして後の反面教師とする専門家の意見が多数を占めています。 後世の評価はさておき、本クラスの特徴は2番砲塔の砲門数を減らしてまで施された装甲防御で、16インチ砲を防御するのなら十分に施された装甲をしており、本クラスが就役した時、時の海軍大臣が浮沈戦艦と豪語した程でした。 能力的には、条約型戦艦としてなら十分以上な装甲を持ち、1門減らされたとは言え8門の16インチ砲を装備し、その上28ノットの速力発揮が可能なのですから、ごく標準的な条約型戦艦と言える事ができるでしょう。 ちょうどアメリカの「サウスダコタ級」、日本の「葛城級」などと対比すべきクラスと言えるでしょう。 ただし、英国海軍をしても本クラスでは全く満足しておらず、当初5隻の建造を計画していたにも関わらず、2隻を建造しただけで残りの資材と新たな予算を投入して次のより本格的な16インチ砲戦艦を建造した事からも、条約に縛られて建造された戦艦がどういうものであるかを物語るものと言えるかもしれません。 また、本クラスですら他国同様3万5000トンの条約枠を逸脱しており、16インチの主砲を装備してなおかつ十分な装甲と速力を確保する事がいかに無理があるかを知らしめるものでもあります。 ただし、中型戦艦としてなら本級の運用実績は極めて良好で、空母機動部隊の護衛から水上打撃艦隊の中核艦、護送船団の間接護衛、場合によっては危険の大きい突撃専門の艦隊などにまで投入され、退役する時には機関が限界をむかえるほど酷使されていました。