ウラジーミル・イリイチ・レーニン (VLADIMIR ILYICH LENIN)級戦艦
同型艦
要目(新造時)
備考 ソヴィエト連邦が、設計から建造に至るまで最初から自国で行った最初で最後の戦艦。新たなソヴィエト連邦の象徴として1943年に建造が承認された超大型戦艦です。このためか、艦の名称には過去の社会主義に対する偉大な人物の名が付けられています。そう言った点では非常にソ連邦的と言えるでしょう。 能力的な特徴は、アメリカで設計・一番艦が建造された「ソユーズ級」をソ連風に50口径406mm砲搭載戦艦にしたものと言ってしまえば済んでしまうような艦です。 満載7万トン以上の船体に18インチ砲すら防御できるとされる装甲防御力と十分な速力を与える機関、そして自国でなんとか製造する事ができた50口径406mm。 ですが、艦艇設計・建造に携わる者の意見では、はっきり言ってしまえば、この当時のソヴィエト連邦がこれ程の規模の戦艦を全て国産で建造したことこそが、最大の特徴と言えるのではないかとされています。 なお、艤装面での特徴挙げるなら、舷側に装備された多数の主砲以外の砲塔が目を惹きます。 両舷の前後に背負い式搭載された152mm三連装砲塔、アメリカからライセンス生産している38口径12.7cm連装砲、シールドで覆われた多数の高角機銃。 いかにも重武装を好むロシア的な艤装であり、またダメージコントールを考えているとはあまり思えない装備状態ですが、それだけに一般市民(+軍事知識の乏しい政治家や高級官僚)にはいかにも「強そう」に見え、また一部軍艦マニアにも強く支持されているとも言います。 また、全ての機銃がシールドされている点も特徴でしょう。当然これは、主砲射撃中も全ての火力を発揮させるために取られた措置で、一見贅沢ですがロクな艦載機や大型空母を保有しない海軍の艦艇としては納得のいく装備と言えるのではないでしょうか。 なお、「ソユーズ級」をタイプシップとして建造しただけに、外見的にもアメリカ戦艦特有の特徴を残していましたが、自国ですべて設計したため、随所にロシア的な点も見られており、その混血さが同級の魅力とも言えます。 ただし、先述した通り多数の火砲を密集して装備するなど、アメリカの戦艦とは比較にならないぐらいダメージ・コントロール能力が低いと諸外国は判断し、実際もそれを裏切らないという欠点を抱えていました。