★FSSTRPG集団戦ルール★

 The Five Star Storiesにおいて最大の華とされるのは戦争です。中でも多数のMH同士による戦闘は戦争最大の山場となります。
 では、ここからはMH同士の大規模な集団戦を処理するルールを紹介していきます。
 また、ルールブックで紹介した簡易MH戦ルールとは関係ありません。

◆前提条件
 集団戦ですので、1対1のMH戦闘でなく、多数対多数のMH戦闘を前提にしています。
 戦闘の規模は、1ユニットを大隊(中隊)として、一つの戦場を舞台として行われます。
 プレイヤーは、それらの部隊をいくつか率いて(全軍〜1ユニットまで)、プレイヤー同士かゲームマスター操る敵軍と対戦します。
 つまり、戦術シュミレーションゲームの体裁をとっています。
 一つのユニットは、大隊(中隊)ですので、4騎から最大12騎のMHで構成されます。
 それ以上のMHがある場合は、MHを分けてユニットを編成する必要があります。
 また、MHが4騎に達しない場合は、例外を除き集団戦は行えません。
 そして、この部隊は各指揮官の力量や部隊の練度により大きく戦闘力が左右されます。

◆戦闘
 戦闘はヘクスを用います。この場合、1ヘクスは通常のMH戦闘の20×20ヘクス相当ぐらいと考えて下さい。
 1ターンはMH戦よりも長く、約2時間です。これは、個々のMH戦闘そのものがある程度決着のつくのにかかる時間だからです。
 1ターンは移動フェイズ、索敵フェイズ、行動フェイズ、戦闘フェイズの4フェイズからなります。
 一見SLGですが、MHを1ユニットとして扱う簡易MH戦闘とみなせば多少は解りやすいでしょう。

◆全軍の指揮官
 ■対象クラス

騎士 アドミラル
コマンダー 傭兵
ジェネラル 国王(それに準じるもの)

 これらのクラスを持つ者中でその代表となる者が、複数の部隊の指揮官となります。
 指揮できるユニット数は、全部でレベル÷2ユニット(端数切り捨て)です。
(例:騎士レベルが8なら4部隊)
 もし、これを超える数の部隊(MH)があっても、別の者に指揮させるか、予備兵力として戦闘力に参加しない部隊となります。

 ■指揮官が行う行動

・ターンの先攻、後攻の決定
 これは、必ず行ってください。個々のユニット指揮官が行わないでください。それが集団戦です。
・予備兵力投入の決定
 余裕があれば指揮ユニットの数を増やせます。
・個々のユニットの退却指示
 一つ一つのユニットに指示できます。しないと部隊は最後まで戦います。
・個々のユニットの後退の指示
 一つ一つのユニットに指示できます。次のターンの前に部隊を1ヘクス後退できます。
・総退却の指示
 これにより、強制的に戦闘が終了します。ですが、指示した陣営の全てのユニットが後退判定を行わなければいけません。

 これらのうちどれか一つを、イニシアチブを行う前に決定できます。
 もちろん、しなくてもかまいません。

◆ユニット

■ユニット能力(MH1騎ごと)

稼動率: 部隊の耐久性、継戦能力をあらわします。ユニットのHPにあたります
攻撃力: 部隊の攻撃力をあらわします。また、そのままダメージをあらわします。
防御力: 部隊の防御力をあらわします。また、そのまま防御点をあらわします。
移動力: 部隊の移動力をあらわします。
索敵力: 部隊の索敵力をあらわします。

■ユニット能力の算出(最大12機)

稼動率: MHごとに定められた稼動率合計値+修正
攻撃力: 構成MHの攻撃力の平均値(端数切捨て)+指揮官修正
防御力: 構成MHの防御力の平均値(端数切捨て)+指揮官修正
移動力: 構成MH中、もっとも低い値
索敵力: 構成MHの索敵平均値+指揮官修正(後述)

◆稼動率の修正
 稼働率は、部隊の耐久力そのものを表すだけでなく、部隊の練度や志気なども表す数値です。
 宮廷騎士団や傭兵騎士団は練度もさることながら戦慣れしており、さらに高い稼働率を持ちます。また、国王などが指揮する部隊(近衛部隊)は、その特別に高い指揮を持ちます。
 そこで、次のファクターも数値として加算します。

■指揮官による修正
 指揮官が国王など国を背負う立場の者の場合、レベルをそのまま稼動率に足します。
騎士団による修正
(重なる場合は全てを足せます。)

騎士団程度 稼働率修正
国家騎士団 ±0
宮廷騎士団 +1d6
強国の宮廷騎士団 +2d6
傭兵騎士団 +3d6
有名騎士団 +1d6


メヨーヨ金剛遊撃騎士団だと、強国の宮廷騎士団、傭兵騎士団、有名騎士団と3つも要素を持つので、+6d6の修正を得ることが出来ます。国家騎士団だと特に修正を得ることはできません。

■星による修正
 星によっては戦乱が少ない星、多い星がありますので、部隊が本拠地とする星によって以下の修正を稼働率に加算します。これは、部隊がどれほど場慣れしているかによる修正です。

騎士団程度 稼働率修正
デルタ・ベルン ±0
ジュノー ±0
アドラー +1d6
ボォス +2d6
カラミティー +2d6


■指揮官修正
 部隊を指揮する者が、何らかの技能を持つ場合その戦闘力に修正が得られます。単なる騎士でも、熟練の騎士はある程度の指揮能力を持ちます。ただし、重複する場合は、一番高い数値のみが有効となります。
 なお、専門化スキルの場合は、一般判定で適用される数値の修正は適用されません。注意してください。
(例:騎士でコマンダーを専門化している場合、判定に+1の修正を受けられるなど)

 ◆対象
対象クラス 対象専門化スキル
コマンダー コマンダー
ジェネラル MH戦指揮
アドミラル
傭兵

 ◆修正
能力 修正
クラス レベル÷5点(端数切り捨て)の値(最大+5点)
専門化 ベースのレベル÷6点(端数切り捨て)の値(最大+3点)
クラスが単なる騎士の場合 レベル÷10点(端数切り捨て)の値(最大+2点)

■稼動率についての補足説明
 ユニットのHPにあたります。また、継戦能力を表す数値でもあります。数値の低下は損傷や疲労等による全体の戦闘耐久力の低下をあらわし、一定値ごとに実際に失われたMH(大破、擱座、放棄含む)の数決定する各表を振り損害を決定します。

◆練度、士気について
 士気に関する数値はは基本的にありません。戦場で仮にも個々の騎士の立場で士気うんぬんはあまりないと判断して、稼動率に含みます。
 練度に関しても、相応のMHには相応の騎士が搭乗していると見なしています。また、集団戦では個人の武勇はあまり関係のないものと処理しています。例外として、指揮官の資質が部隊の能力を左右します。
 しかし、掃討戦、奇襲、包囲状態、後方からの攻撃など特殊な状況ならGMの判断でダイス目に±1〜2程度の修正を与えてもいいかもしれません。

■掃討戦
 敵が後退、敗走、壊滅状態で攻撃した場合、そのターン、そのユニットの攻撃力、防御力がマイナス2される。
■奇襲
 何らかの奇襲攻撃に成功した場合、そのターンは攻撃側の攻撃力、防御力が+4される。
■包囲状態(三方を囲んでいる場合)
 半包囲以上の場合、包囲に参加している全ての部隊の攻撃力が+2される。
■後方からの攻撃
 後方から攻撃した場合、そのターンは攻撃側の攻撃力、防御力が+4される。

 ◆

◆◆集団戦シートの説明◆◆
 ここでは、専用のキャラクターシートの説明をします。なお、紹介するのはシートの三分の一ですが、これはシートが3ユニット分記載出来るようになっているからです。

(1)総指揮官名 軍を率いている指揮官の名前を入れます。この者がイニシアチブなどの全体の判定を行います。

(2)部隊指揮官 ユニットを指揮している指揮官を記します。この者の能力そのものがユニットの戦闘力に影響します。

(3)所属騎士団 ユニットが所属する騎士団、国家などを記します。

(4)クラス 部隊指揮官が持つ、ユニットに影響するクラス、専門家スキルを記します。

(5)戦術コマンド 部隊指揮官が持つ戦術コマンドを記します。

(6)隠密度 ユニットの隠密性を記します。

(7)MH ユニットに所属するMHの名称とその稼働率を記します。

(8)稼働率 全ユニットの稼働率合計を記します。

(9)攻撃力 ユニットの攻撃力を記します。

(10)防御力 ユニットの防御力を記します。

(11)移動力 ユニットの移動力を記します。

(12)索敵力 ユニットの索敵力を記します。

(13)稼働率 最終的な稼働率を記します。

(14)後退値 最終的に稼働率から割り出した後退値を記します。

(15)敗走値 最終的に稼働率から割り出した敗走値を記します。