●陸軍
定数16・5万人・実数16万人
戦前・戦中の反省を受けて、戦後徹底して組織改変された。戦後の陸軍は、防衛陸軍としての性格が極めて強くなっている。 規模は、60年代までは徴兵により編成上は30万人近い規模を持ち、ベトナム戦争の頃には36万人近くにまで達した。ただし実際の兵員数は、経費の問題もあって常に意図的に定員割れしていた。 経済発展に伴う軍事費の増大により、海空から少し遅れる形で重武装化が進む。そして、核軍備装備の予算捻出のため人員削減が行われて精鋭化を進め現在に至る。 また、冷戦時代にソ連と直に国境を接する南樺太を中心に精鋭部隊が配備されていたが、冷戦崩壊と共に西高東低の部隊配置に変わりつつある。 それでも、南樺太・北海道に大規模部隊が多いのは、海外派遣では国内駐屯地の場所が重要でないのと、駐屯・演習の利便性のため。
・戦略単位 機甲師団:1(定数1・8万人) 機械化師団:2(定数2万人) 師団:5(定数1・2万人、実数9000人) ※「師団」の過半は旅団単位で運用される 空挺旅団:1(定数6000人) ヘリ旅団:1(定数5000人) 教導旅団:1(定数5000人)
防空旅団:4 ※防空旅団=防空大隊×2
配備 ・南樺太 第二機械化師団 第一砲兵旅団 防空大隊:1、攻撃ヘリ大隊:2
・北海道・千島 第七機甲師団(機動運用部隊) 第五師団(機動運用部隊) 防空大隊:2、攻撃ヘリ大隊:2
・本土 東北、東日本:第八師団 関東 :第一師団 第一空挺旅団(機動運用部隊) 富士教導旅団(機動運用部隊) 中部・西日本:第四師団 第二空挺旅団(ヘリ・機動運用部隊) 九州・中国 :第六機械化師団 防空大隊:3、攻撃ヘリ大隊:3
・台湾・沖縄 第三師団 防空大隊:2、攻撃ヘリ大隊:1
※各編成規模 機甲師団(定数一万八千名) 戦車大隊:6 機械化歩兵大隊:3 機械化捜索大隊:1 自走砲兵大隊:3 ロケット砲大隊:1 ヘリ大隊:1
機械化師団(定数二万名) 戦車大隊:3 機械化歩兵大隊:6 機械化捜索大隊:1 自走砲兵大隊:3 ロケット砲大隊:1 ヘリ大隊:1
師団(定数一万二千名) 戦車大隊:1 歩兵大隊:6 捜索大隊:1 砲兵大隊:3 第一空挺旅団(定数6千名) 歩兵大隊:3 砲兵大隊:1
富士教導旅団(定数5千名) 戦車大隊:1 機械化歩兵大隊:2 機械化捜索中隊:1 自走砲兵大隊:1
※1:「師団」は、歩兵大隊の3分の1が現役兵なしのスケルトン部隊。第五師団のみ例外的に定数編成。近年第十二師団の定数改変も決まる。 ※2:第三師団は、かつては中部地方出身者による部隊だったが、今では台湾・沖縄在郷師団となり、規模も正規編成。台湾は海峡の向こうが友好国の中華民国なので脅威は少ないが、人口密度と本土の距離から重視されている。そして近年は、台湾自治化に連動して独自軍の編成も考慮されている。 ※3:首都防衛は、74年の徴兵制改定以後、精鋭部隊の第一空挺旅団、富士教導旅団を増強して委ねられていた。このため、第一空挺旅団の一個大隊は東京二十三区内に駐屯する。 しかし、テロ対策と、PKF派遣増大により、第一師団が復活・再編成された。その他、冷戦時代に存在した部隊の幾つかが解体され、大きく組織改編している。
※主力戦車について
戦車大隊:合計56両(18個) 3個中隊・中隊当たり17両・本部小隊:5両
機械化捜索大隊:合計22両(3個) 1個増強中隊・中隊当たり22両
※冷戦時代は約2000両を保有。以前は師団数も多く(13個師団)、独立戦車旅団など戦車単独による専門部隊もあったため。冷戦崩壊後は全て廃止されている。
※ヘリ 攻撃ヘリ大隊=10隊 攻撃ヘリ:18 観測ヘリ:4 師団ヘリ大隊(2、7、11のみ) 攻撃ヘリ:6、輸送ヘリ:12、観測ヘリ:8 ※他の師団は、観測ヘリ中隊規模。
ヘリ総数 攻撃ヘリ:204 輸送ヘリ:273(内大型60) 観測ヘリ:140
日本陸軍のヘリ 中華戦争による軍の拡大のとき、最初の部隊が設立される。 その後停滞期を迎えるが、ベトナム戦争で臨時編成された第二空挺旅団(ヘリ旅団)の設立によって大幅に導入される。 そして冷戦最盛時の1980年代初頭に、縦深の長い南樺太防衛のためという理由で、戦車よりも攻撃ヘリと対戦車ミサイルを用いた防衛方針が強くなる。以後、戦車の数を減らしてヘリの増勢が行われた。 この傾向は、兵員削減とテロ対策などにより、さらに拡大の傾向を見せている。最終的には、全ての師団にヘリ大隊を組み込む予定。 なお、現在の攻撃ヘリの主力は、アメリカ陸軍のA64で、湾岸戦争後国産技術による改良型の開発、製造が始まっている。しかし、他のヘリは過半がアメリカ製のライセンス生産。 また、海軍の海軍陸戦隊もヘリを多数保有するが、攻撃ヘリは保有していない。