■戦後から21世紀初頭までの軍備の推移

 この世界の日本の軍備は、「自衛隊」が存在しているが史実とは違う経緯を辿っている。
 自ら一度国軍を事実上解体している。
 しかもその過程で、全く別の国軍を新たに創設している。
 これは世界史上でも非常に珍しい事例だ。

 1950年まで明治時代に設立された陸軍、海軍がありながら、同時に内閣直轄で自衛隊(警察予備隊と海上保安隊)が発足する(恐らく後で兵部省管轄になる?)。
 一つの国家に二つの軍隊が存在することになるが、日本政府はどのように解決したのだろうか。
 扱いとしては海軍は海軍と海上警察(=コースト・ガード)で、陸軍はアメリカ軍のように連邦軍と州軍のような関係になるのだろうか。
 警察予備隊などの名称も、別の国軍を作る為の苦し紛れの一時的措置と解釈するべきだろう。だが海外で軍事活動をするのだから、国際法、戦時法などの関係からも「軍隊」でなければいけない。
 この世界の政治家、官僚達はかなり説明に苦労しただろうし、アメリカなどは大いに首を傾げた事だろう。

 それでも新たな国軍の編成と新たな組織への旧軍事組織の事実上の吸収合併が強引に進められる。
 陸海軍を後で吸収合併する形で、航空自衛隊と言う名の空軍と兵部省をセットにし、新たな軍事組織を作っていったのだろうか。
 だが一時的な措置としても、どういった組織構造なのか疑問が残る。情報の公開等が待たれる。
 また一方では、名称を「国防軍(DF)」ではなく「自衛隊(SDF)」にしたのは、日本国内での陸海軍への懲罰的側面があるのかもしれない。

 ■戦後の動員解除(復員)

 とにかく戦争(第二次世界大戦)が終われば、金食い虫の軍隊は出来る限り減らさないといけない。アメリカなど連合軍諸国の目も厳しい筈なので、尚のこと軍事力の縮小が必要となるだろう。
 日本政府の理想としては、支那事変(日中戦争)以前に近い状態だろう。
 だが、連合軍からは懲罰と警戒の双方の観点から、それ以上を求められるだろう。それに日本にはお金がないので、減らさざるを得ない。
 加えて、極東各所、特に日本の海外領に米軍など連合軍が駐留しているだろうから、日本軍を減らす口実とされるだろう。

 戦後の日本軍は、戦前(支那事変前)の数を下回る規模にまで圧縮されるのではないだろうか。
 特に現代戦に必要不可欠な航空戦力は、強い制限、制約を受けているだろう。
 また戦時賠償として、兵器、特に軍艦の引き渡しもあるだろう。

 そして縮小し過ぎると、組織の維持すら満足に出来なくなる。加えてロクに予算もないだろうから、戦後すぐの陸海軍は装備の管理団体程度になってしまう筈だ。
 軍に残った将兵の士気も大きく落ちるだろう。
 満州戦争の初戦で陸海軍が駄目駄目なのは、連合軍の厳しい監視もあるだろうが、行き過ぎた動員解除と軍備の過剰な縮小が主な理由ではないだろうか。
 
 
 ■満州戦争

 戦後、初っぱなから事実上の海外遠征となる。
 防衛戦争ではあるが、この世界の自衛隊はこの後も海外に派兵しtばかりなので、好戦的集団と諸外国から見られる事だろう。

 満州戦争では陸海軍が不甲斐ない面を見せ、警察予備隊(後の自衛隊)と米軍が勝利をもぎ取っていると紹介されている。
 警察予備隊の兵士(隊員)は、戦時動員で集めた動員解除し過ぎてあり余っている元軍人達が中核になるのだろうか。それとも、編成時点で日本本土の軍に残っていた多くの人々が合流しているのだろうか。この辺りは不明だ。
 しかし、動員(徴兵)した隊員(兵士)を警察予備隊に注ぎ込んで、米軍の中古装備を供与して大軍を編成したのだろう。
 米軍装備の日本兵という形は、まさに自衛隊だ。

 そうして編成されたのが、冷戦崩壊後にも24個師団(元北日本軍除く)も陸上自衛隊が保有している事に裏付けられそうだ。(※作中では、ベトナム戦争で勢力拡大したと紹介もされている。)
 一方海上保安庁(省庁なのだろうか? 保安隊では?)だが、海は陸より兵士の専門性が高い。こちらも退役、除隊していた人々が中心になるのだろうか。
 艦艇の方は、賠償引き渡し、退役、解体などをしていなければ、自前でかなりの数は確保出来る。それに米軍に言えば、相応に供与してもらえる筈だ。
 しかし戦場は主に大陸なので、海軍は航路護衛と掃海、初期の艦砲射撃任務くらいしかない。
 一方では、南樺太の戦い(防衛戦)で活躍しているかも知れない。

 問題があるとすれば、海軍が1950年までにどれくらいの艦艇を残しているかだろう。
 予算がない上に、アメリカなど連合軍から大幅な削減を求められるのは確実だ。
 また、「降伏」での戦時賠償として、連合軍各国に引き渡している可能性も十分にある。史実イタリアの例を見る限り確実だろう。

 そして賠償艦だが、欧州ほど渡す相手がいない。
 アメリカ、イギリスは自前の艦艇が有り余っている。(イギリスは、重巡洋艦なら欲しがるかもしれない。)
 中華民国は何でもいいから欲しがるだろうが、仮に大型艦を賠償にもらったところで、訓練された水兵がいないのはもちろんだが、維持するだけの設備がない。
 他は、フランス、オランダ辺りが、巡洋艦や駆逐艦を欲しがるくらいだろうか。
(※ソ連は賠償を受ける資格無し。)
 全体としては、巡洋艦、駆逐艦の一部を賠償枠とし、旧式戦艦は解体して屑鉄代金を賠償金として渡すくらいになるだろう。
 また、米英が賠償艦を欲しても調査目的だろう。

 そして賠償を逃れても、多くの艦艇が退役、良くて予備役だろう。
 一方で、補給艦など生き残りの支援艦艇が少なすぎるので、改装空母の中には母艦に戻す艦が出ているかもしれない。
 また当時の軍艦は、艦齢10年から20年くらいで近代改装するので、比較的古い艦艇から優先的に退役させていくだろう。
 では、新鋭艦の賠償はないと仮定して見てみよう。

 ・「満州戦争」開戦頃の海軍(海上保安庁)

戦艦:《大和》《武蔵》《長門》
空母:《信濃》《大鳳》《翔鶴》《瑞鶴》

※戦艦は実質予備役。名前の挙がっていない艦は、退役、解体。
※《雲龍》《天城》《葛城》は、満州戦争開始時点では予備役。
※空母のうち1隻は練習空母の可能性あり。
※軽空母は退役か支援母艦化。

巡洋艦:
《鈴谷》《熊野》《利根》《筑摩》
《大淀》《能代》《矢矧》《酒匂》
《鹿島》《香椎》

※艦齢の若い順に残す。
※《高雄》型は予備役。他は退役。もしくは他国に売却。

駆逐艦:32隻(実働半数程度)
潜水艦:18隻(伊400型は未就役のままか?)

 

 1950年頃の生き残りは、多い目に見てもこの程度だろう。
 満州戦争での海軍(海自)の役割は、渤海、黄海の海上輸送路の護衛、樺太での支援、あと満州での反撃初期の艦砲射撃辺りだろう。
 しかし作中で『むさし』の名を見ないので、アメリカに賠償として渡して、最悪原爆実験艦ではないだろうか。
 また、上記した編成の中うち最悪半数が、賠償艦として日本の手には残らない筈だ。
 そして色々な理由で、半数程度しか運用できる力もないだろう。
(※イタリアは残存艦の半数程度を賠償で取られている。)

 一方で、21世紀でも空母がデカイ面しているのだから、空母も各所で活躍しているのは間違いないだろう。
 それでも満州戦後は、再び規模を縮小するだろう。
 そしてその後は、基本的に新型装備を載せ代える程度の小規模改装で過ごし、新造艦は駆逐艦や潜水艦が若干数ある程度だろうか。
 何しろ日本には、まだ金がない。

 一方空自(航空自衛隊)だが、陸海軍が存続している中での発足なので、最初から米軍装備かもしれない。
 だが、陸海軍の空軍独立派が事実上のクーデターを起こした可能性も棄てきれない。(源田とか源田とか)
 空自の組織自体は、陸軍航空隊が中核になるだろう。何しろ海軍(海自)には、空母艦載機と対潜部隊が残るだろうからだ。
 それにアメリカから、侵略的、攻撃的な装備を禁じられる可能性が高いので、重爆撃機など保有できないだろうから、防空空軍、戦術空軍としての傾向が強い陸軍航空隊が母体となる方が無難だろう。
 海軍航空隊は、戦争中の影響もあって長距離進出が当然など戦略的要素が強すぎる。

 ■ベトナム戦争

 日本の軍備全般が復活するのがベトナム戦争。
 この頃まで戦争を体験した軍人が現場に残っているので、旧陸海軍的な面が薄れるのがこの戦争辺りになる。

 テト攻勢(1968年)で、「ナガシマドクトリン」と名付けられたゲリラの包囲殲滅戦を行っているので、陸海空の自衛隊が大挙ベトナムに押し掛けているのは間違いない。
 陸上戦力で囲んで、重砲と空爆、そして戦艦の艦砲射撃で吹き飛ばす戦術だからだ。

 自衛隊の拡大に際しては、軍事費が増えるだろう。
 なにしろ日本は絶賛高度経済成長中で、戦争中にGDPが世界第二位にまで浮上する。
 さらに戦争のご褒美で、アメリカがジャンジャン兵器をくれる筈だ。この時期の陸自は、史実と違いかなり重装備になっているだろう。
 あとベトナム戦争と言えばヘリコプターなので、米軍からのご褒美を含めてヘリ空挺団を編成しているのではないだろうか。
 空自は、自前の機体も持ってくるだろうが、米軍機だとやはり「F4 ファントム」の早期導入だろう。
 この世界だと、国産の機体もベトナムの空を飛んでいそうだ。
 
 海軍は、常時1隻の空母をベトナム沖に浮かべ、本土近海にもソ連と共産中国への対抗の為に艦隊を待機させるとなると、空母4隻体制が必要になるだろう。
 船体の大きい《信濃》は、日本の手に残っていれば相当近代改装されいるのではないだろうか。場合によっては、船体の大幅ストレッチもあるかもしれない。そうなれば、艦の規模はアメリカの《ミッドウェー》クラスになる。
 そして海軍も「F4 ファントム」を導入するだろうが、戦前の空母で積めるだけの大きさを持つのは《信濃》くらいだ。
 他の大型空母3隻は、大幅な近代改装を施したとしても、機体の大型化で運用できる機体と近代改装に限界があるので、ベトナム戦争で頑張った後に退役だろうか。 
 《雲龍》など3隻の中型空母は、対潜空母もしくは強襲揚陸用のコマンド母艦となるかもしれない。
 
 そして作中では、21世紀初頭に『しょうかく』『ずいかく』『そうりゅう』『ひりゅう』の4隻が運用されている。
 先代が70年代まで頑張っていたら、『しょうかく』『ずいかく』の方が新型になるだろう。
 『そうりゅう』『ひりゅう』は、高度経済成長とベトナム戦争での予算拡大の後押しで、オイルショック前に予算承認といった辺りだろうか。
 ただ、「F14 トムキャット」の導入・運用は難しいだろう。
 あれは調達単価、維持費用共に高い。日本で運用するなら、バブルの時代くらいでないと正直無理ゲーだ。
 この世界は国産メーカーも存在する筈なので、もう少し安価な国産機の運用の可能性が高いだろう。

 また、湾岸戦争でも《やまと》が現役で残っているが、作中でも触れられているように満州戦争、ベトナム戦争での艦砲射撃任務の影響だろう。
(※《やまと》は戦後の方が余程活躍している。戦後の戦争は、満州戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、さらにソマリア紛争と、ほぼ皆勤賞だ。左巻きな人達は、軍国主義の象徴とか悪し様に罵っている事だろうまた、未来で宇宙に旅立ったりはしてなさそうだ。)
 《やまと》現役復帰は、アメリカ軍の《アイオワ級》戦艦の史実のオマージュだが、この世界の日本は近隣の仮想敵に戦艦が対抗するべき敵がいないので、存在意義は艦砲射撃くらいになる。
 恐らくは、有事の際に北日本を吹き飛ばす為に保持されてきたのだろう。何しろ自慢の主砲なら、南樺太のほぼ全てが射程圏内だ。
 そして有事以外に用がないので殆どを予備役で過ごし、妹と交代でたまに敵を吹き飛ばしているのだろう。
 ただ、ソマリアで燃料気化爆弾を撃っていたが、46センチ砲発射時の衝撃に耐えられるのかかなり疑問だ。(技術的に無理では?)

 なお陸自(陸軍)だが、作者がリスペクトしている『征途』に沿うなら、満州戦争の時点で重戦車に惚れ込んでいないといけない。
 そして満州でのソ連軍(義勇軍)との戦いは、重戦車に惚れ込むには十分な理由となるだろう。
 しかし、作中では74式戦車、90式戦車の名前は紹介されているが、性能は紹介されていない。
 一方で対抗するのが、北日本のT-72と共産中国のT-59あたり。北海道は防衛戦前提なので史実通りでも問題ないが、満州への即応部隊は出来ればパワーのある戦車が欲しいところだ。冷戦時代なら尚更だ。
 果たして、戦後の戦車開発は重戦車路線なのだろうか。興味の尽きないところだ。

 ■冷戦時代の北方防衛

 冷戦時代の日本は、樺太とカムチャッカ半島からの攻撃に備えないといけない。加えて満州の防衛も必須となる。
 非核全面戦争で一番可能性が高い戦争の形は、東側が満州での軍事作戦を成功させる為、牽制としての北海道、千島攻撃(侵攻)になるだろう。
 満州には米軍の大部隊が駐留し、九州北部に日米の即応部隊が待機しているくらいだから、満州(中華民国)単独相手なら、東側(ソ連、共産中国)は軍事力で勝っている筈だ。
 だがそれ以前の条件として、ソ連のヨーロッパ正面での攻撃を成功させる為、米軍(と自衛隊)を引きつけるための牽制作戦として、極東での軍事作戦が実施される事になるだろう。
 日本としては心理的には北海道防衛を最優先したいが、戦略的には満州防衛が最優先だ。
 最悪北海道は敵を受け入れて、その後の海と空からの反撃で根無し草にしてしまえば良い。
 何しろ北海道は島だ。
 だからこそ、北海道には防衛用の兵力がかなり置かれていると想定できる。
 史実自衛隊と少し想定が違うが、日本単独でも核兵器さえ考えなければ極東ソ連軍を圧倒できる海軍があり、空軍戦力も優位を保てる筈だ。

 と言うのも、極東情勢は西側(日米)優位だと考えられるからだ。
 在満州米軍だけで史実の極東米軍の総力とほぼ同じ規模で、自衛隊は史実の二倍。その上に史実台湾の数倍の軍事力を持つ満州があるので、史実と同程度の極東ソ連軍では本来なら防衛するのがやっとだ。
 何しろ1980年代程度だと、人民解放軍は人海戦術くらいしか出来ることがないので、現代戦ではほぼ役に立たないからだ。
 その上、北海道に攻め込むにしても、史実の倍の戦力の自衛隊が迎撃に当たる。
 普通に考えれば、戦術核くらい使わないとどうにもならない。
 恐らくこの世界では、東側(共産中国含む)の極東戦略は、満州での攻勢以外は、防衛戦を一番に想定している可能性が高いだろう。
 

 ■湾岸戦争

 ここで湾岸に向かう自衛隊部隊は、満州への即応部隊が中心になると紹介されている。
 また、北日本、共産中国が何かをしでかさないように、日本近辺でも警戒態勢を引き上げるので、実質総力戦状態となりそうだ。
 そして北日本が良からぬ事を考えたくらいなので、ペルシャ湾岸には相当の戦力を派遣している筈だ。
 では、時代の自衛隊の装備はどのようになるだろうか。
 海軍は戦艦と空母の任務群、陸自を運ぶのに揚陸艦艇と輸送艦船、さらに掃海部隊も必要だろう。
 80年代の空自はやはり「F-15 イーグル」だったり、「F-35 ライトニング」の開発に加わっているのだろうか。
 加えて国産機も数種類派遣してるかも知れない。

 疑問点は陸自。主力戦車が74式戦車だ。
 新型登場の年なので、装備数も最大数に達している時期だ。
 だが、大陸に派遣予定だったり砂漠で活動できる74式戦車なので、恐らく史実の74式戦車とは違っていると考える方が無難だろう。
 砂漠用装備については、海外派兵、特に満州派兵が大前提なので、史実よりは対応しやすいだろう。
 この世界の自衛隊は、本土防衛軍であると同時に、限定的ながら外征軍でもあるからだ。
 史実自衛隊にない装備も、色々と持っている事だろう。
 陸上戦力の派兵自体は、象徴的意味合いもあるから機甲師団を1個とその支援部隊くらいになるだろうか。
 あと出来れば、ヘリ空挺部隊も有った方が良いだろう。

 なお湾岸戦争は、補給、兵站の戦いとも言われる。
 この世界は覇権国家を自認するのだから、自衛隊には自前で輸送船に物資を積み込み、現地に大量の輸送車両を持ち込んでほしいところだ。

(だが、アメリカ共々イスラム過激派からは嫌われそうだ。)

 ■21世紀初頭

 東西冷戦構造崩壊後、極東の軍事情勢は史実と比べるとロシアが圧倒的に不利になる。
 1994年に樺太全島を有する北日本が崩壊して日本に併合されているので、戦略原潜の潜む場所としてオホーツク海が殆ど使えなくなっているからだ。
 それ以前にソ連崩壊でロシアの軍隊はガタガタなのだが、戦略面での不利はかなり厳しいと言わざるを得ない。
 しかも北日本が日本の一部になった事で、満州と北日本でロシア極東の主要部が挟まれた状態になってしまう。
 ウラジオストックとカムチャッカ半島も分断されたも同然で、軍事的な不利は計り知れない。

 一方では、共産中国が経済成長を始め、国力が増しつつある。
 中華地域のホットゾーンは、万里の長城を挟んだ二つの中国の対立になるだろう。
 しかしこれも、21世紀初頭の段階ではほぼ間違いなく満州(中華民国)優位な筈だ。
 共産中国の発展が史実通りだったとしても、2010年代くらいにならなければ大きな顔はできない。
 そして恐らく史実以下の発展速度の共産中国は、当分満州(中華民国)に本格的に対抗する事は難しいだろう。
 それでも日本としては、脅威の低下したロシアから徐々にチャイナへと軍備をシフトしていく過渡期になるのは、史実と違わないだろう。

 そしてその日本の国軍である自衛隊だが、作中では触れられていないが、そろそろ大幅な再編という名の陸自の縮小に大きく舵を切る頃だろう。(海自、空自は、当面ほぼそのまま。)
 特に北海道の軍備はほぼいらない。本州と同レベルでも構わないくらいなので、大幅に削減される筈だ。旧北日本(樺太)も過剰な頭数なので、こちらも雇用情勢を見つつも大きく減らすだろう。
 だがこの世界では、満州への即応部隊が必要だ。
 重装備化、即応体制の強化などで多少頭数を減らす程度だろうか。
 それと、史実と違って国内もきな臭いので、所謂「特殊部隊」が大幅に増強されている可能性が十分にある。

 一方で元北日本兵のPMCが、ボスニア、ソマリア、アフガン、イラクへと数万単位で出張っているので、軍事国家としての日本の評価を強めるのは間違いないだろう。

 それにしても、この世界の戦後日本は戦争ばっかりしているので、平和国家などとは間違っても呼ばれないだろう。
 やっぱり「ポチ(自衛隊)と言う名のドーベルマン(アメリカの番犬)」だ。