著 者:高貫布士、林 譲治共著
発行日:1995年09月05日〜1997年07月07日
発行所:飛天出版
「本間第9軍中東進撃ス 大日本帝国欧州電撃作戦 1」 「山下第25軍伊国上陸ス 大日本帝国欧州電撃作戦 2」 「山下第25軍パリ入城ス 大日本帝国欧州電撃作戦 3」 「牛島第32軍浦塩上陸ス 大日本帝国欧州電撃作戦 4」 「百武第17軍ライン渡河ス 大日本帝国欧州電撃作戦 5」 「百武第17軍伯林攻略ス 大日本帝国欧州電撃作戦 6」 「本間第9軍バルト解放ス 大日本帝国欧州電撃作戦 7」 「山下第3軍クルスク戦車戦 大日本帝国欧州電撃作戦 8」 「今村第22軍集団露都攻略 大日本帝国欧州電撃作戦 9」
◆異聞・あらすじ
はい、第三回目です。 今回は、私が架空戦記小説屈指の娯楽度を誇ると私が思っている作品を斬ってみたいと思います。 同シリーズは、この手のものとしては長期シリーズになる合計9冊から構成されており、一部作家の著書を除けば、これだけでもかなりの特徴と思われますが、この作品のもう一つの特徴は、今(2004年春現在)も活躍されている二人の作家による共著という点にあります。 また、「〜軍〜ス」とか言うトンデモ系な題名にも関わらず、極めてオーソドックスな手法で物語が綴られている点も注目すべきでしょう(笑)
おや、なぜきちっと完結している作品をここで採り上げるのか? と疑問に思われている方が結構いそうですね。 確かに、物語としてはきちんと完結していると私も思うのですが、少し気になる事があるので今回採り上げてみました。また、リクエストがあった事も早期に採り上げた理由です。 ま、9冊全部を読み直すだけで(私が)少し疲れてしまったので、なるべく簡単に見ていきたいと思います。
あらすじ・・・ 同シリーズは、1巻当初は史実と全く同じスケジュールで日本海軍による真珠湾攻撃が行われようとしますが、攻撃開始の前日にハワイ・オワフ島を未曾有の巨大台風が襲い(名前は書かれた時代を反映してヒラリー(笑))、真珠湾軍港が自然の驚異の前に完全に壊滅、台風前に脱出した米太平洋艦隊と台風のせいで進路変更を強要された南雲艦隊がガチンコ勝負するという流れで始まります。 まったくもって「表題にあった本間第9軍は何処?」と問いただしたくなるような始まり方です(w で、ここで日米艦隊は双方ほぼ全滅という、実に分かりやすい戦闘の決着となり、以後日米とも戦線拡大がしたくてもできないというジレンマを抱えたまま、史実よりも消極的な大東亜戦争をしばらく継続します。 なお、この戦闘のショックにより、日本にとっての大悪魔であるルーズベルトは開戦早々に急死、以後は反共姿勢の強いトルーマンにより政権が運営され、日米双方にとって戦争の幕引きがしやすい環境がこの時点でかなり整えられていきます。 また、この世界では独ソ不可侵条約が守られており、欧州・中東戦線はドイツ優位で進展し、トルーマン率いるアメリカはちっぽけな日本よりもドイツの方がずっと気になり、日本もソ連と言う脅威を抱え、海軍が半壊するという事態により、史実よりも遙かに積極的な日米停戦の流れが作られます。 まあ、言いたいことは一杯ありますが、かくして開戦から約1年で日米停戦が実現し、短期戦略的視点での日本の敗北、長期政略的日本の勝利とでも言える形で日本にとっての平和が到来して、日本はハルノートの条件をほぼ飲むような講和条件と引き替えにアメリカとの和平を掴み、これに抵抗する軍部を中心とする勢力を軍事力すら用いたカウンターで排除され、昭和天皇のご意志もあり、それこそ「アッ」という間に戦後日本と戦前日本の中間のような状態が作り上げられしまいます。
そして、英米の妥協と政治謀議の結果、講和したばかりの日本は連合国への参加を余儀なくされ、日本軍の大挙欧州派兵が急遽決まり、1943年初頭には早くも中東・地中海に派兵が開始され、以後日本軍は英米率いる連合軍の一部となり、本の題名通りの場所を主戦場として奮闘していく事になります。 なお、ここで大活躍するのが、題名にもある通り日本帝国陸軍であり、米英装備でパワーアップした精鋭皇軍がドイツ軍と戦い大きな活躍を示し、ドイツ軍との戦いが終わると同時に今度はソ連軍相手さらに活躍し、米英日による世界平和をもたらすため奮闘するお話が、各巻ごとに中だるみすることもなく、本の題名にある軍団と戦場を主軸として綴られていきます。 そして、ソ連との停戦をもって8年にもおよんだ第二次世界大戦はソ連の事実上の崩壊と降伏により終戦を迎え、以後日本は混沌としたアジア情勢を見つつ、新たな時代へと踏み出していく・・・
論評・批評?
ハイ、ちょー乱暴ですが、あらすじはこれにて勘弁ください。後は、ご自身の目でお確かめあれ。この手のジャンルが好きな方であれば、決して読んで損はありません。著者、表紙絵師とも第一級の方ですし、話の内容も史実との整合性をなるべく見つつも、エンターテイメント性、娯楽性に溢れています。 ハッキリ言って、エンターテイメント性と言う点において谷甲州氏や佐藤大輔氏の作品よりも私の中での評価は高いです。何と言っても長編が見事に完結されていますからね。あと、箱形「ティーゲルII」がお目に掛かれるのも、多分この作品だけでしょうね(笑) 何度も言いますが、娯楽性と言う点で個人的には最高ランクの評価をしたい作品です。 また、本の副題にある通りあくまで日本陸軍が主役であり、日本海軍の活躍する場所は限られていますが、日本陸軍好きな方にとってはある意味たまらない展開でしょう。特に、表紙のパーシングやセンチュリオンに日の丸が描かれ、欧州の荒野を駆ける姿など感涙ものとすら言って良いと思います。 大艦原理主義者たる私ですらそう思うのですから、間違いない筈です(w
確かに、突っ込み所が皆無かと言うとそうでもありません。「なぜ1943年初頭の時点でクロムウェル戦車が中古戦車なんだ?」とか、「独ソ戦してないドイツの人的・物的消耗が史実とあんまり変わらないのは何故??」など、パッと思いつくだけでも結構出てきます。 ですが、それを補ってあまりある小説としての完成度だと思いますので、これが単なるレビューや感想なら、これで終わらせてもよいぐらいなのですが、やはり少し強引な点が見られるので、重箱の隅をつつくように少し見ていきたいと思います。 なお、ここからは小説中の戦闘や兵器などは見ません。見ていくとトンでもない分量になるからです。だから、日本の戦中改革を中心に見ます。 このため、1、4、9巻の一部を総括すれば、この世界の戦後日本の姿が見えてきます。 そして、極めて簡単に日本の状況を説明すれば、「戦後日本と戦前日本の中間のような状態」もしくは「戦前と戦後の都合の良いところをチョイスしたような状態」です。 またこれは、小説内の総力戦研究所所長となった山本五十六の口から「工業・技術は一流、経済は二流、軍隊は三流」という言葉で代弁させています。そしてこれは史実戦後日本の姿を端的に語ったものであり、史実のような状態にない以上、自主独立を目指す国がこの状態になりえるでしょうか?? これが、私の最大級の疑問でもあります。 では、順に見ていきましょう。
史実の戦前、戦後の最大の違いは、憲法の根幹、領土、軍隊、各種制度に要約できると思います。あと、共産主義をある程度容認するか徹底的に敵視するかというイデオロギー的なものも無視できないでしょうが、とりあえず上記の4つに絞って見ましょう。
まずは憲法ですが、戦争に負けたわけではないので、この世界では明治憲法の基本はそのままです。少なくとも憲法上の天皇主権が覆されるという事態にはありませんし、アメリカ政府もそこまで無茶な内政干渉は行っていません。 ただし、小説1巻での停戦時の陸軍のクーデター騒ぎにより「統帥権」は天皇自らの発言により天皇の手から離れています。おそらくこれで陸海軍の統帥権は内閣総理大臣に委任され、憲法上の形式としての天皇主権だけが残される事になるのではと思います。 ちなみに、明治憲法をよく見ると、この憲法がいかに天皇の実質的権力を抑制するべく考えられた憲法であるかが分かります。賢明なる明治政府の人々は、明治天皇を含めてちゃんと知っていたのです。天皇という政治システムが、当初から日本人にとっての象徴としての側面だけでよい事を。 まあ、作者が私のような考え方から手を付けなかったかどうかは分かりませんが、日本人の作り上げた憲法の、良い意味での自由度を曲解しなければ、憲法改正の大幅な改正は必要はないと、この世界の人々も結論したと判断すべきでしょうね。 あと、小説では治安維持法など、戦後悪法とされた言論統制に関する事柄には触れていないんですよね。まあ、ヤンキーどもが五月蠅いから多少制度が緩やかになるかもしれませんが、多分大筋においてはそのままでしょう。基本的に良い事です。アカは殲滅しなければなりません(自爆)
で、次に領土ですが、日本は満州国の連合国への移管と朝鮮の独立、台湾の独立を認めており、満州国はマッカーサー元帥が乗り込んで、史実日本のGHQのような状態に満州を置いて統治を進め、朝鮮と台湾は、韓国と台湾共和国(自治国)という形で日本から離れる事になります。 また、小説の4巻あたりで極東でソ連との戦いが発生し、その過程で日本政府の国防戦略としての緩衝国家(ヴァッファー・ゾーン)建設のため、樺太にユダヤ人を呼び込んで国を作り上げようとしたりします。台湾を自治独立の方向に持ち込んだのもこのためです。 そして最終巻では、満州に何故かアッサリ中華本土での争いに敗北した蒋介石政権が雪崩れ込んで、満州はそのまま中華民国となります。ま、これは史実の蒋介石の台湾逃亡のオマージュと見るべきでしょうね。流れから見ると強引すぎます。 話が少し逸れましたが、一見領土問題は(アメリカの視点からなら)解決したように思えますが、実は問題山積みです。 問題が少ないのは台湾の自治独立ぐらいで、これですら国民投票の結果の「自治独立」であり、位置的には微妙と言えるでしょう。当時の彼らのメンタリティーからすれば、自治独立よりもっと積極的な日本残留になると思えるのですけどねぇ・・・。 もっとも、史実のように日本人が強制送還されたり、蒋介石政権が逃げ込まず、外省人も経済移民以外はほとんどないでしょうから、史実に比べれば穏やかな状況で、感情的には日本の一地方に近くなるでしょう。 また、南洋諸島の各地も日本の手に残りますが、アメリカとの講和が成った以上この地域の戦略的価値はこの時点では低く、むしろ東シナ海の制海覇権を考えるとできれば、台湾以南の南シナ海地域もそのまま抑えるべきでしょうね。もちろん、その向こうのスプラトリー諸島の事ですよ。当時は日本領でしたからね(w 次に問題が少ないのは韓国の独立ですが、アメリカ主導による単一国家としての独立復帰ですので、史実に比べればず〜〜〜〜〜っと問題は少ないですが、ここではアメリカ主導なだけに史実のように反日派が国家の要職を占め、さらに半島に存在する膨大な日本資産の帰属問題など考えると、史実のような朝鮮人による一方的な分捕りで簡単に解決するわけにはいかないでしょうから問題が出てくるでしょうね。何しろ、日本帝国も「戦勝国」ですから、彼らも国債ルール的には無茶な事は言えない筈・・・です。 しかも、小説内での日本は後の国際連合でも常任理事国として選ばれ、地域大国ながら米英仏に続くほどの発言権を得られるほど欧州での戦争に貢献していますから、これを無視する事など半島人以外は出来ないに違いありません(爆) もっとも、この世界の歴史の流れを見る限り、半島の人たちは極端な半日ではなく、極端な反共に流れると思うので、今の私たちほど問題は少ないでしょう。 あとは、満州情勢ですね。 小説では1943年中に日本の勢力は少なくとも軍事力という点で激減し、全土はGHQ以下のアメリカ軍の統治するところになり、日本資産の撤退も決まっていますし、1944年にソ連との戦いの主戦場となり、連合国軍は一時ほぼ駆逐され、その時に日本人移民の多くも本土に疎開してしまっており、日本の勢力がほぼなくなったところに、戦後ボロ負けこいた蒋介石勢力が大挙流れ込むという形になっています。 まあ、史実よりもずっとマシという状況ですし、結果として日本としては中華民国という反共の防波堤を得たワケですから、歴史的、経済的な問題はともかく、国家戦略的には妥協できる状況でしょう。日本としては、まずロシア人に対する防波堤が欲しかったんですからね。
続いて軍隊についてですが、小説内では海軍は戦艦を保有せず、規模も大幅に縮小し、護衛と海上警備のために海上保安隊を組織し、陸軍は常設13個師団に機甲、空挺各1個師団を基幹戦力とした規模に縮小、そして独立空軍を設立というのが柱になります。 まあ、領土問題よりは問題は少ないと思いますが、引き続き中共との対立をしなければならない状況を思えば、なし崩し的にこれよりも規模の大きな軍隊の保持という形が作られる可能性は高いですね。あと、近衛師団を廃止して富士教導団に変えてしまうのは、小説のネタとして以上には評価が難しいです。史実日本じゃあるまいし、国の面子を考えれば近衛師団は何らかの形で実戦部隊(最終的には名誉連隊規模+儀典部隊程度か?)として残る筈ですからね。 もっとも、陸軍の15個師団態勢というのは、大正軍縮後とほぼ同規模と言えますし、領土も減りますからこれで十分でしょう。いや、米軍のような大規模編成の道を歩んだら、むしろ多すぎるぐらいですね。 問題はむしろ海軍にあります。 この時点での戦艦全廃は、恐らく難しいでしょう。 何しろこの世界では「大和」と「武蔵」が健在で、戦中にはそれぞれ大活躍してますし、中共との対立を考えたら実利・理屈としての海軍力よりも見た目を重視するなら、伝統の砲艦外交、抑止力という点で、最低でも数隻保有し続けなければいけません。
では、唐突ですが、ここでこの世界の日本海軍の終戦時の主要戦力を整理しておきましょう(w
戦艦: 残存: <大和><武蔵> <長門><伊勢><日向><金剛><榛名> 戦没: <陸奥><扶桑><山代><比叡><霧島> 未完成: <信濃>(空母での完成か?)
正規空母: 残存: <大鳳><翔鶴><瑞鶴><雲龍> (他<雲龍級>多数(恐らく5〜6隻程度)) 戦没: <赤城><加賀><蒼龍><飛龍>
だいたいはこんなところで、それ以外の艦艇は南雲艦隊の艦艇以外は、殆ど欠員が出ていません。それどころか、アメリカから大量の護衛空母・護衛駆逐艦などが供与、貸与されて肥大化している事でしょう。 なお、<神鷹>は重工作艦、<伊吹>は通信指揮艦として就役しているのが面白い点ですね。 ただし、空母は開戦当初以外ほとんど出てこないので、正直どうなっているのかよく分かりません。<伊吹>が南雲艦隊の壊滅により急遽空母にされ、43年には通信指揮艦として就役しているので、その他多くの改装空母が前倒しで出現し、史実よりも早く<天城級>の建造が始まっているのは確かですが、恐らく全体としては史実より大型艦艇の建造は低調と見るべきでしょう。阿賀野級などの新鋭艦も、対潜巡洋艦か防空巡洋艦として就役していると思われます。 アメリカ軍もアイオワ級が2隻しか出てきませんし、エセックス級もいるのかいないのか分かりませんしね。 ま、アメリカじゃあM26が史実より半年近く早く実戦投入されているので、戦争資源のリソース配分が変わったと思えばいいのでしょうけど。
さて少し脱線しすぎましたが、最後に各種制度を見てみましょう。 史実の日本で戦後行われたいくつもの経済改革、各種制度の多くは、戦前の日本政府も行う予定を持っていたと言われており、実際いくつかはその準備もあったので、その多くは速度はともかく実現できたと思います。また、史実でも昭和18年には日華事変を終息させ軍を撤退させなければ、日本政府自身は国家が破産するときちんと予測しており、もし大東亜戦争が勃発しなくても日本政府自身が軍を撤退させる方向に流れたと言われていますし、実際国家予算の面ではその通りでした。 なお、ちまたで溢れているような、日華事変を避けたからと言って巨大な軍備を建設する意志は、当の日本政府にはありません。軍の上層部もそれは分かっており、借金まみれの妄想の実現など思いもよりません。そんなものは「八八艦隊計画」を葬り去った時に分かっています。もっとも、海軍は相手が相手なだけに、いつも妄想癖に走りがちですね。 話を戻しますが、日華事変が日本の撤退で終わるなら、英米が支那大陸での商業活動を再開できますから、ルーズベルトやスチムソンなどのドキュン野郎が多少がなり立てようとも、アメリカが日本に戦争を吹っかける理由も消えている筈で、日本が挑発するような行動に出る可能性はかなり低いです。 だからこそ、この小説での昭和18年までの日米終戦と大陸の過半からの日本軍事力の撤退、大幅な復員という流れは、財政面から見るなら日本にとって願ってもない状況、まさに神風です。というか、これをやらないと、史実戦後のような極度のインフレが訪れ、日本の財政状態は単独では建て直しが出来ない事態すら、用意に予測できます。
ただ、小説では戦後の異常なまでに強固な財産税・不動産税、累進課税制度を始めとする、GHQに紛れ込んだニューディーラの末裔たちが押し付けた社会主義的制度の多くが採用されてるようです。確かに、健全な経済発展のためには、ある程度戦後のような制度は必要ですが、今の我々が持っている制度はそれこそ日本列島にGHQが来ない限り、ニューディーラの皮を被った社会主義者どもが来ない限り、制度として採用される可能性は低いでしょう。 あんな事をしたら、反対に日本の上位階層がクーデターを起こしてしまいます。 もちろん農地解放、財閥のある程度の分散化、経済諸制度の改革は、日本の産業発展に必要ですが、史実ほど極端なものにはならない筈です。 もしそんな事したら、戦後の軍需と重工業は壊滅し、大幅な再編成を余儀なくされ、国防戦略に大きな穴も空きます。 そして、上位階級を全て叩きつぶしてしまうと、国家としてのモラルの低下が引き起こる可能性が高く、そう言う数字に見えない点を守る必要からも、極端すぎる改革にはならない筈です。 あと、教育制度に関してあまりふれていないようですが、GHQでも来ない限りこれは戦前のままで問題ないと思います。アカにまみれた戦後の教育者たちの惨状は、何があっても避けなければなりませんよ(自爆)
さて、これでだいたい日本の将来像について見てきたと思いますが、やはり娯楽性を重視した小説であるだけに、こういった面は実際存在する史実の制度などを額面通り使いすぎており、ここに高貫氏の筆癖とも呼べるものが見え隠れしていますね。 個人的には、ここまでいじり回しているのですから、もう少し当時の状況に合致したものを考えて欲しいなどと贅沢を思い、今回取り上げてしまいました。
では、竜頭蛇尾ではありますが、これにて今回は幕としたいと思います。
では、また次回に逢いましょう。 ・ ・ ・
次回は多分早めに送り届けると思います。