VS(比較しよう!)




電気VSガスVSその他

このページでは、とかくガス会社や電力会社、機器メーカーのデータには自信を有利に見せかける物がみられるので、第3者的な立場から比較したデータを公開していきたいと思います。
色々な電化製品やガス機器などを使用した場合、 環境負荷だけでなく日常生活においての賢い使い方 も説明し、各ご家庭の機器構成で何が有利かを証する方法まで説明したいと思いますので、どうぞ参考にしてみてください。 しかし、私の身近にある物でしか比較できませんので製品ごとの性能差はあるとは思いますので、目安として考え、皆さんも検証してみては如何でしょうか?


●各エネルギーの比較●
どのエネルギーを使用すると環境に配慮したことになるの?
市販されている製品をどのように選ぶ?
具体的に製品で環境負荷VS!..ついでに燃料費VS!

朝の食事(食パンの場合)
■「パン焼き対決!」 オーブン電子レンジ VS オーブントースター VS トースター
■「パン焼き対決!」 ガスグリル VS トースター
朝のコーヒー・お茶
■「湯沸かし対決!」 IH(電磁調理器) VS ガスコンロ
■「湯沸かし対決!」 電気ポット VS ガスコンロ (その1)
■「湯沸かし対決!」 電気ポット VS ガスコンロ (その2) 「保温機能を使う」
御飯を炊こう
■「炊飯器対決!」 電気炊飯器(IH) VS ガス炊飯器
食器を洗おう
特集「食器洗い対決!」 食器洗い乾燥機 VS 手洗い(別ページへ)



各エネルギーの比較
ここでは、各家庭で使用するエネルギーの数値的内容の比較を簡単に行います。 ちょっと環境家計簿風になってしまいましたが、単位価格は2001年8月現在としてください。また、地域などによってはガスなどは種類が別に沢山あり(7種類:13A,12A,6A,5C,L1,L2,L3...2010年には13Aに統一予定)表記できませんでしたので、代表的な13Aを基準にしてみました。 なお原油価格などにより変動が考えられますので、その都度変更していきたいと思います。
エネルギー・資源 単位(単位価格¥) 熱量換算 炭素換算 CO2換算 単位熱量の価格(円/Mcal) 単位熱量あたりの
CO2出量(kg/Mcal)
電気 kWh(約23円) 864kcal/kwh 0.12kg/kwh 0.36kg/kwh 27.4 0.4167
ガス(都市ガス:13A) 3(約140.6円) 11000kcal/m3 0.64kg/m3 2.10kg/m3 12.8 0.1909
LPガス 3(約280円) 24000kcal/m3 1.8kg/m3 3.00kg/m3 11.7 0.1250
ガソリン L(約105円) 8400kcal/L 0.64kg/L 2.30kg/L 12.5 0.2730
軽油 L(約70円) 9200kcal/L 0.72kg/L 2.64kg/L 7.6 0.2870
灯油 L(約45円) 8900kcal/L 0.69kg/L 2.50kg/L 5.1 0.2808
水道 3(約184円) - 0.16kg/m3 0.58kg/m3 - -
参考資料:(財)省エネルギーセンターwebサイト・理科年表...など...(熱量換算の項目については色々な数値が出てくるので代表値として平均的なものを選びましたがもっと良い数値をお持ちの方がおられましたら、ご紹介ください)また、電力会社各社が2002年10月より料金値下げを実施したため23.7円から23円へ変更しました。

どのエネルギーを使用すると環境に配慮したことになるの?
単純に単位熱量当たりの問題となる一部の炭素排出量を計算してみると上のような結果になり、電気が0.1389kg/Mcal、ガスが0.0582kg/Mcalとなり電気を使用する方が環境負荷が大きいように思ってしましますが、一概にはいえません。 それは、末端で使用する機器の熱効率などにより同一の仕事(給湯や加熱)に必要な燃料の料がかわりますし、機器の構造的性能(ヒートポンプなど)によってもかわってくるからです。
それでは、どのようにエネルギーや機器を使い分ければよいのでしょうか?... やはり比較するには、同一の用途で使用されるものを性能や利便性や安全性、そして価格を考慮して個別に比較する必要がありそうです。

市販されている製品をどのように選ぶ?
製品を選ぶとき皆さんは何を基準にするでしょうか? 実生活の上で価格の重要性はよくわかるのですが、環境問題を考えて少しくらい高価でも省エネルギータイプの物を購入されるのも良いと思います。
少しくらい高価でも使用するエネルギーの量が少なければ利用するときの光熱費が安くすむことで、かえって安価な物を買うより安くすむことが多々あります。 「良いものを長く大切に使う..」これは環境問題を考える上で非常に重要な事と言うことが判っていただければ幸いです。 使い捨ての時代はもう終わりました。

具体的に製品で環境負荷VS!..ついでに燃料費VS!
それでは具体的な機器で比較していきたいと思います。 日常でよく使用する物を例に掲載していきたいと思いますが、全て実測によるものとメーカーの出している値で私の身の回りに存在する物ばかりですのであくまでも目安としてください。 各ご家庭の製品については、皆さんで計算してご確認ください。

「パン焼き対決!」 オーブン電子レンジ VS オーブントースター VS トースター


オーブン電子レンジ


オーブントースター


トースター
 

さて、朝起きて朝食をいただきますが、皆さんはご飯とパンのどちらを召し上がりますか? 我が家はパンなのですが、その時にパンを焼くのにどのような機器を使用していますか? オーブン電子レンジかオーブントースター..専用のパン焼き器を使用している方もおられるでしょう。 そこで、我が家にもあるオーブン電子レンジとオーブントースター、そして最近お祝いでいただいたトースターの利用時の消費エネルギーを比較してみました。

測定条件 :室温28.9℃ 5枚切り食パン1枚焼き、30秒後にもう一枚焼く。 焼き具合はオーブン電子レンジを基準にする。
項目
オーブン電子レンジ
オーブントースター トースター
消費電力(W)
1200W
850W 650W
1回目の電力量(kWh)
0.11
0.043 0.029
1回目焼き時間(秒)
360
180 160
1回目の光熱費(円) 2.53円 0.99円 0.67円
1回目の CO2排出量 39.6g 15.5g 10.4g
2回目の電力量 (kWh) 0.06 0.028 0.022
2回目焼き時間 (秒) 180 120 120
2回目の光熱費(円) 1.38円 0.64円 0.51円
2回目の CO2排出量 21.6g 10.1g 7.9g
結果を吟味 :4回しか測定しておりませんが、一目瞭然ですね。 上の表で1回目のデータではオーブン電子レンジはトースターの2.25倍の時間をかけて、さらに3.7倍のエネルギーをかけて焼いていることが判ります。 CO2排出量は使用電力量に比例しますから、 オーブン電子レンジがトースターより3.7倍環境負荷 が大きいと言うことになりました。 それにしても、1枚パンを焼くのに結構エネルギーがかかる物ですね!(ついでにお金も) それと、 何枚もパンを焼くのであれば連続して焼くことで余熱により焼くエネルギーの量も減ります。(オーブン電子レンジの場合1回目の55% 、オーブントースターの場合1回目の66%程、トースターの場合1回目の74%程)
こうやってみると、機能が単純化されていくにつれて効率が良くなっていますね!。

私の結論: オーブン電子レンジは色々な調理にその一台で利用することができることで省スペースと言うことで日本の狭いキッチンには重宝される物だと思います。 性能も良くなり価格も安くなって主婦の身方ですね! でも、朝のトーストでは、トースターの方が電気使用量が3分の1以下で済むことが判りました。 場所に余裕のある方は、トースターやオーブントースターを置かれては如何ですか?(笑)

1位:トースター
2位:オーブントースター
3位:オーブン電子レンジ
(2001年8月25日〜11月3日)

「パン焼き対決!」 ガスグリル VS トースター

トースター


ガスグリル
 

さて、パン焼き対決でもう一つ参戦したがっている「ガスグリル」、どういう結果になるか早速対決してみましょう。

測定条件 :室温28.9℃ 5枚切り食パン1枚焼き、焼き具合はオーブン電子レンジを基準にする。
項目
オーブン電子レンジ
オーブントースター トースター ガスグリル
消費電力(W)
1200W
850W 650W -
1回目の電力量(kWh)
0.11
0.043 0.029 0.008m3
1回目焼き時間(秒)
360
180 160 156
1回目の光熱費(円) 2.53円 0.99円 0.67円 1.12円
1回目の CO2排出量 39.6g 15.5g 10.4g 16.8g
結果を吟味 :ガスグリルは普通、魚などを焼くときに使用しますが、パンを焼くことだって出来ます。 その他、 唐揚げや天ぷら・コロッケなどを電子レンジで暖めるよりガスグリルで暖めた方がカラッとしあがり、サクサクした触感がよみがえります 。 これは、オーブン電子レンジでも出来ますが、ガスグリルの方が早く、環境負荷も少なく、安く行うことが出来ます。

私の結論: なかなか良い結果が出たようですね!。 トースターには及ばないまでも オーブントースターとほぼ同じ結果が出ました。 でもやっぱり、トースターにはかないませんでした。 あまり使わないガスグリルも利用アイデア次第でいろいろ使えると言うことでしょうか (笑)。 これ以外にも、ガスコンロの直火にパンをあぶる感じで焼くことも可能ですが、ちょっとスマートじゃないですね(楽しいですけど)..このばあい、しっかり中まで暖まらないので注意が必要ですね。 まあ、極論言えば生食か焼きたてのパンをいただくのが一番良いのかもしれませんね(笑)。

1位:トースター
2位:ガスグリルとオーブントースター
3位:オーブン電子レンジ
(2001年8月25日〜2002年6月1日)

裏話 :グリルにはタイマーがありませんから時間管理が難しいですね。 焼き具合を同じくするには、キッチンタイマーで秒単位の管理が必要です。私も何回か焦がしてしまいました。

「湯沸かし対決!」 IH(電磁調理器) VS ガスコンロ

IH(電磁調理器)


ガスコンロ


温度センサー

さて、皆さんコーヒーやお茶を飲むときにはお湯はどのようにして沸かしておられますか? 我が家は朝はコーヒーか緑茶ですので必ずと言って良いほどお湯を沸かします。 さて、ここではお湯を沸かすための色々な方法を比較検討してみたいと思います。

比較対象 :ポータブルIHクッキングヒータ(1200W)、ガスコンロ(4000kcal、2550kcal、1200kcal)。

測定条件 :2リットルの水の入ったステンレスケトル(勿論IH対応です)に入れ沸騰させる。 初期水温22.5℃、室温25.9℃、湿度51%、換気扇(弱)運転あり、天候くもり、気圧未記録、同一日30分おきに計測する。 測定には温度測定システムを使用して5秒おきに水温、排気温度、室温を測定し記録していく。 温度センサーの精度は誤差0.2Kサーミスタを熱電対温度計で実測校正4ch、測定後エクセルで解析。(本業?がこんなところで役立つとは...)
なお、このホームページで紹介しているガスコンロのフードは使用しておりません。 また、換気扇の消費電力は考慮に入れておりません。

■ 火力についての補足説明
ガス微弱火 :2550kcalコンロで火力最小設定
ガス弱火 :4000kcalコンロで火力最小設定
ガス中火 :4000kcalコンロで火力中間設定
ガス強火 :4000kcalコンロで火力最大設定
項目
IH(電磁調理器)
ガス微弱火 ガス弱火 ガス中火 ガス強火
消費電力(W)
1200W
- - - -
消費電力量(kwh) 0.22 - - - -
消費ガス(m3
-
0.038 0.034 0.036 0.052
加熱時間 (分)
13.3
34.3 16.2 10.5 7.8
消費エネルギー(kcal) 190.1 418.0 374.0 396.0 572.0
CO2排出量(g) 79.2g 79.8g 71.4g 75.6g 109.2g
熱効率(%) 33.9(80.91)*1 37.1 41.5 39.1 27.4
熱効率比較(%) 100(基準) 109.4 122.4 115.4 79.8
光熱費(円) 5.06 5.34 4.78 5.06 7.31
*1 環境負荷と熱効率を同時に考えるとき電気とガスでは事情が異なってきます。 電気はその発電段階での熱効率や送電時の電気抵抗によるロスなど考えなければなりません。

結果を吟味 :これは微妙な結果が出ました、炭素排出量を見ると差があるもののどれも使い方や光熱費の単位価格の変動などによっては費用めんでは結果が逆転する可能性がありそうです。 しかし、環境負荷を表している炭素排出量を計算してみるとガスの弱火か中火が良いようで、おすすめできます。
でも、この実験をしているときにやっぱり感じたのですが、末端での熱効率の良いIH(電磁調理器)は換気も必要ないくらいに室温が安定し、ガスのように燃焼後に出る排気ガスもありませんからある意味安心して使用できます。 また、直接炎が出ているわけではないのでお年寄りなどの一人暮らしや、小さな子供がいる家庭では安全に思います。 奥様方には天ぷら(温度も自動で一定に保てる)や炒め物で油煙が上がりにくいIHの方が掃除が楽で良いかもしれませんね!でも、鍋やヤカンをステンレスや鉄のものに買い換えないといけないのと丸底のフライパンが使えないのが難点でもあります。(笑)
続いてガス火ですが、火力の強さは申し分なく丸底の中華鍋など使い放題..それはさておき、夏場はIHに比べれば暑いですね! 冷房を邪魔してしまいます。 冬場の暖房には一役買いそうですが、排気ガスが出ますから換気が必要になります。 それにしても末端での熱効率が40%前後しかないのが残念です。 このあたりは熱効率の良いもの(ガス・電気給湯器や太陽熱温水器など)で余熱を得てからガスや電気で加熱すれば効率が良くなりますね!(最近は10%程ですが熱効率を向上させたコンロも登場したようで注目です!) これはまた別のVSで..

私の結論: 台所の環境(熱気や汚れ、掃除のしやすさ)を考えるとIHなど電気がよろしいようですが、環境負荷を考えてみるとわずかではありますがガスの方が優れているようです。 我が家は夏場はIH+ガス給湯器またはIH+太陽熱温水器で、冬場はガス火で部屋も暖めます(換気を忘れないように)。 光熱費でもガスの方が少しですが安く済んでいるのでこの勝負はガス火の勝ちと言うことになりますね!(但し、割引契約などによっては結果がかわってきます..しかし環境負荷の評価はかわりませんが)

勝者ガス(弱火・中火)!
(2001年10月14日)

「湯沸かし対決!」 電気ポット VS ガスコンロ (その1) ■

電気ポット


ガスコンロ


温度測定

さて、皆さんコーヒーやお茶を飲むときにはお湯はどのようにして沸かしておられますか? 我が家は朝はコーヒーか緑茶ですので必ずと言って良いほどお湯を沸かします。 さて、ここではお湯を沸かすための色々な方法を比較検討してみたいと思います。

比較対象 :2.2L電気ポット(870W)従来製品で保温機能強化なし、ガスコンロ(4000kcal、2550kcal、1200kcal)。

測定条件 :2リットルの水の入ったステンレスケトルに入れ沸騰させる。 初期水温22.5℃、室温25.9℃、湿度51%、換気扇(弱)運転あり、天候くもり、気圧未記録、同一日30分おきに計測する。 測定には温度測定システムを使用して5秒おきに水温、排気温度、室温を測定し記録していく。 温度センサーの精度は誤差0.2Kサーミスタを熱電対温度計で実測校正4ch、測定後エクセルで解析。(本業?がこんなところで役立つとは...)
なお、このホームページで紹介しているガスコンロのフードは使用しておりません。 また、換気扇の消費電力は考慮に入れておりません。

■ 火力についての補足説明
ガス微弱火 :2550kcalコンロで火力最小設定
ガス弱火 :4000kcalコンロで火力最小設定
ガス中火 :4000kcalコンロで火力中間設定
ガス強火 :4000kcalコンロで火力最大設定
項目
電気ポット
ガス微弱火 ガス弱火 ガス中火 ガス強火
消費電力(W)
870W
- - - -
消費電力量(kwh) 0.195 - - - -
消費ガス(m3
-
0.038 0.034 0.036 0.052
加熱時間 (分)
15.4
34.3 16.2 10.5 7.8
消費エネルギー(kcal) 168.5 418.0 374.0 396.0 572.0
CO2排出量(g) 70.2g 79.8g 71.4g 75.6g 109.2g
熱効率(%) 39.06(93.23)*1 37.1 41.5 39.1 27.4
熱効率比較(%) 100(基準) 95.0 106.2 100.1 70.1
光熱費(円) 4.49 5.43 4.78 5.06 7.31
*1 環境負荷と熱効率を同時に考えるとき電気とガスでは事情が異なってきます。 電気はその発電段階での熱効率や送電時の電気抵抗によるロスなど考えなければなりません。

結果を吟味 :これもまた微妙な結果が出ました、炭素排出量を見ると差があるもののどれも使い方や光熱費の単位価格の変動などによっては費用めんでは結果が逆転する可能性がありそうです。 しかし、環境負荷を表している炭素排出量を計算してみるとガスの弱火か中火が良いようで、おすすめできます。(微妙な結果です。) 費用面では電気ポットが多少有利です。
この結果から見ると、 先のIHクッキングヒータよりも密閉空間の中で加熱している分、熱効率も良くなっています。 でも、 電気ポットと言えば保温機能ですよね!..結構保温するのにエネルギーを消費している のをご存じでしょうか?。 最近では、タイマーを使用したり、保温機能を強化して従来製品の半分ほどの保温エネルギーで済ませる電気ポットも登場しております(これから購入される方は保温性能のようもの方が良いですよ!) 。 そこで気になるのが電気ポットを購入すれば保温機能も自ずと使用することを念頭に置くとで保温でエネルギーを使用する場合と使用毎にお湯を沸かすのではどちらが環境負荷が大きいかと言うことでこれは調査する必要がありますね!

私の結論(その1): 台所の環境(熱気や汚れ、掃除のしやすさ)を考えると電気ポットよろしいようです、環境負荷を考えてみるとわずかではありますがガスの方が優れているようです。 お湯を必要なだけ計量して沸かすのであればガス火の方がわずかではありますが環境負荷が少ないようです。 また、費用面でも殆ど同じということになりましたが、わずかにガス弱火の方が勝っていると言うことで第一回戦は圧勝ではないですがガス火の勝ちですね。 さて、保温機能を利用するとどうなりますやら...(つづく)
第1ラウンド勝者ガス(弱火・中火)!
(2001年10月14日)

「湯沸かし対決!」 電気ポット VS ガスコンロ (その2) 「保温機能を使うと..」 ■

電気ポット


ガスコンロ


魔法瓶


実験の後はコーヒー

さて、電気ポットの特徴としては、電気を使用して一定温度に保温する機能があり、いつでも熱いお湯がボタン一つで得るところに利点があります。 さて、この保温機能ですがはたして環境によい機能なのでしょうか? それとも毎回沸かした方がよいのでしょうか? 比較検討してみる必要がありそうですね! ここでは、湯を沸かすことに関してわずかの差ですが連戦連勝のガス(弱火・中火)を基本に一般的なお湯の使用方法を基に、比較してみたいと思います。 また、最新の保温機能を強化した魔法瓶型の電気ポットもカタログ値で比較してみたいと思います。

比較対象 :2.2L電気ポット(870W)従来製品で保温機能強化なし、ガスコンロ(4000kcal、2550kcal、1200kcal)。

測定条件 :2リットルの水の入ったステンレスケトルに入れ沸騰させる。 電気ポットは保温機能を使用し電源は常時接続し24時間の平均消費電力は、32.86W(実測)。 初期水温22.5℃、室温25.9℃、湿度51%、換気扇(弱)運転あり、天候くもり、気圧未記録、同一日30分おきに計測する。 測定には温度測定システムを使用して5秒おきに水温、排気温度、室温を測定し記録していく。 温度センサーの精度は誤差0.2Kサーミスタを熱電対温度計で実測校正4ch、測定後エクセルで解析。 なお、このホームページで紹介しているガスコンロのフードは使用しておりません。 また、換気扇の消費電力は考慮に入れておりません。

■ 火力についての補足説明
ガス微弱火 :2550kcalコンロで火力最小設定
ガス弱火 :4000kcalコンロで火力最小設定
ガス中火 :4000kcalコンロで火力中間設定
ガス強火 :4000kcalコンロで火力最大設定
項目
電気ポット
ガス微弱火 ガス弱火 ガス中火 ガス強火
消費電力(W)
870W
- - - -
消費電力量(kwh) 0.195 - - - -
消費ガス(m3
-
0.038 0.034 0.036 0.052
加熱時間 (分)
15.4
34.3 16.2 10.5 7.8
消費エネルギー(kcal) 168.5 418.0 374.0 396.0 572.0
CO2排出量(g) 70.2g 79.8g 71.4g 75.6g 109.2g
熱効率(%) 39.06(93.23)*1 37.1 41.5 39.1 27.4
熱効率比較(%) 100(基準) 95.0 106.2 100.1 70.1
光熱費(円) 4.49 5.43 4.78 5.06 7.31
*1 環境負荷と熱効率を同時に考えるとき電気とガスでは事情が異なってきます。 電気はその発電段階での熱効率や送電時の電気抵抗によるロスなど考えなければなりません。

■ 電気ポットの保温機能のデータ(実測値+同容量省エネタイプのカタログ値)
項目
電気ポット
省エネ型電気ポット
(T社カタログ値より)
保温消費電力(W)
32.86W
22W
1時間あたり消費電力量(kwh) 0.033 0.022
1時間あたりCO2排出量(g)
11.9g
7.9g
1日あたり消費電力量(kwh)
0.789
0.528
1日あたり CO2排出量(g) 284.0g 190.1g
光熱費(円/日) 18.15 12.14

結果を吟味 :これは、おもしろい結果が出ましたね!。 保温機能に多くのエネルギーを消費していることが判りました。 ちょっと一般的な例を考えて比較してみましょう。(と言っても我が家の場合ですが...)
例えば、2リットルのお湯を1日に3回沸かすことを考えると、電気ポットで沸騰させ保温しておくと...
3回沸かすのに必要なエネルギー: 0.195kwh×3=0.585kwh
1日中保温するのに必要なエネルギー:32.86W×(24h- 0.76h)=763.7Wh...0.7637kwh (CO2排出量 274.9g)
電気ポットを使った際の1日当たりの消費エネルギー:0.585+0.7637=1.3487kwh (CO2排出量 485.5g) (30.98円)
と言うことになる。

これを、ガス火で その時に必要な量だけを沸かすようにすると...
6リットル沸かすのに必要なエネルギー: 0.034m3×3=0.102m3(CO2排出量 214.2g) (14.34円)

なんと2倍以上 も保温機能を使用した電気ポットはエネルギーを使用していたのですね! 驚きです。
金額的にも電気ポットの保温機能はお得ではないということになり一定量のお湯を沸かすのにはガス火と激戦を演じたのですが、残念な結果になりました。(当然の結果なのですが..)

私の結論(その2): いつでもお湯がすく使えるという意味において、利便性で有利な電気ポットでありますが、環境負荷を考えると ガス火で毎回必要量お湯を沸かした方が良いことが判りました。 光熱費もガス火で毎回必要量沸かした方が良いようで、おすすめできますね!
また、ガス火でも好きなときにいつでも暑いお湯を使えるようにする方法があります。 これは、別のところでも紹介しましたが、エアポット・魔法瓶 を利用することで満足できると思います。 最近の魔法瓶は性能も良くなり、100℃のお湯を入れて10時間経っても76℃(カタログ値..我が家ので実測すると72℃を保っておりました。)だそうで、お茶やコーヒーに十分使える温度を保つことが出来ます。夏場は冷たい飲み物を入れておけば、冷蔵庫の開閉回数も減らすことが出来ますからこれまた省エネですね..お試しを!

第2ラウンド勝者ガス(弱火・中火)!+魔法瓶・エアポット
(2001年10月14日)

裏話 :この実験の最中コーヒーや緑茶を何杯飲んだことか...眠れません。 残った沸騰したお湯はお風呂の湯船へ直行でした。...

「炊飯器対決!」 電気炊飯器(IH) VS ガス炊飯器

電気炊飯器(IH)


ガス炊飯器(13A)
 

さて、炊飯器ですが皆さんガス炊飯器、電気炊飯器どちらを使用されておられますか? どのご家庭でもあり毎日使用する炊飯器、比較検討してみたいと思います。

比較対象 :電気炊飯器(IH)(最大1升、1290W)、ガス炊飯器(最大1升、1300kcal)。

測定条件 :1升炊きの両炊飯器にお米を4合入れ、機器指定量の水を加える。 初期水温20.5℃、室温22.1℃、湿度56%、換気扇(弱)運転あり、天候くもり、気圧未記録。

■ 測定結果(4合の場合)
項目
電気炊飯器(IH)
ガス炊飯器
消費電力(W)
1290W
-
消費電力量(kwh) 0.14 -
消費ガス(m3
-
0.031
加熱時間 (分)
46
18.5
消費エネルギー(kcal) 121.0 341.0
CO2排出量(g) 50.4g 65.1g
光熱費(円) 3.22 4.36

結果を吟味 :これもまたは微妙な結果が出ました、この炊飯器対決は電気の方が有利なようです。 ガス炊飯器には保温機能はあってもタイマー機能が付いておりません(この製品の場合)。 それを考えると、 決まった時間にできあがる電気式の方が安全で忙しい都会人には良いのかもしれません。 また、機能も充実しており炊き込み御飯やおこわ..いろいろ出来るようで電子制御ならではですね!。

私の結論: 環境負荷を考えてみるとわずかではありますが電気炊飯器の方が優れているようです。 ところで、御飯のお味は?と聞かれると...これがまた甲乙つけがたいところまで電気炊飯器が追い上げておりますね..でも、ガスの方が3倍も早く炊ける し...今回は電気炊飯器の勝利ですね。 あなたはどちらを選びますか?...(つづく)

勝者電気炊飯器!
(2001年11月3日)
結果や計算間違いに気付き変更いたしました(11/7)

裏話 :この実験で必要以上の米を炊いてしまい困ってしまいました...おにぎりにしたり、冷や飯を冷蔵庫に入れておき次の日に炒飯になりました。...今度は無洗米と白米の比較でもしてみるかな..(食べ過ぎに注意!)


2001.9.3〜
最終更新:2007年5月30日


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