invisible ear
椎原保+藤枝守+井上明彦
Shiihara Tamotsu + Fujieda Mamoru + Inoue Akihiko

2002.9.21〜10.13 space B
企画:ギャラリーヤマグチ



ワイヤー、鉄、 塩ビ板、木、磁石、スピーカ、コンピュータ、ビデオプロジェクターほか

 美術家・椎原守、作曲家・ 藤枝守、美術家・井上明彦の3人によるコラボレーション。
 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の『耳なし芳一』をテキ ストに、物語における寺と海の位置関係、盲目の芳一の感覚的世界とその身体の移動 を、視覚的・音響的に構造化するかたちでインスタレーションを行なう。
 屋上に設置したビデオカメラによって CASOの前の海面をリ アルタイムで映像化し、照明を消した自然光のみの展示空間に投射する。投映面の壁 には光センサーが埋め込まれ、波が生む光と影のたえまない変化が、空中に張られた 2本の振動するワイヤーからふりそそぐ音響を微細に変化させる。 音響は自然の中で フィールドレコーディングされたものを軸にして、一日の時間経過によりパターンを ゆっくり変えていく。
  昼と夕、晴れと雨など、時の推移や天候の変化と共にうつ り変わる音と光のエーテル、その波動を受けとめるように、3mの正方形の垂直面、鉄 の水平面、空中にうかぶ白い正方形群が静かに共振する。壁に揺れる夜の海面には、 遠く壇ノ浦にうかぶ鬼火群がやってくるか。
 出口には、次の原文の一節を地図とともに記した小さなカー ドが配された。

 「その晩のことであった 。芳一が寺を抜け出していくのが見うけられた。」

 10月12日には、ハーンの研 究者でもある比較文学者の西成彦氏(立命館大学教授)をゲストに迎え、レクチャー と座談会、また展示室と屋外の通路を結ぶワークショップを行なった。