コクーン&ドーナツ  Cocoon & Donut

浅井 紀  ASAI Nori



コクーン・プロジェクト −旅をするコクーン− 2003年7月ガレリア・グラフィカbis(東京・銀座)


「コクーンはだんだん "作者" などという小さな存在を離れて、
僕をどこかに連れて行ってくれる」 ─浅井 紀─

(写真:コクーン・プロジェクト −旅をするコクーン− 2003年7月ガレリア・グラフィカbis(東京・銀座)にて)


asai nori

asai nori

素材:FRP樹脂にアクリル塗装(鏡面仕上げで磨き上げ)
構造:長い径180センチ×短い径108センチ、中は空洞


浅井紀は、19才でヨーロッパに渡りパリ国立高等美術学校で学んだ後、フランスを中心に活動を始めました。タブローから徐々にインスタレーションへとその活動を移行し、今年からは日本での制作を始めています。《コクーン・プロジェクト》は、浅井のインスタレーションとしては日本で初めての発表となり、大好評を得た第1ステージの東京・大阪・パリ・名古屋に引き続き、7月の東京における展覧会を皮切りに第2ステージをスタートさせました。
 本展では、第1ステージの直径60センチから180センチへと大きくなったコクーン(まゆ玉)が、それぞれの空間に合わせてインスタレーションされます。このプリミティヴなかたちを通して浅井が生み出そうとしているものは、単にコクーンという作品の中に現われるのではなく、その作品が置かれる空間そのものを通して現われます。つまりコクーンがある空間に設置されると、空間そのものを変化させるとともに、見る者は鏡面に磨き上げられたコクーンに映りこんだ自分自身と向き合うことにもなり、内なる意識を喚起されて、静謐なる精神変容を体験するのです。
 コクーンが、180センチへと大きくなったことで、支配する空間も大きくなります。それに伴いその舞台は屋内だけにとどまらず、野外、パブリックスペースなど地上のあらゆる空間からやがては宇宙へと、その可能性を無限大に広げていくのです。《コクーン・プロジェクト》は、今春のパリ展でも大きな評価を得ており、世界中での展開が期待されています。浅井自身もコクーンをたずさえた旅を通じて、みずからの内なる風景がどのように変容していくのか、そのゆくえに思いを馳せています。コクーンたちの旅は、多くのあらゆる可能性を秘めながら続いていくのです。




瞑想のまゆ
プリミティヴなものは、個別性を超えた普遍の静けさを持ち
私たちの内にある神秘的な領域、瞑想的な次元を照射してくれます
《コクーン・プロジェクト》 は、まゆ玉という原初的なかたち
私にとっての精神的定数を、さまざまな空間に反復する試みです
私が願うことは、才能、深み、個性、熟練という呪縛から開放されていることです
そしてコクーンたちが 「単なる」 芸術作品に堕さないように
それらが生きた高みに留まり続けていられるように
この作品と旅をし続けたいと思います
浅井紀



 主 催 銀河工房 企画協力=株式会社アートサイト  

浅井 紀(あさい のり)略歴
1959
大阪生まれ
1959 19才で渡欧
マドリッド滞在後1982年パリ国立高等美術学校入学。以降フランスを拠点に活動を行う。
モンテカルロ国際現代美術賞展(モナコ)、カーニュ・シュール・メール国際絵画フェスティバル(仏)、サロン・ドートンヌ(仏)、フランス美術家協会展(仏)、サロン・デ・ボザール(仏)、9+(仏)等に出品。
パリ、京都、東京、大阪、名古屋で個展。
2000年フランス美術家協会よりジャック・クーデル賞授与。2003年より《コクーン・プロジェクト》の発表を始める。

浅井紀ウェブサイト http://www.asainori.jp/