手塚愛子展
ときほぐし、織り直す

TEZUKA Aiko


「弛緩する織物」
 10mの解体された織物/ 2005



・会期(年月日) 2005年5月3日(火)〜5月22日(日)
          会期中無休 11:00〜19:00(最終日のみ〜17:00)

・展示スペース CASOスペースC (協賛 住友倉庫)

・作品展示内容 布や糸を使った立体作品(既製品の織物を解体した作品)、5〜6点程度


左:「弛緩する織物」
 10mの解体された織物/ 2005
右:「織り直し」
 二種類の布から織られた新しい織物
「織り直し」
 二種類の布から織られた新しい織物



 私は既製品の織物を解体する作品を制作しています。

 織物は、字の通り「織られた」「もの」ですが、織物に限らず人間の作りだしたものは全て、何らかの素材に時間と手が加えられることによって「織られた」ものだ、と言うことができるでしょう。それは、プラスチックのような物質的なものから、歴史や文章という概念的なものまで含まれます。

 「織られたもの」の解体によって、「織られるまでの時間」と、「織り上げられる以前の姿?素材」が出現します。
 不可逆的な時間、還元不可能な素材を見てみたいという衝動にかられ、私は「織られたもの」の解体を行います。

 私が解体する「織物」には、「美術史という織物」への想いが込められています。絵画、彫刻という「美術」と、織物、刺繍、漆、陶磁などといった「工芸」が人為的に分化したのはわずか130年ほど前のことですが、わたしたちが今「絵画」と呼ばれている確固たるものに向かう時、そこに内包されたもの、あるいは切り捨てられたものをもう一度自覚的に認識することによって、「わたしの絵画」に出会えないかという想いがあるのです。

 もちろん、私の作品と「絵画」の間にどのような関係性があるのか、などということを、直接的に観者に語ることが目的ではないのですが、「絵画」という表現形式から出発した私の、今の段階での表現として、「織物の解体」は存在するのです。
 「これは染織ですね(絵画ではない)。」という観者のコメントに対して、私の作品が重ねて「絵画とは何ですか?」という問い掛けになりはしないだろうか。解体された織物によって、「絵画」でも「染織」でもない、「わたしの作品」への模索が浮き彫りにされることを願います。

 また、最近作では、解体することによって出現した素材から、また新たな織物を織り上げる試みを始めています。
 「織られてしまった」ものをいったん素材に戻し、また自分の意志によって織り直すこと、それは、わたしたちは何処から来て、一体何者で、そして何処へ向かう意志を持とうとするかを模索する作業でもあるのです。

「織られたもの、もろさとともに」
 解体された織物
「縫う絵」
 布に刺繍

手塚 愛子 tezuka , aiko

1976年 8月 東京生まれ
1999年 3月 武蔵野美術大学 造形学部油絵学科 卒業
2001年 3月 武蔵野美術大学大学院 造形研究科油絵コース修了
2005年 3月 京都市立芸術大学大学院
博士(後期)課程油画領域 修了
現在 京都市在住


個展
2005年 4月 INAXギャラリー2(京橋/東京)
2004年 3月 ART COURT GALLERY(天満/大阪)
2001年12月 東京アートファクトリー(西新橋/東京)
2000年 4月 ガレリア ラセン(国立/東京)

グループ展
2005年 3月 VOCA展(上野の森美術館/上野)
2004年10月 SPIRAL Take Art Collection(スパイラルガーデン/東京)
2004年 1月 若手新鋭選抜展(京都府立文化博物館/京都)
2003年10月 SPIRAL Take Art Collection(スパイラルガーデン/東京)
2003年 7月 Art Court Frontier(アートコートギャラリー/大阪)

賞歴
2005年 3月 VOCA展 佳作賞(上野の森美術館/上野)
2002年 6月 京展 京展賞(京都市美術館/京都)

今後の予定
2006年 6月 越後妻有トリエンナーレ 参加(十日町他/新潟)

「縦糸を引き抜く〜新しい量として」
2003年/
引き抜いた縦糸,織物,パネル/
150×400(cm)の布,140×80(cm)の楕円パネル/
個展(ART COURT Gallery 2004年)
「織られ得なかったもの」
2004年/
解体された織物/
400×155(cm)




会場風景/個展(ART COURT Gallery 2004年)


左から

「縦糸を引き抜く〜五色」
「go home」