市川衛展 「DEN-WA II」


ICHIKAWA Mamoru




「COMMANDER」(2006) 「Message from Adam II」(2006)


・会期  2006年8月15日(火)〜8月20日(日)

・時間  11:00〜19:00 (最終日〜17:00)

・会場  海岸通ギャラリー・CASO X室


市川衛は大阪芸術大学大学院で情報デザインを担当する作家。インタラクティブアート、メディアパフォーマンス、デジタルコンテンツ制作などを行う。

最新のインタラクティブ・アート・シリーズ「DEN-WA」の中から三作品、「Message from Adam II」(2006)、「Lovers」(2006)、「COMMANDER」(2006)を展示。
アンティークなダイヤル式電話機や、プッシュキーしか装備していない初期のシンプルなプッシュホンを用いた、インタラクティブ・インスタレーション。
ソレノイドを利用して、受話器が動くときに音が発生する。


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昨今はすっかりデジタルの携帯電話が世の中の主流になったが、デジタル化が進む前の古いダイヤル式の電話機や、プッシュキーしか装備していない
シンプルな初期のプッシュホンなどの電話機は、いまやすっかりレトロでアンティーク感の漂う存在となってしまった。かつてはダイヤルを回すという操作は何の疑問も持たない電話のインターフェイスのスタンダードであったが、現在では不思議な感覚があり、指でダイヤルを回す感触や回り終わるまでの待ち時間などが、温もりや奇妙な時間感覚を呼び起こすものとなっている。
また、番号に必要なボタン以外に一切の余分なキーがない初期のプッシュホンのデザインは、デジタル化や高機能化が進んだ現在の電話とは異なるシンプルな美しさが際立っている。こうしたオールドメディアの電話機からイマジネーションを得て制作したのが、今回のインタラクティブアートである。
これらの作品に実際に使用した電話機は全て、インターネットオークションで一台ずつ落札し、これらにコンピュータや電子装置を組み込む改造を施し、それぞれのテーマに沿ってインスタレーションとして構成・展開した。

「Message from Adam II」は、2005年11月に大阪芸術大学で開催されたSAGAシンポジウムに連動して開催された『アーツ・アンド・エイプス展 - 大型類人猿から芸術を考える -』の参加作品の完成版で、15万年あまりだといわれるヒトの歴史の遺伝情報の連鎖をテーマとした作品である。左右に配置した15万年前の人類と現代人の等身大パネルの間に、ダイヤル式電話機を16台並べ、電話1台の感覚を1万年と見立てることで左から右に15万年の人類の生物学的時間を表現した。鑑賞者は電話のダイヤルを回すことで作品とインタラクションができ、回したダイヤルの数だけ右の電話に情報を伝達させることができる。
「Lovers」では、カラフルなプッシュホンを2台ずつ組み合わせ絡み合わせ、男女や同性のカップル6組を擬人化した。プッシュキーを押し合えば、カップルの恋の駆け引きゲームが始まる。会場にあるプレーヤーズヒントも参考にしてほしい。
「COMMANDER」は、多数のダイヤル式の電話機を兵士に見立てて並べている。司令官の電話を2回ダイヤルすると、兵士達は命令に従い整然と100パターンの行動をする。

「Lovers」(2006)



1955年 静岡生まれ
1978年 京都大学理学部物理学科卒業
1979年 京都大学大学院中退、パイオニア株式会社入社
1983年 ミューズ音楽院卒業
1997年 有限会社インターアート設立
2000年〜 大阪芸術大学芸術学部および大学院助教授

主な展示
2006年 『DEN-WA』 トキ・アートスペース(東京)
2004年 『N-E-W-S』 CCMC2004 東京日仏会館
2003年 『N-E-W-S』 Digital Music Festival 2003 ジーベックホール(神戸)
1989年〜1996年 『HyperKeyboard ACT』シリーズ(1〜11) 科学技術館(東京)、草月ギャラリー(東京)、IMAGES DU FUTURE 1994(モントリオール)、ほか

ほかマルチメディア・パフォーマンス、コンピュータプログラム作品多数

「COMMANDER」 「Message from Adam」