中尾暢明
"Painting piled up"


NAKAO Masaaki





・会期  2009年4月28日(火)〜5月10日(日)

・時間  11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)

・会場  海岸通ギャラリー・CASO D室


内容  絵画
これらの作品は、2mm厚のステンレススチールの板の端を1mm削って、
壁面展示用の部材を溶接、接合して作った支持体に、油絵の具を塗り
重ねたものです。
油絵の具にはアルキド系の樹脂(ホルベイン ストロングメディウムグロス)
を30%程度混ぜ、透明感と強度を出しています。また、塗り重ねの方法は、
作品のために作ったアルミ治具を使用し、一層ごとに塗り重ねの厚さを
そろえ、アルミのへらで塗っています。油絵の具とステンレスの重さのため、
通常の展示方法は取れず、補助板を使った展示方法を新たに考えて壁面
へ固定しています。搬入・展示・保存まで、ひとつの方法(一連のシステム)
で実現できるよう作業性の向上を図る努力もしています。

"Painting piled up"(重ねられた絵画)と題されたこの展示は、私が取り
組んでいる絵画における「存在」と「空間」をテーマに探求したものです。
私にとって、画家の絵画への取組みは、表層として見えているものとその
内側にあるものの両方を感じるところから始まっています。この内側の
ものが因果を持ち、背後から表層へ関連を与え続けているものだと考えて
います。私が作品を鑑賞するときの見方も、どのような意図で作られ現前
しているのかということ、どのように作られ(意図され、試行され)たのか、
そしてどのようになってゆくのかということを考えてしまいます(あくまでも、
それは想像の範疇でしかないのですが…)

今回の作品ですが、例えば「White piled up I」という、白を塗り重ねたもの
や、「Orange piled up」のような様々な色彩の画面が塗り重ねられて作られ
た作品も、作品個々の持つ内的関連と、空間に展示されたときに起きる
外的関連の両方を持つように意図しています。作品のエスキースの段階で
実物大の模型を作り、数種類試作し、矩形の比率といった形状の見え方、
厚みといった量、そして空間との関係(外的関連)を検討しました。個々の
作品もそれぞれが独立した見え方がなされるように変化を与えています。

私が目指すべき絵画は、空間と緊密に響きあい、張り詰め、清浄されたもの
を作ることであり、もしそこに「存在」と「空間」の気配が感じられれば、また、
歩みを重ねていけるように思います。





中尾暢明
 京都市立芸術大学 大学院修了(1993)

 個展
  2002  CASO
  2007  CASO
  2008  CASO
  2009  CASO “Painting piled up”

 グループ展
  2003  「絵画の証」  CASO