第6回 現代日本画の試み展

 
沖谷晃司 OKITANI Koji
木下としえ KINOSHITA Toshie
関菜穂子 SEKI Nahoko
長阪奈津子 NAGASAKA Natsuko
蕚 淳子 HANAFUSA Junko
福井 悠 FUKUI Haruka
福元 章子 FUKUMOTO Shohko
山田 紗知子 YAMADA Sachiko
吉岡 佐知 YOSHIOKA Sachi
若林 静香 WAKABAYASHI Shizuka









・会期  2009年6月9日(火)〜6月14日(日)

・時間  11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)

・会場  海岸通ギャラリー・CASO A室

・作家

 沖谷晃司 OKITANI Koji
 木下としえ KINOSHITA Toshie
 関菜穂子 SEKI Nahoko
 長阪奈津子 NAGASAKA Natsuko
 蕚 淳子 HANAFUSA Junko
 福井 悠 FUKUI Haruka
 福元 章子 FUKUMOTO Shohko
 山田 紗知子 YAMADA Sachiko
 吉岡 佐知 YOSHIOKA Sachi
 若林 静香 WAKABAYASHI Shizuka


・企画 大阪アーツプランニング

最終日の6月14日(日) 午後3時よりささやかなレセプションを
行いますのでぜひご参加くださいませ。



「第6回 日本画の試み展」によせて   ― つ な ぐ こ と ―


 この文章を書くことになった日、忌野清志郎とのお別れのロックンロールショーが開かれていました。昔から彼のような
日本画家になりたいと思っていたものですから、とても感慨深いものがありました。
どうして彼がすごいのか?それは彼が物事の二面性もしくは両極にあるものを、カッコ良くあっさりつないでしまうこと。
ロックのメロディーに見事に日本語をのせたことは勿論、ロックとパンクとグラムとフォークとポップスと演歌・派手で静か・
カリスマロッカーと昼間のパパ・明るくエッチ・普通と異端・日常と非日常・わかりやすさとわかりにくさ・メジャーとマイナー・・・。

 私が、今回の「日本画の試み展」にかかわったのは、、今日の日本画界が、時代の変化の中で徐々に窮屈になり、
ニュートラルなつながりが少なくなったためか、日本画を志す若い世代の人達が閉塞感を持っている現状を何とか変えて
いきたいというおもいからです。(実は美術という世界全体についても、何か社会の大切な部分から遊離している弱さを
感じてもきました。)

 さて、ここに集まったメンバーの共通点、それは大学受験のために通った実技予備校が同じということと、日本画を描いて
いるということだけ、出身大学も年齢も所属団体や発表スタイル、社会の立場もいろいろです。とはいえ、これまでのメンバーに
は日経日本画大賞受賞者、京都日本画新展優秀賞受賞者など現在の画壇を担う若手もいれば、この機会に久々に
大作に挑むママや現役の大学院生、当然個展又は公募団体に所属し発表を重ねている人などなど、まあここまでバラバラと
なると、黙ってそれぞれの絵を見るしかない、そんな気持ちにさせられます。

 尊敬する日本画家石本正先生が、「我がイタリア」でこんなことを書かれています。

―私達は屏風絵〈文中では権威主義や既成概念のたとえ〉を描くために学んでいるのではない。
学校を卒業したあと、母親になって、そしてその子供のために描いたっていいのである。
岸田劉生は自分の娘の絵ばかり描いていたではないか、クレーだって自分の好きな小品ばかり
描いていた。ああして好きな絵を、自分自身の感動によって描くことこそが大切だし、また本当である。―

とにかく日本画に魅力を感じ描くそれぞれが、ニュートラルにつながり、それぞれのスタイルで感動を形にする、そんな出会いの
場を増やしたいと願います。
 今回の出会いの場はここ大阪のCASO、現代美術?が主流、なぜか日本画がとても弱い大阪のこの素晴らしい空間で、日本画と
大阪・日本画と現在の美術がニュートラルにつながり、今後より広く展開していければと思います。
 日本画には、たくさんの魅力があります。そしてこれからも創造されていきます。
その魅力が、清志郎の歌声のように広く社会や人々の心とつながれば、そんな「日本画の試み展」です。
              京都市立芸術大学日本画専攻准教授  小池 一範


 「日本画の試み展」は2005年にHONMACHI ART GALLERYで第1回展が開催され(以後第5回展まで)、今回で第6回展を迎える。
そもそも集まったメンバーが芸大受験の為の同じ美術予備校の出身者であることが珍しくもあり、驚きでもある。そして、その意味を
問われる展覧会でもあろう。
 彼等は特に仲良くしている10名と言うわけでもない。年齢も23歳から41歳と先輩後輩と言うには差があり過ぎる。彼等が現在置かれて
いる環境もバラバラである。共通している事と言えば「○○芸術大学日本画科」へ進学したと言う事。
 進学後、指導を受けた先生方も様々である。当初からそのような観点でこの展覧会を観て来ているが、「京都」「日本画」「大学」という
枠組みの中で、若い日本画を学んだ人たちが、どのように現代を生き、何を考え、何を教わったのか。その背景にまで及ぶ必要はなくても、
作品を読み解くキーワードにはならないだろうか?
 公募団体展に拘らず、自由に描きたいものだけを描きたい時に描く。という何とも自由人ならではの仕事振りであるが、絵画市場に
興味を注がれなくなった現在、画家が目指すものが純粋に描きたいものを抽出することに意味を見いだそうとする若い日本画家たちの
本意を感じていただければ、本展の試みがご理解いただけるのではないだろうか? 
 残念ながら、日本画の活動範囲は狭いと言わざるを得ない。「日本人の為の日本人が描いた絵画」であると私は認識しており、
世界共通のグローバリズムではない。だからこそ日本特有の絵画と位置できるのである。しかし画家たちは、その事にあまり気づかない
ものなのか、或は感心がないのか定かではないが、結局はどのように時代が進化しようと自分の歩調しか合わせるものがないように
思うのである。
 日本画の世界に限らず、社会全体に閉塞感があるからこそ、若い作家は、新たな領域を開拓しようというエネルギーが沸き出すので
あり、「日本画はこのように描くもので、このような絵が流行(売れます)です。」というものはない。
 当然、「画家たちの悩みがエネルギーとなり、もっと挑戦的でなくてはならない。」と挑発的な言葉を残して、この展覧会及び彼等の
今後の活動を応援していくつもりだ。
 最後になりましたが、京都市立芸術大学日本画専攻准教授の小池一範先生には、彼等がスケッチや構想段階で勉強会を催し、
お忙しい中にも関わらず、ご指導、ご鞭撻を頂戴しました事、彼等に変りまして感謝申し上げます。
                      大阪アーツプランニング 西野昌克








沖谷晃司 OKITANI Koji


木下としえ KINOSHITA Toshie



1971 石川県生まれ 現在京都在住
1995 青垣2001年日本画展 読売新聞社賞('03入選)
1996 第5回奨学生美術展/佐藤美術館
1997 京都市立芸術大学大学院 修了
1998 花鳥画展 大賞/松柏美術館
1999〜2000 近代の花鳥画展/大丸 (大阪・名古屋・東京・京都)
        主催/読売新聞
2004 Kansai Art Anual 絵画の姿/大阪府立現代美術センター
2007 新鋭作家選抜シリーズ展2007/HONMACHI ART GALLERY (大阪)

個展(関西、東京)多数



1971 京都府生まれ
1997 京都造形芸術大学 卒業
    京都春季創画展 春季展賞('04入選)
2002 創画展 入選('03、'04)



関菜穂子 SEKI Nahoko


長阪奈津子 NAGASAKA Natsuko


1967年 鎌倉市生まれ
1992年 京都精華大学美術学部日本画科卒業
1997〜 全国画廊にて個展
      T-BOX(東京)、ART de ART(大阪)、アトリエ美(横浜)、
      東京會舘など、計53回
      その他、松坂屋本店、池袋東武、仙台三越、神戸大丸、
      岡山高島屋など全国の百貨店でも多数個展・グループ展
公募展 京展、三渓日本画賞展、臥龍桜日本画大賞展など



1981 大阪に生まれる
2000 京都造形芸術大学入学
2003 発芽展
2004 卒業制作展
2004 京都造形芸術大学卒業
2006 現代日本画の試み展(HONMACHI ART GALLERY 大阪)
2007 現代日本画の試み展 扇面を描く(HONMACHI ART GALLERY 大阪)



蕚 淳子 HANAFUSA Junko


福井 悠 FUKUI Haruka


1983 大阪生まれ
2005 第1回 現代日本画の試み展/HONMACHI ART GALLERY (大阪)
    第1回 IMART/HONMACHI ART GALLERY
2006 第2回 IMART06 /HONMACHI ART GALLERY
2007 京都市立芸術大学  卒業
    第10回ボスと仲間達展/HONMACHI ART GALLERY
    第3回IMART07 /HONMACHI ART GALLERY
    第5回現代日本画の試み展 扇面を描く/HONMACHI ART GALLERY
2008 1日展覧会IMART-いたずら- /
      浄土真宗本願寺派佛手山壽光寺 (大阪)



1982 奈良生まれ
2006 京都市立芸術大学美術学部美術学科日本画専攻卒業
2005 現代日本画の試み展
    (2006 第三回、2007 第四回、2008 第五回、 第六回)
2008 個展/石田大成社カフェギャラリー(京都)
2009 グループ展/窓展(同時代ギャラリー)



福元 章子 FUKUMOTO Shohko


山田 紗知子 YAMADA Sachiko


1984 大阪生まれ
2008 京都市立芸術大学 卒業
    京都市立芸術大学大学院 入学
2009 京都市立芸術大学大学院 修了



1977 京都府に生まれ
2002 二人展「時間の輪郭・イッヒ リ-ベ リッヒ」/
     spacace alternative gallery(京都)
2003 第12回奨学生美術展/佐藤美術館(東京)
    京都造形芸術大学大学院研究科芸術表現専攻修士課程 卒業
2004 二人展「旅に出る日・イッヒ リ-ベ リッヒ」/
     アートライフみつはし(京都)
    「絵画の姿」/大阪現代美術センター(大阪)
2005 個展「冬の旅」/石田大成社ICB(京都)・
    個展「春」/石田大成社ICB(京都)
2007 個展[ten]/アートライフみつはし(京都)
    筍々会('08,’09)(京都文化芸術会館1F)
2009 京都日本画新展(‘09優秀賞,’10)
    京都日本画家協会選抜展/京都文化博物館(京都)



吉岡 佐知 YOSHIOKA Sachi


若林 静香 WAKABAYASHI Shizuka


1971 大阪生まれ
1995 京都市立芸術大学 卒業
    修了制作展山口賞
1996 日展入選('97, '99, '00, '02, '03, '04, '06, '08)
1997 京都市立芸術大学大学院美術研究科 修了
1999 日展春期展 入選('00, '02, '03, '05, '08, '09)
2001 青垣2001年日本画展 大賞・文部科学大臣奨励賞
2002 京展 市長賞
    全関西美術展 全関西美術展賞第二席
2004 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)過程 満期退学
     日韓美術学博士交流展/(韓国)
2005 現代日本画の試み展('06,'07,'09)/HONMACHI ART GALLERY(大阪)
2006 コトノハ展 ('10)/石田大成社ホール(京都)
2007 個展/ギャルリー正観堂(京都)
    個展/石田大成社ICB(京都)
    re-concentration展/石田大成社ホール(京都)
2008 個展/石田大成社ホール(京都)
    京都日本画新展('09)/美術館えきKYOTO(京都)



1980 京都市に生まれる
2004 創画展( '05, '06, '08, '09)
2005 個展(京都市立芸術大学内)
    春季創画展('07, '08, '09)
2006 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
2007 上野の森美術館大賞展('08)
2008 個展(画廊後素堂 京都)
    個展(石田大成社カフェブランチ 京都)
2009 第1回京都日本画新展