やるべきでないことはやらない
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コーチングは行動をうながすコミュニケーションです。

よくビジネス書を読むと、

「何もチャレンジせず、失敗しなかったのが最大の失敗だ。行動あるのみだ」

という論調が目立ちます。確かにその通りですが、そう簡単に割り切れたものではありません。世の中「屋移り貧乏」という言葉もあるのです。じっとしておればよいものを、あちこちさまよった挙句、より悪いものに落ち着く、という例もこれまた枚挙にいとまがないことでしょう。

会社の経営などというものは、大局を見誤らなければ割りとスタティック(静的)なものだと私は理解しています。下手を打てば、バタバタと忙しいばかりで、結局最後に何も残りません。「骨折り損のくたびれ儲け」となります。たとえば、誤った事業に参入して撤退したのであれば、結局何も残りません。その間の血のにじむような努力は無かったのと同じです。私も経験ありますが、そうした虚脱感は結構こたえます。

大局を見誤らず、やるべきでないことはやらない

というのも、大切なポイントです。何でもやればいいというものではありません。コーチングするにしても、このあたり心すべきです。闇雲に行動をうながしたからといって、成功したコーチングとは一概に言えません。それどころか、止めるべきことは止めさせることが正しいコーチングなのです。

ポジティブ・シンキング
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あるクライアントさんとポジティブ・シンキングの話になりました。その方は、

「自分がこんな失敗をするのはポジティブ・シンキングが足りないのではないだろうか」

と言われるのです。私も昔は、このクライアントさんのようにポジティブ・シンキングを誤解していました。しかし、こうした考え方は実はポジティブ・シンキングではないのです。本当のポジティブ・シンキングは、うまく行かなかったことを将来振り返ったときに、

「ああ、あそこでうまくいかなかったことが、結局一番よかったのだな」

と思えると信じて、うまくいかなくてもベストを尽くすということなのだと思います。

だいたい、ふだんから気張って強気一点張りで事に当たっても、結果は全く予想不可能です。まず、思うようになりません。その都度いちいち自分を責め裁いてみても、百害あって一利なしです。

ポイントは最後には勝利することを信じて、

失意泰然

つまり、うまく行かなくても心を顛倒させないことです。これこそポジティブ・シンキングだと思うのです。

上司に対するリーダーシップ



リーダーシップとは管理職の部下に対する指導力とのみ捉えられることが社会の通例です。しかし、部下に対する指導力はリーダーシップの一部に過ぎません。リーダーシップの他の側面は、

@上司とうまく折衝して自分ならびに自分の部署の引き立てを受けること

A他部署とうまく折衝して、自部署の権益を守りつつ、組織全体に貢献すること


が上げられます。とくに中間管理職が上司とうまく折衝して引き立てを受けることは、リーダーの器量のなかでは、大きな位置を占めます。

ビジネス・コーチングの本を見ると、事例は決まって、「上司=コーチ、部下=クライアント」の図式で書かれています。しかし、実際はもっと複雑で、よくわかってない上司に、部下の中間管理職が報告のかたわら、コーチングもどきの説得に訴えるケースもずいぶん多いものと思われます。

さて、上司と向き合うのも、基本的には部下と向き合うのと同じです。加点主義を取って期待感を捨てる必要があるのです。

上司なる存在は、まず扱いにくいと考えるべきです。なるほど、理解のある上司もいないことはありませんが、個性のきついガリガリ亡者みたいな人が結構多いものです。

妖怪が背広を着て歩いている、くらいに考えておくほうがいいでしょう。通常実力的に上ですから、生半可なことでは太刀打ちできる相手ではありません。それに「殿様扱い」を要求する傾向があります。

こんな相手に対して、「上司はこうあるべきだ」という期待感で接すれば、うまくいかないのは明らかです。期待感の減点主義で接すれば、

「なんてひどいことを言うんだ」
「なんて自分勝手なんだ」
「なんていい加減なんだ」

と腹を立てて失望するばかりです。面従腹背の態度でいると、絶対に顔に出ますし、オーラとして伝わります。上司も人間ですので、部下がそういう態度では、あえて引き立てたり、重用しようと思わないのは当たり前です。その結果、割を食うのは部下のほうです。

しかし、ゼロベースの加点主義で、迎え撃てば心穏やかです。つまり、

「あれはああした人なんだ」

という諦観からすべてを受け止められます。そうすればこちらから批判のオーラというのが出ないわけです。そういう好意的な部下や、少なくとも敵意の感じられない部下に対しては、上司も引き立てて、使っていこうと思うことになります。

リーダーシップというのは、上司に対するリーダーシップでもあるわけですが、加点主義で行くべきなのは部下の場合とまったく同じなのです。

部下とはうまく行くが、上司とはうまく行かないという中間管理職がいます。私も昔はこのタイプでした。その理由は部下に対して期待感を放棄できても、上司に対して期待感を放棄できないのが原因であるわけです。

上京しました
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毎日書いているブログの文面をつなぎ合わせると何がしかの出版企画はできるものです。今回もまた出版塾の畑田さんのお世話になり、企画書を某出版社に提出したところ、面談したいとのこと。

出版業界の通例として、企画を採用するかどうかは面談の上決めるのです。本1冊出すのに出版社は200万円近くの投資になります。ですから当然の要求なのはわかります。しかし出版社は圧倒的に東京(とくに神保町あたり)に集中しています。

地方在住だと、採用されるかどうかもわからないのにいちいち上京しなければならないので、負担も大変です。私は大阪市内在住ですが、こと出版に関する限り、地方在住者なのです。

どうやったら、安く上京できるか、考えてみたところ、名古屋出張のついでに回るのが、一番経費を切り詰められそうです。名古屋から夜行バスに乗ることにしました。夜行バスだとホテル代不要です(笑)ちなみに名古屋・東京間はレギュラータイプで3900円、寝台タイプで5400円でした。ちょっと贅沢をして寝台タイプにしました。

こんなのに乗ったりすると、朝シャワーを浴びたりできないので、名古屋駅近辺で銭湯に入ることにしました。探すのはネットですぐです。銭湯なんぞ20年ぶりで入りましたよ。

寝台タイプといっても、座席シートの傾きがやや大きくて、毛布がついているだけです。社内にトイレはついておらず、夜中に3度ほどサービス・エリアでトイレ休憩するのです。乗ってみてわかったのですが、夜行バスの乗客はディズニー・ランドへ行く人たちばかりで、途中停車した東京駅に降り立ったのは私ぐらいでした。東京駅到着は朝5時過ぎでした。寝台タイプは比較的疲れは残りませんが、やっぱり若者向きです。今後そう乗ることもないでしょう。

さすがの東京も朝5時ではどこも開いてません。出版社は赤坂の国会議事堂近くです。だいぶ時間がありますが、とりあえず現地に向かうことにしました。地下鉄「国会議事堂前」で下車、首相官邸前を通りましたが、さすがに警備がすごい。



交差点で信号待ちをしていると、警備の警官から、

「早いですね。なにかお探しですか」

と声をかけられました。朝早くから何の用だと思ったのかもしれません(笑)

赤坂にはANAインターコンチネンタルホテル東京という超豪華ホテルがあり、ここのロビーで時間をつぶすことにしました。夜行バスで来て、堂々とこんなところに入る。これぞドケチの関西人の心意気。一息ついたところで、裏のアーク・ヒルズやサントリー・ホールあたりを散策しました。サントリー・ホールは残念ながら改修中でした。

面談は何とか無事終わり、帰り際に国会議事堂を歩いて一周することにしました。大層な人ですし、大層な警備です。さすがお江戸は違う。

帰りはさすがに新幹線で直帰しましたが、もちろん駅前の金券ショップで割引チケットを買い求めたのは言うまでもありません。

この記事を書いている現時点では、出版企画が採用されるかどうかわかりませんが、採用されなくてもいろいろ思い出は残ったし、ま、仕方がないか、と思うことにします。

おっしゃってることに共感できないですね
791



インターネットでコーチングのサイトを開いていると、いろいろな方が連絡を取ってこられます。もちろん「変な人」もいます。だいたい嗅覚が働きますので、変な人は水際で食い止めるため、実際の体験セッションに行くことは少ないです。しかし、実際話してみるまではわからない、といったケースもあります。

先日連絡を取ってきた人は、話を実際に聴いてみたところ、職場の人間関係をかなりめちゃくちゃにしていることがわかりました。あ〜、こんなややこしい人は、自分が上司だったら辞めてもらうだろうな、と思った次第です。

「私が今の職場にとどまるにはどうすればよろしいでしょうか」

と言うので、

「それは、ご自身で考えられることでしょう。失礼ですが、おっしゃってることに共感できません。申し訳ないですが、これでセッションは終わらせてください」

こちらは話を聞いていてムカムカと腹が立ってくる、そうした状態で、続行は不可能です。自分で人間関係をめちゃくちゃにしておきながら、赤の他人にどうしたらよろしいか、はないでしょう。きついようだが、仕方がありません。
800 米国人と加点主義
799 加点主義こそ家族円満の秘訣
798 何で検索しても
797 雑談して終わり
796 コーチングを信じる

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795 やるべきでないことはやらない
794 ポジティブ・シンキング
793 上司に対するリーダーシップ
792 上京しました
791 おっしゃってることに共感できないですね
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790 聞き方
789 空気の読めない人
788 減点主義と加点主義
787 下手な考え休むに似たり
786 志なくしてコーチングなし

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785 口先だけの承認では絶対部下を欺けない
784 ゼロ・ベース評価は上司・目上にも有効
783 身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ
782 コミュニケーションは言葉だけにあらず
781 承認はゼロベース評価

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780 文頭で批判しても、文末で承認する
779 うだうだと人と関わること
778 NLPに対する私見
777 無為にして化す上司
776 究極の自己承認の言葉

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775 視界狭窄
774 結局コミュニケーションの問題
773 強い心
772 目指すのは9勝1敗
771 格好をつけない

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770 えらいことになってしまった
769 ガチャガチャ感
768 手柄を相手に譲る
767 内なる自分の承認がもらえるならそれでいいじゃないか
766 感謝は承認である

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765 漫才の傾聴
764 連続のドタキャン
763 女性は30〜40代が旬
762 ブログはコーチの条件
761 承認によって元気をもらう場

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760 行動力、ある人ない人
759 日経経営セミナーは無事終了
758 屋号
757 歩なし将棋は負け将棋
756 我流もまたよし

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755 面の考え方
754 セミナー・インデックス
753 SEO起業塾
752 所変われば品変わる
751 鬱を通告するセッション


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