承認は元気の源泉
820



誰でも内面に自我という人格を持っていますが、そのほかに真我という人格もあります。人間の神性の部分で、宇宙・摂理につながった部分です。いわゆる自問自答とは、自我と真我が間断なく対話を繰り返すプロセスと言っていいでしょう。真我との対話が人生の本質なのです。

真我の判断は常に終始一貫するものであって、昨日けなしたことを今日ほめるということはないのです。常に善は善であり、常に悪は悪です。真我の導きに従うならば迷うということはないのです。どんな逆境にいても、どんなに失敗と見える境遇にいても、真我は、もし自分が理想を生き、正義を貫き、最善を尽くしたならば、必ず内より「おまえは勝利者である。偉大なる者である。よく頑張った」と承認してくれるものです。これが自己承認です。

自己承認ができるということは、宇宙霊と緊密につながって力を受け取るということです。ですから、私たちはこの魂の内なる信頼をけっして裏切ってはならないわけです。

さて、他人を承認するとはどういうことでしょうか。他人の「真我 → 自我」という自己承認に加勢することです。その結果、他人はより強く宇宙霊とつながってパワーをもらう。だから元気百倍となるわけです。

しかも、これで終わりではありません。元気百倍となった相手は承認を返してくれますから、こちらも元気百倍となる余慶があるのです。

クライアントのH医師は患者さんの承認が大変お上手です。患者さんはH先生の承認で元気になりますが、感激した患者さんはH先生に承認を返してきます。その結果H先生も診察するにしたがってどんどんハイになっていき、終日診察しても疲れないそうです。H先生は診察中に承認し、承認されることを通して宇宙霊からの力を受け取っている、というわけです。

少子化社会は意識的なコミュニケーションが不可欠
819



現在の若者はひ弱だとよく言われます。太古からいつの時代も老人は若者を批判するものですから、その点は割り引いて考える必要がありますが、ひ弱に育つ客観的な理由はあります。それは少子化です。

昔はたくさんの兄弟に揉まれて育ったため、たしかに子供はたくましかったと思います。子供は近所の友だちとで日が暮れるまで遊んでいて、ちょうど鶏を放し飼いしているような感じがありました。たとえば、私は小学一年生のころ、結構離れた眼科まで、ひとりで医者通いをしていましたし、当時はそれで当たり前でした。

今なら少子化で、子供は大切に扱われ、ひとりで医者通いなどもってのほかでしょう。過保護の傾向は絶対にありますし、揉まれる兄弟や近所の友だちも少ないわけです。遊び方も室内でゲームをする、というのが主流です。つまり、子供も孤立しがちなのです。

その結果、今は昔とちがって家族間で意識的にコミュニケーションを取るように心がけないと、精神的におかしな子供に育つ、と言っても過言ではない状況になってきています。若年層の引きこもりの増加、ニート人口の増加はそれを物語っています。

たとえれば、昔は自然食品ばかりしか食べなかったので虫歯は少なかったが、今は砂糖をふんだんに摂取し、人工的な食品を多く食べるため、意識的に歯のケアをしないと虫歯だらけになる、という状況に似ています。歯は成り行きに任せていたのではダメで、意識的にケアをしなければならない時代になっているわけです。

これと同じように、今は家族でコミュニケーションを意識的に取らなければ、子供がおかしくなる時代なのです。しかし、コミュニケーションは歯磨きみたいなもの、という認識は世間にはずいぶん希薄です。

少子化社会は人間がデリケートになり、その分だけコミュニケーションでケアしなければならないのです。「今の若者は」的発言に及んでいる多くの人が、そこのところをわかっていないと感じます。マスコミもそういった肝心なポイントを伝えていないようです。

コミュニケーションでケアしなければならない時代
818



少子化社会は人間がデリケートになり、その分だけコミュニケーションでケアしなければならなくなってきています。その結果、職場でも昔流の「黙ってついてこい」式のやり方では今日の若い世代はとても育てられません。十分コミュニケーションを取る必要があります。当然、外的コントロールは排し、承認も適切に行なわれなくてはなりません。

そして今やっている仕事の意義を十分に説明し、将来の展望を示してやらなければならないわけです。

「君の今やっている仕事は、会社全体から見たら、こういう役割を担っているんだ。大切なやりがいのある仕事なんだよ」

「君の役割はこうでね、こういう仕事をしていくんだ。これを1年か2年やったら、次はこんな仕事があるからね。見たところ、君にはこういう長所があるみたいだし、将来性があると思うから2年間、これを辛抱しなさいね」

「部下は、上司や目上に対してこういう態度で接しなければいけないよ。来年は君にも後輩ができるはずだ。そのときのためにも今、部下の育て方を勉強しなければいけないよ」

「重要なポジションの人間は製造部門と営業部門、両方の仕事を把握してなければいけないんだ。それにはだいたい10年ぐらいはかかるよ。ウチも会社が大きいわけではないから、君のような優秀な人だったら、上の方に行けるよ」

そのように、コミュニケーションをふんだんにとって、夢と希望を与えつづける必要があります。それをやらなかったら、

「何のためにこんな会社にいるんだろうか、何のためにやっているのだろうか、こんな会社にいたって将来がないじゃないか」

「何で忍耐しなければいけないんだ。こんな仕事に何の意味があるんだろうか」

と、仕事に対する興味とか意義を見出せなってしまうのです。そして意欲を失って、すぐに辞めてしまいます。なぜこんなことをやらなければいけないのか、その意味がわからない。興味が湧いてこない、将来性がないと思いこむ、こうした理由で辞めていくわけです。

だから、「黙ってついてこい」とか「おれの言う通りにやればいいんだ」というのは、もはや絶対に通用しません。人間が相対的にデリケートになった分、コミュニケーションでケアしなければならないのです。

しかし、そういう側面はあっても、私はそれが人類の進歩だと思います。粗雑さがなくなって、よりデリケートに、より精緻に、というのが進化の証拠ではないでしょうか。裸足で裸の原住民はタフそのものです。一方で靴を履いて衣服を着た文明人はデリケートで、靴や衣服なしにはやっていけませんが、その分進化もしている、ということです。

いかにオープン・クェスチョンに慣れてもらうか
817



私のコーチング・セミナーでは、受講者2名に前に出てきてコーチングをしてもらいます。他の受講者が見ている前で、私が助け舟を出したり、講評したりするわけです。これを結構執拗に何組も繰り返します。これをやらないで、2人一組で全員でコーチングするワークをしても、一見サマになっているようで、実は単に雑談しているだけの結果になるからです。

さて、はじめての人がコーチングのワークをした時に一番良くおちいるパターンは、オープン・クェスチョンができず、答もどきのことを言って、それに同意を求めてしまうパターンです。

たとえば職場の連絡が不徹底だ、という問題があったとします。正しくは、

「職場の連絡をよくするために、たとえばどんなやり方が考えられますか」

とオープン・クェスチョンで尋ねることです。それをこんなふうに質問してしまうわけです:

「じゃ、職場で掲示板とかを使う必要があるわけですね」

「はい」

「ほかにどうしますか」

「・・・・・・」

(質問者はこの後へどもどして、助け舟を欲しそうに私を注視されます^^)

こんなのは自分で答えもどきのことを言うことによって、自分で自分の首を締めているわけです。

結局、コーチングの研修では、受講者にいかにオープン・クェスチョンに慣れてもらうかがポイントのように思います。

バランス・シート経営
816



過日の異業種交流会で「バランス・シート経営」という話を聞きました。

P/Lは単年度の損益管理です。私個人は正直なところ、財務諸表に関しては、経常利益が赤字か黒字か、売り上げに対する経常利益率は何パーセントくらいか、くらいしか見ていなかったわけです。

最近こそ景気が良くて忙しいですが、バブル崩壊後の10年という間、どの年もなんとか単年度黒字を出すのに汲々としていました。単年度黒字でないと、銀行が金利を上げたり、貸し渋り、貸しはがしがある、と聞いていましたので、バランス・シートにまで注意を払っていたか、というと怪しいものです。せいぜいが、売り上げが途絶えたときに手持ちの資産でどの程度食い継いでいけるのかな?といった理解でした。

実は肝心なのは経常利益から、税金を納めた後の税引き後利益なのだそうです。それがB/S(貸借対照表)の自己資本として蓄積されていくからです。

「会社経営とは強いB/Sをつくること」(キャノンの御手洗社長の談)ですが、その心は

・B/Sを改善するのは、税引き後利益の確保であるが、税引き後利益が確保できる、ということはその企業がきっちり税金を納付している証拠で、社会貢献も十分であることを意味する。

・B/Sが改善すると、他からの投資が期待でき、その結果レバレッジ(梃子の原理)が働いて、社業をますます発展させることができる。


のだそうです。P/Lが税金の川を渡ったら、B/Sに変わるのだよ、B/Sこそ長年のP/Lの積み重なったもので、会社経営の本質なんだよ、と教えていただきました。そうだったのか、ようやく理解できたな、という気持ちです。

バランス・シートが自在に読めて、企業の利益の仕組みを構築する提案ができれば、中小企業診断士(コンサルタント)業務ができるわけですね。企業経営に長らく身を置いてきた自分としては、コーチの延長上でこういった分野に取り組めるな、と同時に気付いた次第です。
850 スキルではなく意欲に働きかけるのがコーチング
849 まず相手の現状を肯定しよう
848 受身の練習
847 承認の共鳴
846 記憶力の減退

*
845 子供が泣いて連絡が取れない?
844 方便をでっちあげる
843 聴衆1000名
842 心臓を鍛える
841 とりあえず承認しておこう

*
840 コーチングも選択肢のひとつ
839 役回り
838 加点主義・原点主義が人生の分かれ道
837 関係改善のやり方はある
836 意欲があるかないか

*
835 ライフワークはわからなければぜいたく品
834 まず、変な人に辞めてもらう
833 説得がうまい人
832 国会討論というけれど
831 絶対相手を承認してはいけないコミュニケーション

*
830 真我の発動
829 不親切なようでも
828 批判せずに相談しよう
827 単純化
826 存在感の出し方

*
825 チャレンジを続けるところに自己承認はある
824 指摘と批判は紙一重
823 加点主義とあげまん
822 自分をゆるす
821 他人をゆるす

*
820 承認は元気の源泉
819 少子化社会は意識的なコミュニケーションが不可欠
818 コミュニケーションでケアしなければならない時代
817 いかにオープン・クェスチョンに慣れてもらうか
816 バランス・シート経営
*
815 氷室の日(7月1日)
814 日常の繰り返しを破る
813 凪
812 「いざとなったら」、このポイントを押さえよう
811 苦手な歯科

*
810 心の法則の誤解
809 夢は他言しない
808 まともな人だけ相手にする
807 逆境に勝る師なし
806 癒しの傾聴はやらない

*
805 武豊町
804 自己実現の陥穽
803 承認は自我を育てる
802 人間相手は加点主義しかありえない
801 外的コントロールは減点主義だから古い


*** コーチングを受けてみませんか
*** コーチングとは(私見)
*** 社会人のためのカウンセリング
*** カウンセリングとコーチング
*** ビジネス・コーチング入門
*** ライフワーク・コーチングの奨め
*** オーケストラ再生のオーディオ
*** オーケストラ録音を聴く
001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
All copyrights reserved 2007 Yoshiaki Sugimoto