中村天風を読んでもらう
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現在あるクライアントさんに中村天風の『運命を拓く』を読んでいただいてます。こういった本は1回や2回通読して頭でわかっただけではダメです。何百回と精読して潜在意識に落とし込む必要があります、・・・と言っておいたのですが、前回のセッションとクライアントさんの声の明るさが全然違う。それはセッション冒頭からはっきり感じました。

セッションでは読んだ内容を踏まえて、クライアントさんの問題に向き合うのです。私もこの本は何度となく読んでいて、今でも折に触れて開いているので話は速いです。こんなことが書いてあったでしょう、それはね・・・という話ができるわけです。

コーチングで目標達成だけを言っていてもダメ、とかねてからの私の主張です。ことと次第によっては、天風さんが遺した本を通じて天風さんに働いていただくのが最善のやり方だと思うのです。

ファイナンシャル・リテラシー
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手持ちのお金を年7.2パーセントで運用すれば、10年後に2倍になります。7.2パーセントというのは、なかなか優秀な資産運用と言っていいでしょう。

つまり500万円の現金は10年後には1000万、20年後には2000万、そして30年後には4000万、40年後には8000万です。

金持ちほど複利の力、つまり30年後・40年後に加速度がつくのを理解しているのだそうです。

ところが貧乏人ほど10年後の1000万で満足してしまうのだそうです。つまり、自分へのご褒美と称して、この1000万を使ってしまう。20年後に2000万になることには思い至らないのです。しかし、1000万貯めたのならずいぶんマシだとも言えます。最初の500万が「自分へのご褒美」で貯まらない、という人も世間に多いのです。

コーチングでも単に目標達成だけ言っててもダメだと思います。ファイナンシャル・リテラシー(経済感覚)がない人も世間にいるからです。こういう相手のちょっとした啓蒙活動もできるに越したことはありません。その意味で、コーチにもFPの心得は要るというのが私の最近の思いです。

もっともクライアントがそうした企てを僭越だと退けるケースも十分ありうると思いますので、それとなく伝えていくといった工夫は必要でしょう。

その手は食わない
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今回の信用不安による株式市場の暴落の後、現在わりと順調に株式が上がって来ています。それと連動して投信の価格も上がっています。

そうしたなかで、急に証券会社の担当から電話が入り、訪問したいとのこと。この担当者は入社3年目の若者です。なかなか頭の良さそうな感じのいい人です。

・ひとしきり今回の状況を説明した。
・暴落は金融商品を安く買うチャンスだと水を向けてきた。ここのところ買い注文が多いとのこと。
・私の手持ちの国債を切り崩して、新しい投信を買いませんかと持ちかけてきた。

残念ながら、その手は食いません。今回暴落しても余裕があったのはちゃんと預貯金もあったからです。そんな危険なことができるわけがない。笑ってやりすごしました。

結局、
・証券会社とは、ノルマがあってそれを達成するという力学がある。
・だから新しい金融商品をつくってはすすめてくる。
・金融商品はリスクが高くても派手に儲かる商品でないと、お客が振り向かない。定期預金に毛の生えた程度ではお客が納得しないのだ。だから派手に儲かる商品をつくって運用手数料を稼ごうとするものだ。

証券会社はそういう存在であり、そこに善悪はないのです。私のライフ・スタイルには合いませんが。

世の中には2通りの人種がいるようです。つまり株式市場と関係ある人とない人です。これは資産の多寡を問いません。私はいままで株式市場と関係ない人でした。今回の信用不安で、一応知識として知っていたことを実際に体験することになり、いろいろ合点がいきました。

パーソナル・コーチングをやっていくにあたっても、もちろん株式市場と関係ある人と当たることもあるわけですから、この程度の体験はあったほうがいいのだろう、と思っています。

ファイナンシャル・プランナー
862



今回の信用不安による株式市場の暴落は私が資産運用を始めて以来、はじめての経験でした。これは適当にやってても勝ち目はないな、と思ったので、本を読んだり、ウェブサイトを見たりして情報の入手に努めました。

結局、多くのFPやブログが主張するところは、素人はインデックス・ファンドに積み立て投資せよ、ということです。素人にどの株式がいいとか、どの投信がいいとかわかりっこないのです。仮にわかったとしても、結果もまるで保証されていません。私はインデックス・ファンドという言葉は今回知ったのですが、要は株式市場全体に投資するファンドです。ファンド価格が株価インデックスに連動するのでインデックス・ファンドと呼ばれるのです。

株式市場は上下を繰り返しながらも、ジリジリと成長していくのです。それが資本主義というものだからです。必ず長い目でみたら上昇傾向にあるので、コツコツと買って、決して売らない。はじめはじわじわとしか増えないが、年数が経つほど複利のうまみが出る。ハイリターン商品で儲かることもあるが損をすることもある、というやり方よりはこちらが投資の王道だ、というものです。

今回思い切って、この趣旨で本を書いておられる若手FPの方にライフプラン作成をお願いすることにしました。この方の事務所は東京なのでスカイプで話をしました。

初回は30分で終了しました。こちらは事前に当方の状況を整理したものをメールで送っておいたため、多くを語る必要がなかったからです。このあたりは日頃コーチングで慣れており、手際はいいです。

初回はおおまかな方針しか示してもらえない仕組みになっていて、後日調査フォームをこちらで記入、提出することになっています。ライフプランとポートフォリオはそれからの作成となります。

さて、はじめてFPと話した感想ですが、結構クールな話し方をする人で、アナライザーを感じました。職業柄無理からぬところでしょう。とくにコーチング的なアイスブレークとか承認を訓練されている感じはなかったです。

あと相談対象が、資産運用に限定されており、それ以上に立ち入らない、立ち入れないという限界も感じました。その意味ではパーソナル・コーチングのほうが面白いと思います。

いずれにせよFPとコーチングは業務形態が親戚みたいなものです。今回は相談しましたが、今後は私自身が簡単な相談くらいは乗れるようになりたいものです。

サブプライムローン
861



2006年から、金利は上げ基調に向かっているとは言え、世界の株価は07年7月はほぼ史上最高値でした。株も企業収益も、絶好に思われていました。市場は南海の空のように晴れ、天空は突き抜ける群青だった。灰色の雲は、サブプライムローンでした。

米国の住宅ローン問題は、欧米の資金市場で信用危機を起こし、10日間で、世界の株の暴落のため、300兆円〜500兆円が失われる事態に発展しました。

今、世界の金融とファンドは、台風に合ったように混乱しています。

(中略)

日本株(東証一部)の時価総額は、575兆円から、現在(8月18日)は480兆円です。

1週間で17%も暴落し、95兆円(国民1人当たり73万円)の金融資産の含みが失われています。
レバレッジを使う外為取引(FX)では、急激な円高のため、破産した人も多いかもしれません。

吉田繁治氏のメルマガ『ビジネス知識源』2007年8月21日号より抜粋


今回の信用不安(credit crunch)には多くの人が呆然としているのではないでしょうか。95兆円が雲散霧消したわけですから。

以前、住宅ローンを抱えていたころは余剰資金はすべて繰り上げ返済に回していたため、こんなニュースを見ても「ふ〜ん」で終わったでしょう。

しかし、今は多少なりとも資産運用に首を突っ込んでますので、この話は当然他人事ではありません。私個人にとっても、確かに含み益が一挙にゼロになり、それどころか大きく含み損が出る始末です。

いろいろな想いが去来しています。

・住宅ローンを抱えていたころは脳天気なものだった。完済したらしたで新たな問題が出るのだな。
・ようやく株式相場のニュースを我が事としてとらえられるようになったのは進歩というべきか。
・これまで株式相場なんか他人事だったが、これをきっかけにもっと勉強しなければ。


ポイントは含み益が出ていたころは、同じく脳天気なままでした。その意味では、人間こけないと成長できないのだなと痛感します。受難礼賛では決してないのですが、精神的なことも技術的なことも含めて、私自身もこの機会に十分『汗をかいておく』べきだと思っています。

コーチングの多くのクライアントさんたちも、挫折をバネに成長されてます。それにお付き合いしている私も、こうした出来事を通じて自分を磨いていくべきだと思っています。
900 タイプ分け
899 アンチ原理主義
898 他の手法と組み合わせる
897 批判する相手とのコミュニケーション
896 攻勢のアサーティブネス

*
895 2人、3人の上司
894 やれるところまで
893 今後オススメするとしたら絶対OFFICE LIVE
892 一旦引け
891 とりあえずコアの2割だけ即片付ける

*
890 資産運用はすこし勉強すれば事足りる、是非勉強すべきだ
889 友人が鬱でなんとかしてあげたい
888 内視鏡検査
887 マットを敷き詰める
886 気高く生きる権利

*
885 過去の自分が引き起こした問題
884 赤信号をぶっ飛ばすような、反則コミュニケーション
883 主人に代わります
882 自分はふだん「箱」に入っているのだろうか
881 遠慮しないで、関わろう

*
880 いついかなる相手に対してもアサーティブであれ
879 社保庁サイト
878 手を上げた人を鞭打つ発言をする人
877 インデックス・ファンドの積立投資
876 雑用もやります

*
875 副官の選定
874 批判的だが、批判する立場にはない
873 自分で自分が許せるのかどうなのか
872 山道の木
871 真夏の通り抜け

*
870 迎えず送らず
869 日経経営セミナーに3度目の登場
868 状況が変わってもやっぱりインターネット
867 「解説する」が「話すべきではないことは話さない」
866 ファイナンシャル・プランナーの相談は足が長い

*
865 中村天風を読んでもらう
864 ファイナンシャル・リテラシー
863 その手は食わない
862 ファイナンシャル・プランナー
861 サブプライムローン
*
860 5つの仕事があれば
859 イヤな相手の対処法
858 タフ・ネゴシエーター
857 コーチングが一皮剥ける時
856 志のない相手は時間の無駄

*
855 承認で切り返す
854 それはちょっと難しいんじゃないでしょうか
853 コーチングの影の部分
852 聴衆の反応
851 独立したら生活していけませんね


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*** コーチングは自己承認から
*** オーケストラ再生のオーディオ
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001〜050 051〜100 101〜150 151〜200 201〜250
251〜300 301〜350 351〜400 401〜450 451〜500
501〜550 551〜600 601〜650 651〜700 701〜750
751〜800 801〜850 851〜900 901〜950 951〜999
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