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小さな一歩を踏み出そう

たとえ目に見えないほどの小さな一歩でも、それが願望に向かって正しく踏み出されたものなら、動きにはずみがつき、もはやそれを止めることはできません。達成までに何年もかかるような願望を一度にいくつも実行しようとすると、考えているだけで疲れてしまい、とても実行不可能だとあきらめてしまうかもしれません。

そんな時、今すぐできる小さな行動は何か、と考えて実行してみるのです。そうすれば、結果がすぐに現れて達成感が得られ、努力を続ける気力が出てきます。長い間夢見るだけだったことが、現実になってきます。「小さな一歩」は今のあなたが楽に実行できる範囲の行動にかぎります。「小さな一歩」の考え方にしたがうと、言い訳ができなくなります。

自分のしたいことをせずにしたくないことばかりしている理由としてよく聞くものに、次のような言い訳があります。
  • 時間がない。
  • 疲れている。
  • お金がない。
  • 家族が許してくれない。
  • 会社が許してくれない。
  • そんなことをしたら、仕事を辞めさせられる。
  • そんなことはここではできない。今まで誰もした人はいない。
  • どこから手をつけたらよいかわからない。
  • 他にやるとがたくさんあって、できない。
  • 仕事があるから。
  • そのうちやる。チャンスに恵まれたらやる。
  • そんなことはできない運命なんだ。
  • それだけの才能がない。
これらはすべて言い訳です。

死の床にあった父が私のことを心配して、「言い訳の人生は送るな」と助言してくれました。そのときの私には、父の言葉の本当の意味がわかりませんでした。父にそう言うと「説明しなきゃわからんようじゃ、今のおまえにはまだわからんかもな。でもそのうちわかるだろう」と言われました。

今頃になって、やっと父の言葉の意味が理解できました。まさに父の言う通りでした。私は自分の問題を言い訳にして、やりたいことをやっていませんでした。以前の私と同じように、ほとんどの人が言い訳の人生を送っています。父が言いたかったのは

「人生に問題はつきものだ。問題をなくす努力をすることは大切なことだが、問題が全部なくなることはない。だから、問題を解決してから自分の生きたいように生きようと考えていても、そんな日は永遠にやってこない。それよりも問題や障害物があろうが、自分の生きたいように生きるという態度(決意)が必要なのだ。問題があることを言い訳にして、やりたいことをしないまま生きるようなことをするな」

ということです。

絶望を正当化するために人は言い訳をします。「がんじがらめの人生だ。とても自分の好きなことなどできない」という悲観の声に対して私は反論します。「いや、できる。『小さな一歩』という考え方を使えばできる。小さな一歩を踏み出し、また小さな一歩を踏み出す。それを繰り返してゆけば、必ず自由になれる」

52歳の男性、ハワードが1972年に私のところに来ました。彼は航空機メーカーのボーイング社に長年エンジニアとして勤めたのですが、最近その職を失ったばかりでした。心からやりたいのはどんなことか、と彼に尋ねると、

「飛行機の操縦を習うのが昔からの夢でした」

という返事でした。

「じゃ、なぜ習わないんですか」

「私はもう52歳です。今からじゃ遅すぎます。免許を取るお金もないし、年もとってます。何よりも家内が反対します。事故を起こすのではないかと心配するんです」

「いつ頃から飛行機の操縦を習いたいと思っていたのですか?」

「子どもの頃から軽飛行機が大好きでした。飛行機を見ているだけで嬉しくなります。その上操縦できたとしたら、本当に、本当に幸せですよ」

「そんなに好きなのに、習ったことがないんですか。ぐずぐずと延ばし延ばししてきたのですか。40年も!習えない言い訳を40年も!」

ハワードはうなだれて闘う前から敗北者の表情をしていました。

「操縦を習うのにいくらかかるかしっていますか?」

と私は尋ねました。

「いいえ、調べていません」

「10セントです」

「まさか!冗談でしょう」

と彼は大声で言いました。

「その10セントで、最初の小さな一歩を踏み出すんです」

と私は言い、それから電話機を指さして、

「あそこの公衆電話からクリフ・マーフィー飛行学校に電話してみなさい。電話帳に載っていますから。そしてクリフを呼び出してもらって、あなたがどれほど飛行機が好きなのか、思う存分話してみなさい」

と言ったのです。

ハワードは私の言う通りに電話し、クリフを呼び出してもらうと、自分が小さなころから飛行機が大好きだったことを話しました。10分も話したころでしょうか、クリフがハワードに飛行場まで来るように誘いました。

クリフはハワードの飛行機に対する情熱が気に入って、

「お金のことは今は心配しなくてもかまいません。試しにちょっと乗ってみませんか」

と申し出ました。

6ヵ月後、ハワードはひとりで飛行機を操縦できるようになっていました。授業料は、ハワードの再就職先が見つかってから分割払いをするという約束ができていました。ハワードはやりたいことを先に延ばさなくてすんだのです。その後で、ハワードは無事飛行場で仕事を見つけ、クリフに借りを返しました。

ハワードが夢を実現するのに必要だったのはたったの10セントでした。最初の小さな一歩を踏み出したら、あとは勝手に道が開けていったのです。

「小さな一歩」を踏み出すには次の要素が必要です。
  • 方向    自分が体験したいこと。
  • 小さな一歩 最初の行動。
  • いつ    いつ行動するか。
  • どこ    どこで行動するか。
  • 所要時間  どのくらい時間がかかるか。
  • 費用    どのくらい費用がかかるか。
  • 誰と    誰かといっしょにする必要があるかどうか。
飛行機の操縦が習いたい場合にはたとえば次のようになります。
  • 方向    飛行機の操縦を習う。
  • 小さな一歩 マーフィ飛行学校の入学案内書を入手する。
  • いつ    来週の月曜日。
  • どこ    飛行場。
  • 所要時間  45分。
  • 費用    飛行場までの往復のガソリン代。
  • 誰と    自分ひとり。
目指す方向は飛行機の操縦を習うことです。これまで長い間延期してきたので、まずは具体性のある物を手に入れて誰かと話す必要があります。「小さな一歩」はマーフィ飛行学校まで出かけて、そこの人と話し、案内書を読むことでした。ついでに費用や支払方法などについても質問します。この「小さな一歩」を踏み出した結果、次の一歩を踏み出す心の準備ができます。こうして自分の言い訳を克服するのです。

小さな一歩さえ踏み出せば、いずれあなたは目的をかなえるのです。お金や時間があるかどうかにかかわらず、こうした小さな一歩を踏み出すことで、夢の実現への道を歩み出すことになります。自分のやりたいことをやるという「ソース」の第一歩を踏み出したのですから。今や夢が実現するかどうかは単に時間の問題です。本当の自分を実現し始めたのですから、もうその動きを止めることは誰にもできません。

実に大勢の人が私のところに来て、なぜやりたいことができないか、なぜ好きな仕事につけないか、なぜ一生の夢を実現できないかという言い訳をします。そうした人たちは、最初の一歩を踏み出す前に、成功の保証を求めたがります。けれども自分のやりたいことに向かって小さな一歩を踏み出さないかぎり、結果を予測することはできないし、そもそも自分の望む方向に進めるかどうかもわかりません。

あなたの夢が何であれ、それを実現する方法は、ほんの小さなことを実行することです。目に見えないほど小さなことでもよいのです。

たとえば本を書くのが夢だったら、最初の小さな一歩は、ノートを机の上に置くことです(あるいはワープロ・パソコンを立ち上げること)。白紙のページを開いて、その上にペンを置き、立ち去ります。あなたは机に戻って、ペンを取りたくなるはずです。机にもどったら、次の小さな一歩は10分間だけ書くことです。翌日も同じことをします。あなたは何か文章を書いているのではなく、10分間だけ一生懸命に書いているのです。自分が書きたい本と似たような内容の本を見つけて、毎日10分間だけ読みます。そのうち行動にはずみがついてきます。何年も夢見たり語ったりするだけだったことが少しずつ現実になってきます。そのうち一冊の本が書きあがるでしょう。なぜそうなるのでしょうか。心の奥深くに
潜んでいたワクワクの実現へ向かって小さな一歩を踏み出すと、ワクワクそのものに力がついてはずみが生まれるからです。いわばワクワクに自己推進力がつくのです。

昔好きだった写真をもう一度始めたいと思ったら、カメラを引っぱり出して、公園にいきましょう。実際に写真を撮る必要はありません。カメラをケースから出して、手に持つだけでいいのです。

人には好きなことがいくつもあります。そのすべてを同時に実行し始めることが大切です。それぞれのワクワクに同じ量の情熱を情熱をかけて、それぞれの小さな一歩を踏み出しましょう。その結果、すばらしい相乗効果が生まれて、人生に充実感と喜びがあふれます。この心境は、残念ながら少数の人しか味わっていませんが、そこに達すると、精神的にも物質的にも豊かな毎日が送れるようになります。

『ソース』 マイク・マクマナス 1999年 ヒューイ陽子訳

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 2003 Yoshiaki Sugimoto