とにかく、このチャーミングな『チャイコフスキー・パドドゥ』はバレエ作品としては手慣れていてたいへんよく出来ている。特に導入曲のラッパのファンファーレで静まり行くところは素晴らしいスペクタクルだ。また、ある種ウィーン風の匂い(特にクラリネットのカデンツァなど)もするので、ミンクスの作品そのものである可能性は否定できない。それならば、なぜ手の込んだ<<ソベスチャンスカヤ伝説>>なるものが生まれたのであろうか?
全くの憶測であるが、1つの可能性として、このパドドゥの使用をめぐっての権利のトラブルがサンクト・ペテルブルクとモスクワの間で発生したためチャイコフスキーの作品であることを強調しなければならなくなったということも考え得るのではないだろうか。