活動報告トップページ>荒木幹男議員のベトナム視察レポート

荒木幹男自民大阪市議団幹事長一行ベトナム視察、水道事業と住居環境を重点的に

2月12日から2泊4日でベトナムの商業都市・ホーチミンへ訪問し、水道会社、ホーチミン郊外の住宅事情と統一会堂、ベンタイン市場、サイゴン大教会、中央郵便局など市内の施設を視察しました。

「東洋のパリ」ホーチミン
 インドシナ半島の東側を縁取るように南北に長いベトナムは、各都市が様々な表情を見せてくれます。荒木幹男議員は大阪市議会議長当時にもベトナムを視察しており、今回は特にベトナムの水道と住宅事情を中心に視察しました。
 ホーチミンはフランス統治時代の趣のあるコロニアル建築が立ち並び「東洋のパリ」と称されるベトナムきっての商業都市です。訪れたのは気温28~30度の初夏。ホーチミンは近年高層ビルなどの建設ラッシュとなっており、フランス統治時代の面影をもちながらも近代的な面も併せ持った都市です。

アパート視察
 7区PMHエリア2箇所(アパート3LDK)は家賃が7~8万円。家具付き・バス・トイレ2箇所・ベッドルーム3部屋・屋上付きと共有プール・遊技室・トレーニングジムなどがあり、ほかに警備員・無料駐車場付きです。郊外の新興住宅街でベトナム人の平均年収からみれば比較的、家賃は高い。ただ、食費が比較的に安いので日本人の平均年金者の方には日本からの永住も検討の余地があると思いました。
アパート視察
アパート内部
アパート群

水道会社
 ベトナムは今、経済成長の進展とともに水質の悪化が進んでいる。日本で言えば70年代の高度経済成長とともに環境汚染が進んだように水質の汚染防止のために日本、大阪の水道テクノロジーに強い関心を抱いています。上水道はほぼ完備していますが、下水道の施設は遅れており、大阪市との技術提携で水質の改善を望んでいます。 
 ビジネス視察の一環として地元、大阪市西淀川区大和田の㈲つるや麺業製造の「チョンまげ うどん」を持参し、行く先々でPRしてきました。
水道会社にて

日系企業、田中産業ベトナム株式会社
 同社は8年前にベトナムで開業。手提げ紙袋を生産し日本へ輸出。手提げの取っては中国で仕入れ、紙は日本、韓国、タイ、ベトナムから輸入している。社長の平野氏は7年前に就任。基本的にベトナムでは外国人は資産を購入できない。このため建物はレンタル(工場1400平方㍍、事務所200平方㍍)。賃料は工場で1平方㍍1ヶ月3ドル・法人税25%、所得税はなし。健康・失業保険はあるが、厚生年金はない。勤務は午前7時半~午後4時半。休憩は1時半。昼食付き。残業4時間で夕食付き。ベトナム人は基本的には真面目で人柄はよいが、労働意欲は比較的弱い。ただ、人件費は安い。最低賃金は8年前は120万ドン。

ベトナム 水上人形劇 ツアー
 千年の歴史を持つベトナム伝統芸能「水上人形劇」。元来、農民たちの間で、農作業の合間に豊作を祈って行われていた地方の娯楽でした。本場はハノイで、ホーチミンではなかなか見ることができなかったのですが、2007年に専用劇場がオープンして以来連日賑わうほど。ベトナム語が分からなくても、ベトナム伝統楽器の音色や水中で操られる人形のコミカルな動きは観客を十分楽しませてくれます。
 水面を舞台にして繰り広げられる人形劇は、3~5分程度の短編が17話で約1時間弱の構成となっています。農民たちが演じていた1000年も昔から伝わるもので、農民の生活が基盤となっており民話、習慣、伝説、民族的なストーリーは、大まかに理解できる内容です。ベトナム伝統楽器の音色にも聞き入ってしまいます。どのように操っているかは門外不出とのことですが、さまざまな動きをし、また、火や水のしかけもあり、飽きさせない演出となっています。

バイクが走り活気
 街中ではホンダのバイクが走る

 ホーチミンのドンコイ通りを中心にかわいらしい雑貨屋やレストランが多く立ち並び、街にはカップルや家族を乗せるなど多くのバイクが早朝から夜遅くまで走り回りとても活気ある街です。「バイクはホンダ、車はトヨタ」が人気で日本車への技術力と安全性への信頼は非常に高いです。
 もちろんホーチミン市内には統一会堂や教会などの見所も多くありますが、少し足を伸ばして、ミトなどのメコン川クルーズの方が人気。スパやマッサージなど日本に比べかなり安くホーチミンは女性からの人気が高い。

戦争証跡博物館
 ベトナム戦争に関する写真や保管物を展示している「戦争証跡博物館」

 未来へ語り継いで行くべき戦争の傷跡。ベトナムと言えばアオザイ?それともおいしいベトナム料理?その次くらいに来てしまうのがベトナム戦争でしょうか。ホーチミンの街の活気を見ていると忘れそうになってしまうけれど、ベトナムは戦争が終わってまだ37年ほど。
 1975年4月30日、解放戦線旗を掲げた戦車が大統領官邸に無血入場を果たしたその映像をまだ記憶に新しく覚えているなんて方もいらっしゃるかもしれません。ベトナムの南北統一をめぐっておきたこの戦争ですが、実際には南ベトナムを支援したアメリカ、北ベトナムを支援したソ連、中国など政治的戦略が背景にありました。
 そんな中、ベトナム国内だけで200万人近い人々が犠牲になったこの悲惨な過ちを二度と繰り返してほしくないと願いを込め、ベトナム戦争に関する写真や保管物を展示しているのが「戦争証跡博物館」です。
 戦車や戦闘機、本物の武器が収集されています。日本語のパンフレットがもらえます。 入ってすぐに私たちを出迎えるのがたくさんの戦車や戦闘機。ここまで無造作に並べられると逆に本物のような気がしないくらい。「戦争証跡博物館」には連日世界中からの観光客が訪れています。
 目を背けたくなるような侵略戦争の歴史 展示室の中に入ると雰囲気は一変、戦争の原因、経緯を追った資料が展示され、みんな熱心に見学しています。
銃口を頭につきつけられるベトナム人女性の写真や、人間の死骸をまるで物のように手づかみする米兵の写真、枯葉剤の影響で奇形になってしまった胎児のホルマリン漬けなど、目を背けたくなるようなものが展示されています。これも私たちと同じ人間が起こしてしまった歴史のひとつと思うと、目を背けてはいけないという気持ちにもなります。 AGENT ORANGEとはベトナム戦争で米軍が使用したオレンジ剤、枯葉剤のこと。
 「戦争証跡博物館」はまだたったの37年ちょっと前の出来事とは思えないほど残酷なベトナム戦争の記録が残された博物館。やっぱりベトナムという国を訪れたからには見ておきたい場所の一つです。それはこの国を知るためには避けては通れない悲しい歴史の1ページであると同時に、これだけの出来事があったのにも関わらずベトナムの人々は持ち前のガッツとエネルギーで戦争という歴史を乗り越え、未来を展望しています。

戦争証跡博物館前にて


統一会堂(旧大統領官邸)
 南ベトナム政権時代に独立宮殿と呼ばれた旧大統領官邸は1962年~1966年に建造された物ですが、1975年4月30日に解放軍の戦車がこの官邸の鉄条網を突破し、無血入城を果たし、ベトナム戦争が終結した歴史的な建物です。
 内部には大小100以上の部屋があり、大統領、副大統領の応接室、大統領夫人の宴会室、娯楽室、映画室、内閣会議室などが並んでいます。
 地下は当時秘密の軍事施設になっており、大統領司令室、暗号解読室、アメリカとの連絡を取り合った放送局が残されています。
 屋上にはヘリポートがあり、戦時中は大統領がここから視察に出入りしていたそうです。現在、屋上に展示してあるヘリコプターは当時使用されていた物のコピーで当時の物ではありません。
ホーチミン大統領の像

ベンタイン市場
  1日中熱気と活気にあふれてホーチミン最大のマーケット

 ベトナム人にも観光客にも、食に買いに、大人気のホーチミン最大のマーケット「ベンタイン市場」。1914年の設立の歴史ある市場でもあります。市場の店舗数は1500と1日中熱気と活気にあふれています。入口付近からなんやらあやしい匂いと気配。人々のパワーと喧噪に圧倒されます! 入口でひるんでしまっては大変!中央通路も売る人買う人ごっちゃがえしてにぎやかそのもの。
 カメラを向けると満面の笑みを返してくれる人、恥ずかしがる人、睨む人、本気で怒る人と反応様々。ざっと見た感じは麺もの、ご飯もの、スイーツ、飲み物の4種類がメインでした。

サイゴン大教会  ネオ・ゴシック様式の教会

 サイゴン聖母大聖堂はベトナムのホーチミン市1区にあるカトリックの大司教座大聖堂。ネオ・ゴシック様式の教会で聖マリア大聖堂とも呼ばれる。サイゴンがフランスの植民地だった1863年から1880年にかけて建設されました。ウットリするほど美しい…200年以上前にマルセイユから運ばれたレンガで建てられたサイゴン大聖堂。ホーチミン市内観光では、はずすことのできないスポット、聖母マリア教会。
 フランス統治時代に建てられた教会は、空にすっくと立ち上がっているような60メートル程の優美な塔に特徴があり、ゴチック建築としても有名です。空がこんなに広かったのかと手を広げたくなるような景色と雰囲気がそこには広がっています。
 郵便局や統一会堂からすぐ 聖母マリア教会は、観光スポットが集まる地区にあり立ち寄りやすいのも魅力です。側にあるのはホーチミン郵便局。統一会堂も歩いてすぐで、後方には買い物に便利なダイアモンドプラザが建っています。
 聖母マリア像 教会の前の広場には聖母マリア像が建てられています。朝早くから、像の前でお祈りをささげる人が後を絶ちません。数年前には聖母マリア像が涙を流したということで、大きな人だかりが毎日のようにできていました。ドンコイ通りに向かわれる聖母マリア像は本当に美しくいつまでも目を向けていたくなります。
 ステンドグラスにうっとり。 教会は赤レンガを積んでできています。天井は高く、丸いアーチ状になって静かで涼やかな時が流れます。細部までこだわったステンドグラスはうっとりと見とれてしまうほどです。

サイゴン大教会

中央郵便局
 中央奥の時計の上に「ホー・チ・ミン」氏の肖像画

 中央郵便局は聖母マリア教会の横にあります。大きな時計が真ん中にあり一見、駅にもみえる建物ですが、1891年にフランス人建築家ヴィルデューによって建造された郵便局です。
 中に入ると大きなアーチ型の天井が目に飛び込みます。天井はガラス張りになっていて
外の光が十分に入り明るい雰囲気になっています。中央奥には大きな時計の上にさらに大きな「ホー・チ・ミン」氏の肖像画が掲げられています。
 入って右側の電話ボックスの上にはいくつか並んだ時計と大きな地図(サイゴンとその付近)又、反対側にも大きな地図(1936年の南ベトナムとカンボジアの電信網)があります。内部に施されている細やかな装飾もみごと。観光地としても有名ですが郵便局として現地の人々も使われている生活の場となっています。

中央郵便局

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