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荒木幹男議員レポート
「学校教育フォーラム」  5月20日(日)、27日(日)に開催
~学校選択制と中学校給食を考える意見交換会~

児童(生徒)、学校現場でも重要なテーマ

 大阪市では、各区の学校選択制の導入の可否と中学校給食の実施方法について、本年秋ごろまでに各区長が広く区民の意見を集約した上で決定することになっています。西淀川区においては、「学校選択制」と「中学校給食」について区民の皆様と共に考える意見交換会を実施します。すでに開催されている各区の公聴会でもさまざまな意見が出ています。この2点は児童(生徒)、学校現場、地域にも大きく影響するテーマで、じっくり考えることが必要です。現状認識とわかりやすくレポートさせていただきます。

【学校選択制について】
 就学すべき市立小・中学校について、区長があらかじめ区民の方のご意見を聴取し、そのご意見を踏まえて学校を指定する制度です。導入するかどうかを各区で決定することとしています。

それでは学校選択制についてのメリット、デメリット、疑問点を紹介させていただきます。

【学校選択制のきっかけ】
 学校選択制は、橋下徹市長が昨年11月の市長選の公約に掲げました。さきの市議会で市長提案した教育基本2条例案に実施規定を盛り込み、2014年度の導入を目指しています。
 公聴会は、学校選択制の導入に消極的だった市教委に対し、橋下市長が「保護者の感覚とずれている。多数の声を探る作業が教育行政に欠けている」と批判し、開催を求めたのがきっかけです。5月末までに全区で順次開催され、意見を集約した上で、今秋、各区長が区ごとに実施の可否を判断することになっています。

【市教委幹部の説明】
 市教委幹部らが、学校選択の幅を特定のブロックに限る方法や、隣接する校区のみに限定する方法など、制度の概要を説明しています。

【メリット】
・選択制を導入している東京都品川区などでは「学校が保護者、子どもに選ばれることで、教職員に危機感が生まれ、学校の活性化が進む」
・「クラブ活動や進学実績に違いがある以上、中学校は選択できた方がいい」(小学1年の子どもをもつ会社員男性)
・「現行制度では校区が違えば近くにある学校でも行けない」(市教委)
・「保護者に選ばれるために学校の特色づくりや活性化がすすむ」(市教委)

【デメリット】
・「学校・子どもと地域の関係が薄れたり、特定の学校への児童・生徒の集中が起こる」(市教委)
・「通学距離が長くなるなどの課題があるとし、導入したものの見直した自治体がある」(市教委)
・「生徒が集まらない学校が廃校に追い込まれる。生徒が集中した際の学校の設備はどう補充するのか」(教員)
・「選択制が実施されれば、(現校区外に通う)子どもを地域で見守ることができない」(自治会関係者)
・「遠くに通う小学生の通路が確保できるのか、地震が起きたらどう避難させるのか」(保護者)

【疑問点】
・「義務教育の学校を子どもが選ぶのはおかしい」
・「保護者への説明が足りない。学校ごとに説明会をするべきだ」
・「子どもも地域も点数主義の泥沼に追い込もうとしている」
・「選択制先にありきだ」
・「橋下市長は選択制を学校の統廃合に資するものだといっている。 隠れた目的があるのではないか」
・「いま学校にどんな問題があり、解決するために何が必要なのか。そのために選択制が必要なのか」
・「小学校から学校を選択させるのは、違和感がある」
・「橋下市長は選択制の導入は民意だというが、根拠はなにか」
・「基礎学力が身につくのか」(保護者)
・「すでに崩壊したイギリスのサッチャー教育をなぜ蒸し返すのか」(保護者)
・「学校の特色が出るというが、よくわからない」(保護者)
・「学校が統廃合されるのではないのか」(保護者)


【中学校給食について】
平成24年度秋以降順次、市立中学校において給食を実施する予定です。全員給食とするか、家庭弁当との選択です。

【導入の経緯】
 中学校での給食導入は、橋下市長が大阪府知事時代からこだわってきた事業です。大阪市ではすでに選択制給食の導入を決めていましたが、全員が給食を食べる「全員喫食」を目指す施策となっています。ただ、最終的に全員喫食とするのか、家庭から持参する弁当との選択制にするのかは、各区の区長の判断に任せる方針です。早い学校では2学期から選択制給食をスタートさせていく方針です。

【現状】
 大阪府下の公立中学校では、わずか7.7%しか中学校給食を実施していません。全国平均の80%から大きく遅れています。大阪市において実施が不可能とは考えられません。大阪府は、中学校給食の実施に当たり、一般市町村に対して初期費用の半額を負担する債務負担行為として246億円を予算計上しました。これは大阪府内での中学校給食の実施促進にとって好ましいことではありますが、大阪市と堺市が単に政令指定都市だからというだけで、この助成から排除されていることは、大阪市民や堺市民の理解を得にくいと思います。
 自校調理方式による給食は、雇用を広げる効果、地産地消によって地域経済を振興する効果、さらには学校における食育に寄与するなど様々な効果につながることが期待されるものです。
 持参弁当を持たせたいという保護者の感情も大切です。また、食物アレルギーなどで、すぐに給食になじめない生徒がいることも事実です。中学給食の導入は、市民的な議論を通じて解決していくことが大切です。

給食導入についての主な賛否の意見を紹介させていただきます。
<給食導入賛成>
・毎日の弁当づくりは大変(50代女性)
・全員がバランスのいい食事を摂れるから(20代女性)
・食育は大切だと思うから(40代男性)
・成長期の年齢だから、みんが昼食をとれることが望ましい(30代女性)
・家庭の事情などが子どもたちに影響されないから(20代女性)

<給食導入反対>
・給食費を全世帯からもれなく回収ができるのか疑問(20代女性)
・まずいから、でも強制ではなく自由なら大賛成(20代男性)
・整合性欠落(大阪市、堺市、給食補助金除外)(40代男性)
・今でも給食費を持ってこない人が多数いるのに(40代男性)
「学校教育フォーラム」 ~学校選択制と中学校給食を考える意見交換会~
【日時・場所】
◎第1回目
<日時> 5月20日(日)午後2時~午後4時
<場所> 西淀川区民ホール(西淀川区御幣島3-13-3)
<対象> 主に歌島中学校下・佃中学校下
<定員> 400名
◎第2回目
<日時> 5月27日(日)午後2時~午後4時
<場所> 西淀川区民会館(エルモ西淀川・西淀川大和田2-5-7)
<対象> 主に淀中学校下・西淀中学校下
<定員> 200名  

《内容》
・学校選択制についての説明(野村区長より)
・中学校給食導入についての説明(野村区長より)
・意見交換(ご質問とご意見をお受けします)

《出席者》
西淀川区長、副区長兼総務課長、大阪市教育委員会事務局総務部・教務部

《問合せ先》
大阪市西淀川区役所 総務課庶務・選挙統計グループ
住所: 〒555-8501 大阪市西淀川区御幣島1丁目2番10号(西淀川区役所5階)
電話: 06-6478-9625 ファックス: 06-6477-0635

◆大阪市の学校給食の沿革◆
実施年
1949(昭和24)
○ ユニセフ寄贈物資による完全給食の指定(国)を受け、精華・北中道・金塚の3小学校で給食を開始する
1950(昭和25) ○ 全市小学校児童を対象に完全給食を開始する
1954(昭和29) ○ 大阪市学校給食協会を法人化し、「財団法人大阪市学校給食協会」とする
○ 学校給食法が成立し公布される
1958(昭和33) ○ 新学習指導要領が定められ、学校給食が学校行事等の領域に位置づけられる
1959(昭和34) ○ 区献立選定委員会で実施献立を選定する方式とする
1962(昭和37) ○ 栄養所要量の基準が、低・高学年の2段階になる
1963(昭和38) ○ 学校調乳(脱脂粉乳)に加えて、一部委託乳(脱脂粉乳に牛乳やビタミンCを混合した180mlの瓶づめ)とする
1968(昭和43) ○ パンを改善する(無漂白の小麦粉へ変更)
1969(昭和44) ○ 学校調乳(脱脂粉乳)を廃止し、すべて委託乳とする
1972(昭和47) ○ 委託乳から牛乳へ変更する(200ml瓶づめ)
1981(昭和56) ○ 月1回の米飯給食を開始する
1981(昭和56) ○ アルマイトの食器を廃止し、ポリカーボネート製とする
1985(昭和60) ○ 週1回の米飯給食を実施する
1986(昭和61) ○ 栄養所要量の基準が、低・中・高学年の3段階になる
1989(平成元) ○ 合成洗剤から石けんに切りかえる
1994(平成6) ○ 肢体不自由養護学校で段階食を開始する
1995(平成7) ○ 「はし」を導入する
1997(平成9) ○ 焼き物機を導入し、献立の多様化を図る
1998(平成10) ○ サイクル献立を廃止する
2001(平成13) ○ 週2回の米飯給食を実施し、無洗米を導入する
2002(平成14) ○ 加工食品等の原材料表を配布する
2003(平成15) ○ 週3回の米飯給食を実施する
2006(平成18) ○ 区献立選定委員会を廃止し、実施献立方式を導入する
※食物アレルギー等により牛乳を喫食できない児童生徒の給食費について、減額して徴収できるようにする
2007(平成19) ○ 食物アレルギーへの対応を実施する(卵のみ最終調理段階での除去)
○ 大阪市教育委員会のホームページに「大阪市の学校給食」のコーナーを開設する
2008(平成20) ○ 食物アレルギーへの対応について、粉末チーズを追加する(最終調理段階での除去)
2009(平成21) ○ 食物アレルギー等によりパン・米飯を喫食できない児童生徒の給食費についても、減額して徴収できるようにする


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