活動報告トップページ>大阪文経塾 3月
2013年3月21日開催

《地下鉄民営化?の行く方》

4月の予算市議会で徹底した議論を

松崎氏「『民営化が全て良し』とする〝民営化性善説〟の風潮に疑問

市営バスの廃止は〝お年寄りの足を打撃〟
 荒木幹男大阪市会議員が主宰する大阪文経塾は3月21日、西淀川区大和田2丁目の市立西淀川区民会館(エルモ西淀川)で民主党系の市議会派「OSAKAみらい」幹事長、松崎孔氏を迎えて開かれた。多くの会員を前に松崎氏は「大阪市営地下鉄の行く方」などをテーマに講演。この中で松崎氏は「民営化が全て良し」とする民営化性善説の風潮に警鐘を鳴らし今後、4月の予算市議会で徹底して議論を深めていくことが大切と表明した。


荒木氏、コミュニケーションを深め指針を
 塾頭の荒木市議は「色々な会派の人々の話を真摯に聞いていただき、市民にとって今後の市政の方向がいいのか。コミニュニケーションを深めて指針をだしていただきたい。松崎孔氏は仲のいい同志で私の大先輩です。いろいろとご質問もしていただきたい」とあいさつを述べた。

地下鉄、年間150億円の『ドル箱』
 松崎氏はまず、始めに参加者らに「橋下徹市長が推進する市営地下鉄民営化についてどう思われるか?」と質問した。また、民営化の手法についても①「ルートごとの譲渡」②「ただで地下鉄ごとを譲渡」③「運営を依頼」―の3点が挙げられると紹介。
その上で松崎氏は「『民営化すればサービスが上がる、料金が下がる」という民営化性善説の風潮があることを指摘し、「特に大阪市を除く、府民は6割が民営化に賛成」とのアンケート調査を紹介した。
松崎氏は「大阪市営の交通インフラは市民の貴重な税金で整備された財産」とした上で、地下鉄の一日の利用者は225万人、1日の売り上げ4億円、年間換算の売り上げは1400億円に上り、「改革公営化でかつて2300億円あった累積欠損も解消し、現在赤字はない。逆に年間150億円の黒字で地下鉄は〝ドル箱〟。70歳以上の無料敬老パスを支給しても黒字」と現状の地下鉄の経営状況を紹介した。

市バスの民営化、お年寄りの足を打撃
 そして松崎氏は少子高齢化が進む中、「現在大阪市は便利な町だが、お年寄りの交通手段は地下鉄、車、自転車ではない。便利なのはバス。西区、北区などへの高齢者の都心回帰が進む中、バスの運行は不可欠」と強調。そして「民営化になれば、採算がとれないバス路線が廃止される。大阪市はお年寄りにとって優しい町ではなくなる。平成18年度にも民営化についての議論があったが、いったん民営化したら『戻してください』と言っても戻らない」と警鐘を鳴らした。

「大阪都」への危惧
 最後に松崎氏は大阪市を解体して特別区に改編する大阪都構想についても「大阪都になったらすべてバラ色」との幻想に対して「政令市をなくして中核市になれば、自分の思い描く町がつくれない。
予算についても大阪市の3割の収入が大阪都へ吸い上げられ、府が決めて特別区におりるようになる。結局、南海トラフの地震が叫ばれている中、特別区では防災計画も進められない。大阪市は基礎自治体となり生かさず殺さずの状況になる。特別区の区民に恩恵があるのか」と疑問を呈した。



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