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<荒木レポート>
大阪府の一般会計2年連続黒字?の実態は  借金である「府債残高」は逆に増加
 橋下徹元知事と大阪維新の会は「大阪維新」の改革が成功して大阪府の一般会計が2年連続で黒字を実現したとその実績を誇っています。
しかし、その実態は首をかしげたくなります。
というのも大阪市の場合、借金である市債が減少傾向にあるのに、大阪府の府債残高は逆に増加傾向にあるのです。

臨時財政対策債の増発が原因
大阪市は2004年から10年かけて、3,944億円の市債を減少させていますが、府は同時期に4,197億円も府債残高を増やしています。
黒字の大阪府の財政なのになぜ、府債が増えているのでしょうか。多くの府民、市民の方々が不思議に感じていると思います。その原因は「臨時財政対策債」の発行額が大阪府で急増したからです。
地方財政の専門家でないとよくわからない財政用語ですが、地方固有の財源である地方交付税(所得税・法人税・酒税・消費税・たばこ税の一定割合が地方におりる税金)が不足する場合に対応するもので、国だけが借金して対応するのでなく、その不足分の半分を地方が借金として負わされるものです。
「臨時財政対策債」は借金で大阪市の市債残高にも当然、含まれていますが、大阪市の臨時財政対策債は2009年度が398億円、10年度が642億円含まれていますが、努力して市債残高は減らしています。

財政状況は「大阪市」が改善
財政に及ぼす負担指標に「実質公債費比率」がありますが、18%以上の自治体は、地方債を発行する際に国の許可が必要になります。さらに、25%以上になりますと、単独事業のための債券を発行することができなくなります。
この「実質公債費比率」が2010年度では大阪府は17・2%で、都道府県(平均13パーセント)を上回り、18%に極めて近い厳しい状況となっています。
逆に大阪市のケースは10・4%で、19の政令指定都市の中でも4番目に低い状況です。
こうして大阪府と大阪市の財政事情を比較してみますと、危機的な状況であるのはむしろ大阪府です。
「大阪維新」によって府財政が改革・改善しているというのは、現実とかけ離れた詭弁といっていいと思います。


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