講師 ノンフィクションライター 大山勝男さん
ハンセン病「強制隔離」という誤った国の施策
歴史的事実を学び、一人一人の問題として捉えることが大切
荒木幹男市政報告会は1月23日、西淀川区大和田2丁目の市立西淀川区民会館(エルモ西淀川)でノンフィクションライター、大山勝男さんを招いて「西淀川区にあったハンセン病療養施設『外島保養院』」をテーマに開かれた。大山さんはかつて大阪市西淀川区の神崎川河口の海抜0メートルの低湿地帯という劣悪な療養環境に設けられていた外島保養院(大阪府主管、定員300人)が1934年9月21日、近畿地方に上陸した室戸台風によって、壊滅的被害を受け、入所者ら196人の命が奪われたと歴史的な事実を報告。大山さんは「この被害はハンセン病患者の強制隔離という国の誤った施策の中で国民に偏見、差別が生まれ、この悲劇につながった」と指摘。一方で「この悲劇を繰り返さないためにはときの政府、施策を批判するだけでなく、歴史的事実を学び、一人一人の問題としてハンセン病を捉(とら)えることが大切」と述べた。
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「今もハンセン病患者、元患者、さらに家族までも偏見、 差別にさらされている。一番怖いのは無関心」 と話す大山さん |