「子どもたちにホタルの乱舞する光景をみせてあげたい」。こんな思いから木下公夫さんは西淀川区内の市立小学校でPTA会長をしていた時、PTA役員や保護者らと一緒に二男が学ぶ小学校で1年間かけて校内に小川が流れるビオトープをつくった。そしてホタルの生態、養殖法を学びながら500匹のゲンジホタルの幼虫を完成した小川に放流し、「約20匹が成虫となり、実際に光り輝きました」と当時を振り返る。
翌年からは、「ホタルの夕べ実行委員会」を立ち上げ、2002年から毎年6月に西淀川区の大野せせらぎの里などでで 「ホタルの夕べ」を開催してきた。昨年9月には「地球環境を守る活動」に取り組んでいることが評価され、NPO法人の認証を得てNPO法人「ひとねっと」の理事長に就任した。
去る6月4日の第9回「ホタルの夕べ」では家族連れを中心に約1500人を超える市民が会場を訪れ、「家族一緒に宵闇の中で、ほのかに光る800匹のホタルの乱舞を愉しんでいただきました」と笑みを浮かべる。800匹のゲンジホタルの購入資金は地元の協賛企業、個人の61社(人)の寄付で賄っている。
1年のうちの6月のある1日。夜の約2時間あまりの一瞬の幻想的なホタルの輝き。当日の天候次第で約1カ月の準備は徒労に終わる。「幸い、私は〝晴れ男〟で毎年、天気はよかった」。
毎年、「ホタルの夕べ」の鑑賞会が終われば、「ホタル会報」を発行するなど、ホタルの造詣は 深く〝ホタル博士〟の称号も。
「来年は記念の10回目。ホタルは1000匹、集めたい」と、早くも来年をにらんでいる。 西淀川区佃3丁目。
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