☆18禁ではない小説☆
今夜も私は昨夜までと同じようにそれを咥えていた。
……実のところこの行為を私はいまだに好きになれない。
なのにうちの亭主ときたら、
『慣れだよ、慣れ。』
等と実に気楽に言ってくれるのだけど、
はっきり言ってこんなものが好きな人が世の中にいると聞かされても、
私にはとても信じられないような気がする。
けっこう堅くて、先が少し反り返ったそれは私の口内を前後しながら
あちこちの粘膜を刺激してくれる。
何が嫌いって、まずは舌先に絡み付くような毛の感触もさることながら
吐き戻しそうなくらいに変な味がそれに輪をかけている。
もう少しおいしければ私もこの行為が好きになれたかもしれない。
もっとも、こういうものに味があるのかどうかは私には分からないのだけれど。
なかばあきらめ顔で棒状のそれを口に含んで忙しく前後させているうちに
私の唇の端から白濁した液体が筋状に滴り落ちた。
瞬間、むせ返った私に亭主ときたら、
『何だ、おい。大丈夫か?』
まったく嫌んなっちゃう。大丈夫じゃないっつーの。
何だってこんな事をしなきゃなんないのよ!
『だってお前、みんなやってるんだし、言わば常識よ、常識!本当だぜ?』
何が(常識)なんだかね。誰が決めたのよ。
私はこんな事したくないんだってば。
『わかった、あした何か見繕うから、な?』
まあ…仕方がないわね。
あなたがそれほど言うのなら今日のところは我慢するわ。
『子供だな、まったく…。』
いいのいいの、子供でも何でも。
だって、嫌なものは嫌だもの。
そして我が亭主は、翌日私のために
イチゴ味の歯磨きを買って来てくれました。
今度は、少しはましな味がするかな?
ミニストーリー[歯磨きの嫌いな女]完