『リボンの騎士』のアニメについてできるだけ色々と紹介したいとは思うものの、肝心の映像を使ってのご紹介ができないのが、いち個人サイトのつらいところでございます。
 そこでせめて作中のセリフから登場人物達のキャラクター像などをお伝えできればと、私なりに印象に残るセリフをセレクトしてレビューを添えて紹介してみようかと思います。
 ただしセレクトが偏ってるので正しく伝わるのかは不明…!?





  サファイア 言葉と行動に迷いのないのがすがすがしい
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー

  『だけどこの国には悪いたくらみやしきたりが多過ぎます。
  それがなくなるまで、ボクは男の子ですよおかあさま。』

                           第1話『王子と天使』
 アニメスタート時点でのサファイアは12歳。これは原作やパイロット版に比べて少し低めの年齢設定なのだそうです。そのせいかどうか、アニメ版の第1話でも、子供っぽいいたずらをしたり、女の子の格好をするのを嫌がったりと、かなりやんちゃに描かれてます。 母上であるお妃さまが、娘の境遇を嘆いて心を痛めているというのに、サファイア自身はとても元気で、少し無邪気なくらいです。
 その反面、国を思い自分の運命に立ち向かおうという強い意志を持っていることが、こちらのお妃さまへのセリフからは伝わってきて、いたずら好きな無邪気な子供の部分と王子として国を導いていこうとする頼もしい部分の両面をサファイアがあわせもっていることが描かれているように思います。

※本編前に見本として作られる試作版のこと。パイロット版のサファイアは本編よりちょっと大人っぽくて、言葉つきもところどころ少女らしいです。

『女みたい!?サンド、もう怒ったぞ!相手になってやる来い!』

                         第11話『「ねむりの精』
 なにかとケンカっ早いために、お妃さまから「怒らない練習をするように」というお達しを受けたサファイア。ねむりの精サンドに何をされてもグッと我慢。が、「まるで女みたいだ」のひと言に堪忍袋の緒を切ってしまったてのこのセリフ。 痛いところをつかれてカッとなったというよりは、どうも女よばわりされたことを本気で怒っている様子なのが、なんだか楽しい♪
 原作と比較してアニメではサファイアがよりおてんばに描かれているので、男装の麗人としての持ち味が薄らいでるというご意見を作品解説等で目にするのですが、確かにサファイアも少し子供の設定のせいもあって「麗人」というフレーズは少々しっくりこない感じはします。でも個人的にはアニメ版のなりきり方が好き♪女の子なのに「女みたい」と言われてマジ切れするなんてところは、アニメ版ならではのキャラクラター立てのように思えて、かなり気に入ってしまったセリフなのです。
『許してフランツ。あなたを危ない目にあわせるなんてわたしにはできない!』

                  第52話『シルバーランドよ永遠に』
 自分に代わって単身城に攻め込もうとするフランツを(かなり荒っぽく)制してのセリフ。物語スタート時にはわんぱくな感じで登場するサファイアですが、シリーズが進むにつれ女の子らしいところが育まれていく描写が見受けられるのも作品の見所のひとつです。最終回ともなるとこんなセリフも言っちゃうのねと感慨もひとしお。ところでこちらのセリフは、絵コンテ等のシナリオ段階ではもっと女の子口調になってるのですが、オンエア版ではちょっと控えめになってます。でもこれぐらいの匙加減の方がサファイアらしくて良いななんて思います。



  チンク かわいくって、頼りになるサファイアの小さな友。でも時々辛口?
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「なにいってんだい!こんな時にこそ男の子らしくぱんぱんってやってよ!!」

                         第19話『魔法のペン』
 『リボンの騎士』のマスコット的なキャラクターと言ってもいいチンク。非常にかわいらしい言動が多いのですが、意外とシビアなセリフを言ったりもします。わざわざ助っ人に連れてきたフランツがサファイア絶体絶命の場面を前にして、「どうしよう!?」といまいち頼りにならない言葉を口にしたため、これを聞きとがめ、思わずフランツを一喝してしまうのです☆これもサファイアを助けたい一心からでてるのでしょう。そんなところも健気でかわいいなあと思わせるチンクなのです。
「つきまとってんじゃないやい!アシスタントだい!」

                        第40話『恐怖のX帝国』
 サファイアとともにX連合の要塞に乗り込んだチンク。だけど一人だけ捕まってしまって「おまえはいつもサファイアにつきまとっているチビだろう!」と尋問されて、すかさず反論してのひと言。
 アニメ版でのチンクは原作に比べてサファイアの友達としての要素がより強くて、サファイアとの距離感みたいなもの(原作だとサファイアに対して敬語だったりして一線をひいてる感じがします)があまりないのですが、ここに来てまさかのアシスタント宣言!この尽くしっぷりには脱帽です。サファイアは感謝しないといけませんね。



  お妃さま たくましさも秘めてるサファイアの優しいお母様
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「サファイア、私の命と、悪者たちにひどいめにあわされている
たくさんの気の毒な人々の命とどちらが大切ですか」

                     第23話『リボンの騎士現わる』
 自分ひとりが逃げれば王妃の命が危ない…迷うサファイアを諭してのお言葉。普段はとにかくエレガントさや優しさが前面に出ているお方ですが、ここ一番でのこの気丈さはさすがに一国の王妃様!と、言うかサファイアのお母様ですね。サファイアの芯の強さは絶対にお母様譲りだな〜と思います。



  王様 サファイアのこととっても愛してるんですね
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「サファイア、おまえは女の子のすることもちゃんとできるんだ。がんばれば世界一のケーキだって作れるようになるぞ」

                       第21話『世界一のおやつ』
 お菓子職人クッキーさんのもとでの修行の成果を見せようと、王様とお妃さまにはりきってビスケットを作ったサファイア。だけど出来たビスケットはまっ黒こげでがっかり…。そんなサファイアをフォローしての王様のお言葉。普段は少し頼りないところもあったりする王様なのですが(死刑許可書とかに簡単にハンコ押しすぎ!)、父親としてのとっても愛情あふれるひと言に、懐の深さをみました。
 でもこのシーンをみてると、もしサファイアが普通に女の子として育てられていたら、王様はきっととっても親バカなお父様になっていたにちがいないと思います。



  ジュラルミン大公 とにかく権力は半端なく持ってる
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「世はシルバーランド国、国王の従兄弟、警察長官ジュラルミン大公なるぞ!」
                            第13話『バラの館』
 ジュラルミン大公は原作、アニメを通してキャラクターがブレないというか、まあ悪役として完全にキャラがたってますので、細かい説明がなくとも、「とにかく権力は半端なく持っる悪いやつ」というのがダイレクトに伝わってくる名脇役だと思います。と、それで結構納得していたところにきて、突然具体的な肩書きが登場して(王様の従兄弟だということはこれ以前のエピソードでも口にしてますけど)ちょっとびっくり、でも権力半端ない理由がわかって納得のセリフ。でも警察長官ってこの人でいいの?世襲なのかしら?



  ナイロン卿 敵役としてあっぱれだと思います。
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「助けてもらったって涙を流してるなんてのは、大公らしくありませんぜ。ここはぐっと冷たく計算しましょうや。王子がいるかぎりプラスチック様は王位につけないんですぜ。」

                            第11話『眠りの精』
 サファイアに息子プラスチックを助けてもらって、めずらしくも感謝の涙をうかべるジュラルミン大公。それをたしなめてナイロンが言ったセリフ。腹黒さではこの人の方が上かもしれません。その徹底ぶりにはちょっと感心してしまったりして…しかし悪いやっちゃなあ〜!



  フランツ 時にはボケも?それも育ちの良さ故か?
セレクトしたセリフ セリフ&キャラクターレビュー
「安心したまえ、もうキミのこと女の子だなんて言わないから(略)。僕はね、祭の晩にステキな女の子にあったんだ。あま色の髪の女の子。。。きれいだったなぁ。。。」

                  第10話『サファイアのカーニバル』
 サファイアが変装した(アニメ版だと成り行きでさせられた感じなんだけど)あま色の髪の女の子にひと目惚れしたことを、それと気付かず本人に言ってしまっているセリフ。この言葉を聞いてるサファイアの表情はちょっと複雑そう…。というハイライトシーン。でもこんなこと言っておいて、次にサファイアに会った時、女の子だってことボクにまで隠すことないじゃん!とかなんとか言ってサファイアを照れさせたりしてるのです。二人が同一人物だからいいようなものの、隅にに置けないといおうか、ちょっと問題あるぞ!?
「Xは逃げたけど、僕は大丈夫だ!」
                        
                     第50話『バベル城の黒騎士』
 「待て〜X〜」と、勢いよくXを追っかけものの、(わりとあっさり)Xに逃げられちゃったフランツ。後から駆けつけたサファイア(この時はリボンの騎士なのですが)に、悪びれた風も無くひと言。えええっ?この場合は「僕は無事だけど、Xには逃げられてしまった!」とか言って歯軋りのひとつもするべきじゃないの?と、ちょっとつっこんでしまったシーン。あんまり彼が胸はって答えてるもんでつい。でも、立場のある人というのは、自分自身の身の安全を確保することも大切な義務であることも確か…。そう思うとたいへん正しいひと言!?フランツって根っからの王子様なんだね!と思わされるセリフです。