ここでは「リボンの騎士」の原作漫画を紹介。原作を読んでさらに「リボンの騎士」の世
界を楽しみましょう♪このコーナーはそのための手引きです。


種 の 「 リ ボ ン の 騎 士 」

 現在一般的に「リボンの騎士」と言うと、TVアニメを思い出す人の方が多いかもしれません。でも「リボンの騎士」はもともと昭和28年(1953年)に日本の少女向けストーリーマンガ第一号として『少女クラブ』誌上※に登場したのです。ストーリーマンガとはいわゆる物語が連続して展開していく「続きもの」で、作者の手塚治虫氏が語っているように当時まだ少女漫画でそういった形式のものがなかったこともあり、たいへんな人気を得たようです。

@余談 : 管理人CHOBOKOの母はこの『少女クラブ』で「リボンの騎士」を夢中になって読んでいたそうです。といっても昭和28年といえばまだまだ戦後の物の無い時代。近所の友達が買っていたものをクラスのみんなで回し読みしていたらしいのですが。

 さて、この記念すべき第一作目が現在「少女クラブ版」と呼ばれているバージョンで、これ以降3作別種の「リボンの騎士」が発表されていくことになります。2作目となるのが昭和33年(1958年)に『なかよし』に掲載されたもので、これは「少女クラブ版」の続編にあたる話で、サファイアとフランツ王子の間に生まれた双子の兄妹デージィ王子とビオレッタ姫が物語の中心となっています。発表当時のタイトルは「リボンの騎士」でしたが後に「双子の騎士」と改題され現代に至っています。そして昭和38年(1963年)に同じ『なかよし』に3作目の「リボンの騎士」が登場します。「なかよし版」と呼ばれるこのバージョンは「少女クラブ版」のリメイク版で、基本設定と序盤のストーリーは「少女クラブ版」とほぼ同様ですが、物語の中盤以降は「少女クラブ版」とは異なる独自のストーリーが展開します。今日漫画の「リボンの騎士」として最も一般に流通しているのはこのバージョンです。

 TVアニメ版「リボンの騎士」の原作にあたるのはこの「なかよし」版だそうですが、TV版には「少女クラブ版」や「双子の騎士」の要素も少しづつ加味されています。またTVアニメ版は原作をストレートにアニメ化しているわけではなく、キャラクターやストーリーなどはアニメ用にアレンジ※※されていて原作とはかなりちがいます。このTVアニメとのタイアップで『少女フレンド』に昭和42年(1967年)に短期間掲載された4作目の「リボンの騎士」が存在するのですが、この作品は手塚治虫氏は原案のみで虫プロのスタッフが代筆していたもので途中で終わってしまたったそうです。したがって厳密に「リボンの騎士」の「オリジナル」と呼べるのは「少女クラブ版」「双子の騎士」「なかよし版」の3作品ということになるでしょう。これら3種の作品比較については、下記に参考文献にあげている1998年に手塚プロダクションより発行された「手塚治虫キャラクター図鑑 第4巻 「リボンの騎士」と夢の王国・ファンタジー編」に詳しく掲載されています。


※当時の少女雑誌は現在の少女漫画雑誌のように漫画ばかりで構成されていたのではなく、読みものと併載されたものであった。当時の少女歌手等が表紙を飾っていたそうである。
※※TVアニメは一話完結形式。ただし物語の山場となる部分は連続もの形式をとっている。

 原作とアニメの比較については、花椿ゆつきさんの  へGO!


原 作 を 読 む に は ?

 原作の「リボンの騎士」についてざっと概略を説明しましたが、では実際にこれらの原作を読むにはどうすればいいでしょうか。一番てっとり早い入手方法は、現在(1999年より発売)講談社漫画文庫より「リボンの騎士(なかよし版)」「リボンの騎士・少女クラブ版」「双子の騎士」が発売されてますので、大型書店の漫画文庫のコーナーや漫画専門店等に行けば比較的簡単に手に入るのではないかと思います。他にこれまでも「手塚治虫漫画全集」や「KCスペシャル」などの愛蔵版のシリーズで刊行されていますが、書店に出まわっているのは「なかよし版」がほとんどで「少女クラブ版」や「双子の騎士」を置いている店は、少ないようでした(もっとも最近の漫画専門店などではかなり手塚治虫関連のコーナーが充実してるようなので以前に比べれば手に入れやすいみたいですが)。個人的には大きい絵で楽しむ方がいいと思うので、前掲の「手塚治虫漫画全集」や愛蔵版など版の大きいもので読むのがベストではないかと思います。
わざわざ買うのはちょっと…。という方は図書館を利用するのもひとつの手です。幸い「リボンの騎士」は漫画の神様、手塚治虫先生のメジャー作品。中央の気の利いた図書館であれば、「手塚治虫漫画全集」などを全巻取り揃えているところも少なくないはず。棚にならんでなくても書庫に入ってたりするので図書館の人に聞いてみましょう。地元図書館になくても他館からのおとりよせも可能なので気軽にご利用を。遠慮はいりません、とりよせは図書館の基本サービスなのでおおいにに活用しましょう!
また関西圏にお住まいの方は、手塚治虫記念館や京都駅の手塚治虫ワールドのライブラリーコーナーで手塚治虫の全作品を見ることができるので、そちらで読破するという手もあります。ただしそこまでの交通費および入館料(500円ほど)などがかかってきますが…。



参考資料:手塚治虫キャラクター図鑑 第4巻(手塚プロダクション)/1989年 朝日ジャーナル臨時増刊4月20日号 見る・読む・考える 手塚治虫の世界/COMIC BOX vol.61 特集ぼくらの手塚治虫先生/KC スペシャル「リボンの騎士2」あとがき