ゴールドランド王家の謎を追う


tennyoさん

 はじめに

サファイアが活躍する国はシルバーランド。その隣国ゴールドランドの王子フランツ=チャーミングは、「リボンの騎士」の物語上、重要な役割を与えられています。ところが、フランツは「王子」として登場するにもかかわらず、王の「子供」ではなく「甥」です。どうして「甥」ながら「王太子」(次期国王)扱いとなっているのでしょうか?このことに疑問を持たれた方もいらしゃるのでは?「フランツ話」大好きな私tennyoも、大いに興味を持ちました。そこで、私なりの謎ときをしてみたいと思います。なお、ここではあくまでも「アニメ版」で考えていることをお断りしておきます。ただし、以下の文章のほとんどが私の想像です。独断と偏見に満ちているかもしれませんが、ひとつの考えて方、ということでご了承を…(笑)なお、このゴールドランドの「謎」を考えて次から次へと謎が広がっていきます。とりあえずは今回は「フランツとシャネルの関係」に絞って話を進めます。

ゴールドランドの現国王のシャネル五世には実子がなく、甥のフランツを養子にしたことは間違いないでしょう。一般的にみて、「おじ(叔父/伯父)」と「甥」の関係といっても、いろいろな組み合わせがあります。もちろん、フランツが「甥」であるからには、シャネルの兄弟姉妹の子供ということになります。そこで、以下の3つの場合に分けて考えてみましょう。まずは前提として、ゴールドランドには「長子相続」すなわち「現国王の長男が次期国王(王太子)になる」という掟があるとします。また便宜上、フランツの父=「フランツのパパ」、フランツの母=「フランツママ」とします。

 仮説1:「フランツパパ」が長男で、シャネルが次男

この場合、前王「フランツパパ」が亡くなっていることが必要条件です。王弟であるシャネルがその後を継いで即位したことになります。しかし、本来フランツが正当な世継ぎ、つまり第1王位継承者のはずです(原作ではこのパターンなので、シャネルは摂政に甘んじています)。アニメでの設定をあてはめると、まだ幼少とはいえ、王太子であるフランツをさしおいて、第2位王位継承者の王弟シャネルが即位したことになります(ここがおかしい!)。したがってフランツは、成人後に異議を申し立て、シャネルの王位をおびやかすかもしれない。すなわち、シャネルにとってフランツは危険な存在になる可能性があります。(臣下にそれぞれの味方をする派閥ができて、内乱がおこるかも…)。シャネルにとってフランツは邪魔な存在となりそうです。今の二人の感じからいって、この仮説は今ひとつしっくりこないですね。

 仮説2:「フランツパパ」が次男で、シャネルが長男

この場合はどうでしょう。前王はシャネルと「フランツパパ」の共通の父親、すなわちフランツの祖父です。長男のシャネルは、前王が亡くなった時点で国王に即位。王弟である「フランツパパ」は、おそらく気楽な身分の「公爵」となっているでしょう。彼が野心のない人なら、息子のフランツものびのび育てていると思われます。ところがある日、変わり者で後継者のいない兄王シャネルから、フランツを養子によこせという話になります。「フランツパパ」はもちろん断れず、言う通りにせざるをえません。フランツは両親から引き離され、お城に連れてこられ王子として教育を受けます。王子として大事にはされるものの、厳格でケチなシャネルとの生活はちっとも楽しくありません。フランツは小さい頃の自由な環境が忘れられず、ときどき城を抜け出して遊びに行ってしまう…。この仮説は今の状態に合っていると思えます。

 仮説3:「フランツママ」が、シャネルと兄弟(姉弟)

今度は「フランツママ」がシャネルと縁続きの場合です。仮説2と同様にシャネルが掟通りに国王に即位。王姉または王妹である「フランツママ」は、国内の有力な貴族か、外国の王族と結婚しているはずです。その息子フランツが次男か三男ならば、後継ぎのいない母の実家に養子に出されてもおかしくありません…。結果的には、仮説2と同じ状態となり、矛盾点はないと思います。


以上、私としては、仮説2または3がお勧めです。これらの場合、フランツはかわいそうですが、両親が生きているより、すでに亡くなっていた方が自然でしょう(中世に流行ったペストか何かで)。フランツはゴールドランド城の他に行くところがなく、王子として生きていくしかない方が話が合います。


以下は「おまけ」です。ちょっとドラマチックな設定を考えてみました。


 おまけ1 「シャネルの愛憎」編

王妹である「フランツママ」は身分違いの恋をして、駆け落ち同然の結婚をする。もちろん、兄王のシャネルは許すはずもない。しかし、お姫様のフランツママは無理な生活がたたり、フランツを忘れ形見として夭逝してしまう。愛妻を失ったフランツパパも後を追うように亡くなる。シャネルは後継者がいないこともあり、しぶしぶフランツを養子にする。実は、シャネルは「フランツママ」に対して、密かな思慕を抱いており、その肖像画をいつも肌身離さず身につけている。そのためいまだに結婚もできない…などとすると、2世代にわたる愛憎劇が描けそう…。

 おまけ2 フランツの「瞼の母」編

実は、亡くなった「フランツママ」は「亜麻色の髪の乙女」にそっくり!フランツは、無意識に優しかった母の姿を「亜麻色の髪の乙女」に求めるのであった(ありがちかもしれない設定かな…)。



 CHOBOKOから 
以上tennyoさんの「ゴールドランド王家の謎」についてのご考察でした。サイドストーリーなどをいろいろ想像してみるのも面白いですね。