自作エコキュートの製作  
エコ給湯器の製作で省エネ





エコ給湯器の製作
 最近オール電化で有名になってきた「空気の熱でお湯を沸かす」のエコ給湯器、我が家でも導入したいのですが、購入して導入と言うのでは面白くないし置くスペースも無いので、少し工夫して製作してみることにしました。
この給湯器は燃料を燃やした熱だけを利用するのではなく、ヒートポンプと呼ばれる機構を利用し、空気に潜む熱を集めて水の温度を上昇させる給湯器です。(ヒートポンプ給湯器)
作り方はさほど難しくは無く、市販のスポットクーラーを少し改造するだけで給湯させることが可能です。
また、この給湯器は夏場は部屋の中で動作させると排気が冷たいのでそのまま冷房となり、ある程度の除湿もしてくれます。
ガスや電気のみで給湯するよりCO2排出量もかなり少なく、燃料費もかなり少なく済み冷房にもなる一石三鳥のこのエコ給湯器、まだまだ面白い使い方ができますが、とりあえず冷房給湯器というところまで、まとめてみたいと思います。

同じく製作したい方は熱交換器部分が腐食する恐れがありますので、自己責任の範囲内で注意して施工してください。


■ 機材を準備しよう! 


スポットクーラーでいこう
これが今回実験用に用意したスポットクーラーです。 小型で除湿・冷風機として2004年に売り出されていたもので、COP=約3ということで計算上では十分な性能がありそうです。
オークションで1万円で入手し、どの程度の改造でできるかは観てみないとわからない状態でした。
当初は普通のエアコン室外機に小型の熱交換器付けて改造しようかと考えましたが、室内に十分置けるこちらにしました(エアコンの方が効率もよくパワーもあるのですが)。
排気の熱を利用する
冷風を出してみると、後ろの排気口からは40℃程の熱風出ており、冷風側は25℃程の涼しい風が出ておりました。空気相手でCOP=3ですから、水ならそれ以上が期待できます。
ちょっと中身拝見
さて、分解してみるとやはり単純な仕組みで熱交換器が吸熱・廃熱で2つありその間にコンプ レッサーがつながっている状態で制御系は温度センサーと満水センサーなどが主だったもので特に難しい制御はありませんでした。 後の予定しているコンプ レッサーのインバータ制御も簡単にできそうです^^。
さて、改造しましょ!
(2008年7月3日)

■ 組み立てましょう! 



熱交換器を改造
さて、早速改造開始。 熱交換器を1.2mm〜1.6mmのステンレス板を加工し水を通すようにします。
水の流れがフィンに効率よく当たるように工夫しました。 また、腐食を防止するためのシーリングと防錆加工も忘れずに。 このステンレス板は昔に画像認識の仕事でサンプルとしていただいたものを無駄なく利用させていただきました。 購入すれば1万円ほどします。
メンテナンスを考えて!
メンテナンスのことを考えて上部を開閉可能にしました。そのほかの箇所はシーリングとボルト締め&溶接で水漏れしないようにきっちり加工です。
イン・アウト
これが熱交換器の上部に着き、水の出入り口です。 しっかりボルト締めしてシーリング。 水漏れしないようにしっかり作りましょう。
熱交換器完成!
ホースをつないで水を流してみます。水漏れ無し!
写真には無いですが、熱交換器を断熱材で覆い熱を逃げにくくし、さて次は起動実験ですね^^
起動実験!
実際に水を流してみてコンプレッサーも電源オン!。 水がだんだんと温かくなり50℃付近まで来たところで完了。 一安心で起動実験成功です。
さて、次は風呂を沸かしてみよう〜。
(2008年8月8日)

■ エコ給湯器 起動! 



風呂に水を入れます
まずは水張り、150〜170リットル程入れます。夏場はこれで十分です。
シャワーするだけなら家族4人で120リットルもあれば十分でしょう。
バスポンプで水を循環!
少し大きめのバスポンプに交換して流量アップ。 右のノズルから温められた湯が出てきます。
十分フタをして!
十分保温して、ホースも野外まで届くように10m用意してホースには保温加工を施しました。
この方がいいかな?!
おっと、冬場大活躍する保温シートを入れ忘れていました。 これでもう少し効率が上がるでしょう。
配置はこんな感じです
これで、和室とLDKを夏場は冷房しながら給湯することができるようになりました。

 

さて、効果は?!
動作実験の結果ですが、COPに波があり気温に左右されていることはあたりまえなのですが、室温が真夏の28〜32℃付近ですとCOP=3.3〜4.5といったところで、平均すれば4くらいになりました。
配管など工夫してもう少し効率を上げて5以上になるように改善しようと思います。専用の断 熱されたタンクではなく湯船がタンクですから製品のようにはいかないようです。 夏場の場合1時間半あれば40℃以上に給湯できます・・ん〜普通のお風呂 ですね。 夏場はシャワーで十分なのですが毎日お風呂です・・もったいない(笑)
項目
 ガス給湯器  
 エコ給湯器  改善
消費ガス/電力
0.129(m3)
0.44(kwh) -
CO2排出量(kg) 0.301 0.180 -0.121kg
(-40.04%)
料金(円) 19.39 9.68 -9.71円
(-50.07%)
条件:COP=4.09/水量172リットル/室温30.5℃(65%)/給湯時間1.5時間
ガス給湯器の値は、エコ給湯器と同条件で給湯した場合の値で我が家の給湯器の場合です。
補足:COPとは、エアコンの冷暖房能力(2.2kwとか2.8kw・・)を、平均消費電力で割った値のこと。 大きいほど能力が上(省エネ)になる。 大きな値になるほど、少ない電力で沢山の仕事(熱交換)が出来ると言うことです。

結果を吟味
夏場は冷房と同時に給湯ができるので重宝しますが、秋以降気温が15℃以下で室外設置したときにどうなるかが楽しみです。実験装置としては今も十分な働きを毎日してくれています。
同じことをガス給湯器でやらせるより40%程CO2削減ができ、約50%の費用で給湯できることは言うまでも無くメリットであること間違いありません。 あとは、自動給湯させるように改善すればよいだけですか^^(夏場の話)
それにしても、総費用2万円でここまでできましたので、十分な成果だと思います。
ガス消費量も給湯以外使用しますので1ヶ月3〜5(m3)で千円以下になりそうです(夏場の話)。
でもって冷房を入れているこの時期、このエコ給湯器を動かしている間、冷房は切りますので電気代の増加は相殺されてほぼありません。

裏話:
各社出ているエコ給湯器がうちのマンションには設置できないのと、色々な使い方ができるのにまだメーカーがやらせていないことが沢山あるので作ったしだいですが・・メーカーさん、タンク無しでいいからもっと安く小さくならないのか?と思う今日この頃です。
まあ、自分で何でもやれば安く済むのは当たり前なのですがね^^;
(2008年8月20日)

■ エコ給湯器を考える 



エコ給湯器はほんとうにエコ?
これは私も考えましたが、給湯を目的とするなら太陽の熱のみでお湯を沸かす太陽熱温水器の方が遥かに優れています。費用面で半額、おまけに電気はほとんど必要ありません。 しかし、曇りや雨の場合十分な温度まで給湯はできませんが。
こう考えてみると、いちいち電気を使って空気の中に潜む熱(潜熱)を集めて給湯することを毎回せずとも、この太陽熱温水器など自然エネルギーとうまく組み合わせ、長所を組み合わせれば電気の使用量・CO2排出量もぐっと減ること間違いありません
しかし、電気会社も電機を売らねば商売になりませんし、タダで手に入る自然エネルギー導入は問題があるのでしょうか・・・。
また、市販のエコ給湯器はタンクに深夜電力を使用して90℃まで加熱し利用するであろう 12〜20時間後までタンクに溜めておくという実に無駄なことをしています。 深夜電力の有効利用や割安感はわかるのですが、省エネの基本である、「必要 なときに必要なだけ給湯する」方がメリットが大きいと私は思います。 
また、電気とガスも長所を生かした方が省エネでCO2削減できることは「VS」のコーナーでも証明済みです。
排熱利用について
廃熱を家庭ではたれ流し状態で実に無駄な使い方をしているのにお気づきでしょうか?
シャワー・風呂・食器洗い乾燥機・料理のゆで汁など下水に「資源としての水」と「エネルギーとしての熱」を両方とも捨てていることを考えましょう。
この熱の再利用を行うことでかなりの省エネを実現することができます。 我が家では、シャワーなどの廃熱利用を既に行っております。 約3割ほどシャワーの際のエネルギーを抑えることができます。 いずれ紹介したいと思います。
また、風呂の残り湯など、冬場は今回製作したようなエコ給湯器をうまく使えば夜の暖房に使うことができます。
また、冷蔵庫の熱だって吸収することで冷蔵庫の消費電力を抑えたり給湯に役立てたりすることができます。 これもいずれ紹介したいと思います。
風呂の残り湯を洗濯で使うだけでなく、色々な使い方ができること皆さんイメージしてみましょう。 メーカーさんも頑張って!。
製作したエコ給湯器
さて、ちょこっと作ってみたエコ給湯器、小さくしたにはまだ理由があり、マンションでもうまくすれば500W位の太陽電池を置くことができるので、それを補助電力としてエコ給湯器を動かそうかと考えております。 本体とポンプで310W程ですからちょうどよい感じです。
それ以降を考えると、冬場には太陽電池だけではなく太陽熱との連携が取れるようにするのがベストですね。
それに、色々とつなげ放題、複数使って面白いこともできますし、楽しみが沢山あります。
またいずれ紹介したいと思います。(いつになるのかな〜??)
(2008年8月20日)


2008年7月3日〜
最終更新:2008年8月20日


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