■ソーラー調理器の制作■
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■実験データは小型ペットボトル温水器を参考に
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昔、別の実験で作った小型ペットボトル温水器のデータがあります。 このペットボトル温水器も蓄熱式で、今回の物との違いは、反射板の有無だけです。
ソーラー調理器の蓄熱特性などまとめた物が見当たらなかったので、このデータを参考に計算で反射板などの大きさを決めてみました。 使用する材料が加工しやすい木材を使用しますので、温度が上がりすぎて燃えないように季節によって反射板の大きさを換えれるように脱着が可能なようにしました。 木材は低温でも着火する恐れがあるので、100℃位迄温度上昇すればよしとします。 |
■実験用ソーラー調理器制作
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■ソーラー調理器本体を作ろう
さて作業に取り掛かりましょう。 まず、材料を集めなければなりません。 ホームセンターで手に入るものばかりで構成しました。 木材は6mmと10mm程度の厚さのベニヤ板と断熱材。 大きさは1800×910mmの一般的なもの。 あとは、板ガラスや塩化ビニルの透明板とその他金具(丁番など)があれば作れます。 写真は箱の外枠です。 地球は傾いて回っているので水平ではなく入光角度を24度程とり、効率的に入光できるようにしました。(2007年3月3日)
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■断熱材を敷き詰める
さて外枠ができたところで、内枠との間に断熱材を敷き詰めます。 この断熱材はけっこう性能がよく、熱湯をかけても変形しませんでした。 このような発泡材は熱に弱く、80℃位までしか使えないものが多いです。 もしこれでも今後変形するようであればグラスウールなど入れたいと思います。 要は熱対流を防げばよいわけですから。 |
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■内枠を作ろう
さて、内枠は外枠の少し小さめにカットして組み立てます。 黒のアクリルラッカーで内側のみ塗ります。 よく乾かして臭いが残らないようにしましょう。
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■内枠を入れてみる
さて、内枠を黒く塗ったものをはめてみます。 もう一度塗装臭がないか確かめます。 よく乾かして臭いが残らないようにしましょう。 臭いが少しでも残っていると野菜などに臭いが移ってしまいますので注意。 |
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■フタに使用するガラスをカット
さて、フタに使用するガラスをカットします。 ガラスは普通のガラスで透過率は90%と言ったところでしょうか。 暑さは3mmの物を使用しました。 ガラスをカットするのはけっこう簡単です。 専用のカッターを用意して、一回でさっとなぞるだけでパリッと割ることができます。 でも、カット面は危険なので粗めの砥石できれいに面取りしましょう。 |
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■フタにガラスを接着
さて、フタにトリマーでガラスがはまるように溝を掘り、ガラスをはめ込みます。 ガラスを2重にしてペアガラスにするとさらに効率がよくなると思います。 |
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■箱のはこれで出来上がり
フタが写真のように開くように丁番で取り付けました。 写真にはありませんが、密閉するために、上のフタに耐候性のスポンジなど貼るとよいと思います。 実験では熱でやられるかと思いましたが大丈夫でした。 |
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■反射板を作る
さて、反射板ですが、口径を60cmの正方形になるように考えました。 6mmのベニヤ板に反射フィルムを貼りました。 アルミホイルでも十分だと思います。 但し、反射面はアルミ製が一番よいようで、安価で熱線を効率よく反射してくれます。 ステンレスなどでは耐候性と言う意味では優れておりますが、反射率が劣ります。
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■とりあえず完成
さて、反射板を組み付けてとりあえず試運転できるようになりました。 早速実験してみよう。 |
■実験開始!
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■何を調理してみよう?
とりあえず、サツマイモ2個、ジャガイモ2個卵、3個と少量の水で合計500g。 これを密閉パックに詰め込んで、調理箱に入れ調理スタート。 (2007年5月15日) |
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■こんな感じで入ってます
こんな感じで入ってます。 白い紐は温度センサーの線です。 |
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■ベランダに置きました
家の狭いベランダに、ブロックで台を作って設置してみました。 重いので強風が吹いても大丈夫です。 5時間ほど日照を得ることができますので十分でしょう。 さてどうなりますか?? |
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■できた?のか?
さて、フタを開けて、取り出してみました。 できてるかな?・・わくわく・・。 |
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■サツマイモ
早速袋から取り出し割ってみた・・その前からフタを開けたときからいい匂いがしていた。 味は?・・美味い。 ちょっと感動しました。 |
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■ゆで卵
ゆで卵・ジャガイモもばっちりできてました。 早速晩御飯のおかずになりました。 黄身までしっかり陽?が通っていました。 |
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■結果発表
うす曇が少しある晴れたり曇ったりの1日でしたが、十分に調理できました。 1kgくらいなら問題なく調理できると思います。 最高温度は80℃、約4時間で出来上がりました。 もっと天気が良ければ2時間くらいで調理できると思います。 これで、かなりの燃料を使わずにすみました。 お日様のエネルギーを体に取り入れて充実した気持ちになれます。 ご馳走様でした。 実験がうまくいったので少し改善して塗装、晴れた日はこれでできるだけ調理して行きたいと思います。
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![]() これは、2007年5月15日のデータです。 |
■今後の予定
4千円程の費用で作れましたが、もっと軽量で安く効率の良い物や、多面鏡を利用した集光型の物を作りたいと思います。
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