エア・ギア

 今更ながらミュージカル「エア・ギア」レポ。初演の方ですすみません。先日まで東京でやっていた再演は、主演のケンケンが入院で降板ということで、ライバルチームのリーダー・ロミオ役の上山くんが主役のイッキにスライドでした。そちらは観ていないのですが、どうだったのかな。それはそれで観てみたかったです。

 観に行く前日に慌ててアニメを6話くらいまで見ました。や…あとからコミックスも読んだんだけど、あのアニメ…。ちょっと最近アニメとかから離れてるので、私のオタ的勘が鈍ってるのかもしれないが、原作付アニメを、アニメから見ると、こんなに説明不足なもんかね。最近のアニメってそうなの? それともこのアニメがおかしいの? なんかちょっと展開が、個人的にすごく気持ち悪かったです…。漫画の方はそこそこ面白かった。

 さ、客層はまったくもってテニミュと同じだが、マガジン連載で原作が大暮維人、美少女4姉妹の家に居候の主人公、ギャルが空とぶインラインスケート履いてミニスカートでポロリもあるでよ! なんてちょいエロ漫画、テニミュファン層がそうそう読んでいるわけもなく!
 それを踏まえてかどうかは知らないが、マベの作る舞台らしく女ッ気皆無。

 美少女バトル漫画から女ッ気を排除するというこの漢気。

 原作を楽しく読んでいる層(男性客)を全面無視というこの漢気。


 素薔薇しいですな。



 舞台化に至る経緯を想像すると、舞台でインラインスケート! 見た目にこれって面白くね?! という発想だけで作られたに違いないね!(言いきった!)でもこれは実際面白かった。
 あと、オモロイことのできるイケメンがこんだけ揃えば、それだけでもう。という主人公チームそしてオリジナルの敵チーム。特撮系のイケメン連れてきましたー!
 そしてウリは、アニメ版主人公声優が鎌刈健太、そのケンケン自身がその主人公イッキ役で、親友のカズ役のKENNがそのカズ役で、さらに「八人の王」の一人スピット・ファイア役の津田健次郎ことつんちょ(逆だよ馬鹿)もがその役で登場、という豪華?布陣。なんつか本人だもんなあ。でも最高にキャラらしかったのはブッチャだったよブッチャすげえよブッチャ…。

 あと話はてきとう。でもアニメの方がもっとてきとうぽかったので別にいい。漫画最新刊まで読んでストーリーが適当でなかったら謝りますけどまだ3巻までしか読んでないのでなんとも。でもこの舞台のキモはイケメンとスケートであってストーリーじゃないんで別にいいと思うよ。他に見所あるなら別にいいやんな。

 私がみたのは千秋楽一回きりだったので、お前たちその声をなんとかしてこい(笑)と言いたくなる枯れっぷりの主人公チーム。ケンケンだけじゃなく、歌の柱になるだろうケンヌまでもが…おお…。でもまあ仕方ないよね。頑張ってる感でカバーです。



 さて。


 ストーリーは、空飛ぶインラインスケート「エアトレック」を履くライダーたちが、その誇りを賭けたチームのエンブレムを奪いあい、「上」を目指す、という設定から美少女要素を全排除したオリジナルストーリー。
 オリジナルの敵、オリジナルのストーリーというのは、例えばテニミュなんかじゃ全然ニーズないと思うのですが、それでいい作品というのもある。特に今回原作知らない客が大半かもしれないし!(笑)
 NARUTOのミュージカルもそうだったんだけど、オリキャラの設定に「舞台」という媒体を上手く生かしています。NARUTOの時は歌声に力を持つ一族。今回は舞台となる東中(ヒガチュー)の演劇部に潜む闇のライダーチーム「バッカス」ということで、登場人物も「ロミオ」「ハムレット」といった名前、芝居がかった振舞いで派手な衣装、試合も舞台にみたてて脚本通りに進めるのさ! みたいなそんな感じ。というかこのバッカスチームだけでなんかネタできるよ! ってくらい面白かったわ。ていうか、な、なんだ、この人たちもともと5人中4人でひとつのユニットなのか。そら息もぴったりやわなあ…。

 そして主人公チーム「小烏丸」はまだ弱小チームにも関わらず、主人公イッキ(ケンケン)を興味津々に見守るAクラスライダー、スピット・ファイア(つんちょ)。
 つんちょはももももも〜面白いよ! 演技は当然うまいというかもういるだけで面白いわ!(誉め言葉?!)ミュージカル初挑戦なんだそうですが、今まで出てなかったことが不思議なくらいだ。声優としてのつんちょも大好きなんですが、舞台人としてのつんちょはもっと好きかもしれない。大阪ではなかなか観れないのが残念だ…。
 割りとカッコつけた役のスピット・ファイアさんなので、あまり背の高くないつんちょのこの役っぷりを、前日に観てた某ふじやんは「要するにつんちょのコスプレ」と評していました(笑)。アニメ版は特にカッコつけたスカした雰囲気だったので余計そんな感じはするんだけど、原作はもっと初っ端からヘンな人だったので、舞台から受けた「脈絡無くスパッと高いところから現れてスカしたセリフ吐いて去っていくかっこいい変態」というイメージは、別に間違ってはなかったっぽい。ピンチを救ってくれないタキシード仮面みたいだ。
 アニメ版の声優やってるくせにアニメ版より原作版に近いってどうよ。つんちょカラー出過ぎなんスよ。いや全然OKやで?
 ともかくここでもそもそもイッキに目をつけてたのは美少女ライダー・シムカだったはずなので、その要素を抜くと、変態が美少年を追いまわしているようにしか見えません。いや全然OKやでこれホンマ。
 チーム「バッカス」のリーダー・ロミオとの会話で、イッキについての忠告を持ってきたスピット・ファイアさんに、ロミオが若干嘲笑まじりの挨拶で、慇懃無礼にすっと頭を下げる別れのシーンがあるのですが。スピット・ファイアさんが、その頭を上からさらに軽くですが押さえつけて、もっと深く下げさせるってシーンがあって! なんかもうどっちも丁寧なくせに相手をこれっぽっちも敬ってないとこがステキ! でした! 腹の探りあい冷たい戦争なんだけど、力関係ははっきりスピ(略)さんの方が上なので、ロミオは表向きス(略)さんには丁寧な態度、でも裏では見てろ俺がのし上がってやる、イッキ? あんなのに何ができるっつうんだこの人何言ってやがる、ってな感じなのね! それが見え見えだから、ス(略)さんも「どういたしまして」と笑いながらも、頭が高いよキミ、という感じなの!

 そう、その敵チーム。リーダー・ロミオの冷静かつ熱く、リーダーらしく、笑いもとる達者な演技。マクベスの姿の良さはバツグンだし、パックの軽妙かつキレ気味の演技も可愛い。ハムレット…はごめんなんかあんまり覚えてないや(笑)。なんでだろう。
 私全然詳しくないんだけど、「RUN&GUN」ってグループなんですね4人とも。吉本興業所属ってアイドルなのかお笑いなのか昨今のイケメンはその両方がこなせないといけないのか(笑)。まあそうだよな。顔が良くてもオモシロくないとな。
 それからジュリエット。男なのにジュリエットとはこれいかに。なんですが、上手かったあー。当然のごとくロミオと絡みまくるんですが、キレイな顔でキレイに女の子っぽくするので、普通に美女でした。後に登場する男らしい面とのギャップにのけぞる。上手い。マジレンジャーの黄色のひとだそうで、マージマジマジ〜カ! とか呪文やってくれました。

 で、主人公チーム。なんとなく最後に回してしまったが、特に他意はない。

 ケンケンはもう本人なんで(笑)あれなんですが、もう擦り切れんばかりに頑張ってる感じで、声もがさがさだし、頑張りすぎて大丈夫かって思いました。でもこんなハードな舞台を一本座長でやりきったというのが、彼の役者人生にどんだけ糧となることやら。笑いもとるしテンポもいいし、主役向きのキャラをお持ちだったんだなーと、テニミュしか観たことなかったので、へーっと思いました。
 加治が出てるとは聞いていたが、まさかオニギリ役だったとは…。最初目を疑ったが、写真のあまりのオニギリっぷりに、誰こんなベストキャスティング思いついたの! とその福々しいりんごほっぺを見つめてうっとりしました。うっとり? なんか「太臓もて王サーガ」の王子がイケメン8頭身になったらこんな感じ。この漫画はテニプリパロも多いので読んでいる人もいると思うが、王子って大石秀一郎に似てるよね。友人に説明するとき私いつも「大石を三角にしたような顔」と言います。みんな多分一瞬大石の全身を三角形にはめようとして「?」ってなる。顔だよ顔。髪型。
 カズは、原作読んでみるともうまさにケンヌそのままでオッケーって感じ!(笑)いやもう、他に言うことない(笑)。
 二重人格の美少年、アキト&アギトは可愛さと凶悪さがよくでてて、達者だなーと思いました。

 冒頭にも書いた舞台でスケートってのは、客席にまで滑走路という(でもこれ怖いだろうなあ暗い客席で滑るの…)臨場感も含め、初めに見たときは、おっ面白い! このスピード感! と思う。が、まったく逆の効果も生んでしまう。狭い舞台では助走もろくにつけられず、役者たちはメッチャ頑張ってるけど技術的に難しいモンもある。いや、充分観るに耐える技を習得してきてるんですけど、短期間の練習でも。ほんとほんと。
 でも、本来ダンスの上手いケンケンなんかが、スケートを履くことで、踏み切ったり飛んだり跳ねたりすることが出来なくなってる。スケートで逆にスピードを殺されちゃってる面があるのです。本来もっとシャープに動ける人なのに。

 途中早口言葉で対戦するとこがあって、敵チームの皆さんが、わーっと毎日違うお題に挑戦するんですが、何故かしゅばっとイッキ(ケンケン)とスピさん(つんちょ)も現れて挑戦してくんですが(笑)、つんちょは出だしですぐとちって、あーもう一回もっかい!!! と往生際悪く拝んで、ロミオ(上山くん)が「あ…じゃあもう一回…」とリトライをオッケーすると、ケンケンがえっそんなのアリなんだ?! ひっでー津田さんだけずるい!! って感じにゴネてて可愛かった(笑)。

 あ、そーだ。私今まで観劇マナーうんたらって、オフでもオンでも言ったことねえと思うんですけど、前の人じゃなく横の人が邪魔で舞台が見えないのははじめての体験でした。ザッツ公害。千秋楽の2階席最前列にいた心当たりのある人はいかに自分がウザがられているか想像してみるがいいと思うが想像できないからやるんだろうな。

 で、漫画全巻読みました。んん…突っ切ったマイウェイを進む作者だなあ。面白かったようなそうでもないような、でも読んで損するような漫画じゃない少なくとも。んで全部読んだ後に振り返ると、果たしてこの舞台が『エアギア』だったかどうかは甚だしく疑問。…ま、いいか。

 ところでどうやら続編があるとしたら、チーム『超獣(ベヒーモス)』編あたりいかがなもんだろうかッッ! いや単に、鬼畜理系攻眼鏡の『時の支配者(アイオーン・クロック)』さんが素敵にホモでとてもよろしいだけなんですけど。つかエロ少年漫画に鬼畜攻眼鏡ホモって場違いにも程がある、ってんで存在そのものが間違っててとてもイイですね!(笑顔で!)他のキャラも美形ばっかでいいと思うんだけど、チームに女キャラがいるからダメかー。今更スク水仮面(人名)とかも出せないしな。やーでもアイオーンさんは、スピさんに次ぐ名バイプレイヤーになると思うんですけどね。


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