A certain peaceful afternoon |
||
| ちょっと前まで、魔物がウヨウヨいた魔の森。 この世の行く末をかけた戦いの後は−? 魔の森の一番奥に人から“大賢者”と呼ばれる青年の住まいが佇んでいる。 魔物が出てこなくなった今でも、人が訪れる事は皆無に等しい。 ただ、青年だけが、塔と賢者の学院をいったりきたりとしているだけだった。 そして、そんな魔の森の塔を珍しくも訪れる人物がいた−。 「A certain peaceful afternoon」 「やぁ、桜乃姫……手塚も……どうしたの?」 にっこりとした笑みを口元に浮かべる。 「おばあ……じゃなくて、女王様からの親書を持ってきたんです」 そう言って、彼女はニッコリと暖かな微笑を向ける。 その後ろにいる手塚は、全然、変わらないけどね。 「よく来たね…取り敢えず、入って」 「え……」 「せっかく来てくれたんだし、お茶でも入れるよ」 「あ、はい……お邪魔します」 律儀に彼女はお辞儀をして、塔へ足を踏み入れた。 お世辞にも広いと言えない塔の中は僕の調べ物用の本や器具が散乱していて、更に狭く感じる。 「あはは……ごめんね。この前まで調べ物してたから……散らかってて」 若干、苦笑しつつも「適当なトコに座って」と彼女達に促した。 「あ、はい」 そう答えながらも、彼女は、興味深そうに、積み上げられた本の山を見ている。 そして…。 「あ……この本……」 「え?」 そう言って、彼女が手に取ったのは、絶版になった詩の本だった。 「あぁ……もう絶版になったんだよね。その本」 「はい。ずっと探してたんですけど……」 「何なら、あげるよ?」 「え?」 僕の言葉に、彼女は一瞬、キョトンとした顔を見せる。 そして、その後、激しく首をブンブン振った。 「え……遠慮しますっ!! コレ、大変貴重な本でしょう!? 頂くなんて…そんな事!!!!」 「でも、探してたんだよね?」 「そ……そうですけど……」 「なら−−−」 「ダメです!!」 僕のセリフの語尾に、彼女のセリフがかかる。 彼女は時々、こうやって呆れるくらい頑なな時がある。 「頂く事は出来ませんけど………あの……この本、読ませてもらってもいいですか?」 「……どうぞ」 それでも、この本に興味が無い訳じゃないらしく、少し顔を赤くして、僕に尋ねてきた。 そんな彼女が可愛くて、クスッと小さく笑って、僕は頷いた。 「うわぁ……」 感嘆の声をあげて、彼女は窓際で本を開いた。 その隣−。 いつもの指定席に座って、僕は本を開いた。 手塚はその反対側の壁によりかかっている。 その内、彼女は詩の朗読を始めた。 よく通る澄んだソプラノが辺りに響く。 それは聞いていて、ともて気持ちの良いもので。 フワフワとした…何かに優しく包まれているような−そんな感覚におちいった。 「………寒っ」 吹き抜ける風の冷たさにフッと意識を取り戻したら、外には夕闇が迫っていた。 気付かないうちに、いつの間にか寝ていたらしい。 僕の体には毛布がかけてあり、読みかけの本の上には、彼女の書いたメモが置かれていた。 −起こすのが忍びないくらい、よく寝ていらっしゃったので、起こさないで帰らせて頂きました。 お疲れの用なので、ゆっくりと休んでくださいね。 あ、本お借りしました。 また返しに来ますね。 クスッと微笑がこぼれる。 こんな穏やかな午後は久しぶり。 彼女(+手塚)のおかげ………かな? − Fin − ++++++++++++++++++++++ − 後書きと書いて、言い訳と読む − 「Snow in Savanna」の光樹 裕也様から頂いたキリリクイラストが余りにも素敵で、そのイラストを見ていたら思いついたSSです。 ……………一言言うなら、撃沈。 う−……頂いたイラストの100分の1も雰囲気が出せませんでした(泣) 反省いたします。 戦いが終わった後の、平和な日常を書く努力してみました。 青春王国の女王の親書を渡す為に、手塚と共に不二のいる塔を尋ねていった桜乃ちゃんの話です。 一応、不二視点。 のほほん、ほんわかを狙ったつもりなんですが…どうでしょうか…。 あ−、すごい訳わからない話になってますね(汗) ラストなんて訳、わからなさすぎ。 しかも、今気付きましたけど、手塚一言もしゃべってません(^^;) リョ−マ風に言うなら「まだまだだね」です。 あう−、光樹様、ごめんなさい〜。 素敵なイラスト台無しにしてしまって。 素敵過ぎるイラスト、ありがとうございましたvv 2003年9月22日拝 御神楽 聖 |
||
Cat Companyの御神楽聖様(白凪凛様)にいただきました、 |