■第二章 前書きのようなもの
ここからは西暦1934〜35年に行われた太平洋戦争、そしてそのケリをつけるための講和会議、そして1936年に締結される予定のロンドン海軍軍縮条約の後の世界について、できるかぎり、今までと同様の調子で記録していきます。
ただし、この世界がどのような経緯をたどっていき、その結果「RSBC」になるのか、「八八艦隊物語」や「軍艦越後の生涯」になるのか、はたまた「パシフィック・ストーム」になるのは、この文章を書いている時点では筆者にも分かりません。
「小説」という形でなく、この文章形態を選んだ理由が、実のところこの点にあるからです。
なお、妙に賢明な日本政府や、史実のように滅びに向かってまっしぐらな日本を綴っていくつもりも、執筆を始める今の段階ではあまりありません。(日本海軍の組織的欠陥については、これまでの歴史改変などによりある程度合理化され、問題点も少なくなっているものとします。でなければ、末路は史実と同じとなりかねないので(笑))
よって、可能な限り国力こそ大きくなっているが、当時の常識的外交感覚を持ってあがく日本の姿を見ていきたいと思います(自発的に賢明な昭和日本など、あまり似合わないですからね(笑))。また、他の列強との関係も、日本が元気いっぱいで、アメリカがこけてしまった以上、分かりやすく二色に分けられるという、史実や火葬戦記によくあるような事態にはならないと思います。それは、欧州列強にとって、アメリカ合衆国と大日本帝国があまりにもイレギュラーな存在だからです。
あと、有色人種国家たる日本の増長が、白人だけて行われているゲームにどれほどの混乱と齟齬をもたらすかも、できればそれも見れればと思います。
ですから、これ以後は八八艦隊の鋼鉄の戦乙女たちには、選ばれた外交判断によっては、多少不本意な歴史的経過を辿るかもしれませんが、その点はご了承ください。
ただ筆者的には、アメリカとのダニエル・プラン艦たちに勝利した時点で、彼女たちの役割は終わったと思っており、後はなるべく穏便に退役して、どこかの港でのんびり過ごしてくれないかと願っております。
(ゆえに、日本は戦争の傍観者で過ごすかも知れません。)
それでは、しばしまたお付き合いください。
なお、第二章はその性格上ブラウザーの「戻る」を使わない限り、引き返す事はできなくなります。ご面倒かもしれませんが、よろしくお願いします(まあ、横のフレームからいけますけどね(笑))。また、複数の道を選んだ場合、経緯の説明、戦力見積もり、戦闘経過など似たような記述が登場する事になりますが、その点もご了承ください。
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