■英軍最後の反撃
41年の夏までに実質的にインド洋から追い出されてしまった英国でしたが、だからと言って素直に印度を諦める訳にはいきませんでした。また、同様に中東も日本海軍によりインド洋が海上封鎖されており、こちらも早期に何とかせねばなりませんでした。 でなければ、本来英国本土に流れるべき様々な物資の多くが滞り、しかも中東や印度に送るべき増援も送れませんし、逆にこの方面からの増援を呼び込む事もできません。 まことにもって英国にとって都合の悪い事ばかりです。 しかし、41年いっぱい、日本がアメリカとの戦争を始めるまでは、同方面の日本軍の圧力があまりに大きく、しかも東部印度に対する攻勢すら継続しており、一度壊滅的打撃を受けた英国としてはとても手が出せる状況にはありませんでした。
ですが、ここでチャンスが到来します。日本は愚かにも大英帝国だけでなく、ソヴィエト連邦、アメリカ合衆国とすら戦端を開き、ドイツと共に全世界を相手の戦争を始めてしまったからです。 必然的に、印度に対する圧力も低下しました。 しかも、日本は東部インドに無理矢理攻勢をしかけて、本来なら完全な守勢で維持すべき兵力を消耗させています。 このスキを狙って、「一時的」にインド洋を制圧した日本軍から、これを取り戻すのです。 また、この時を逃せば、ドイツ軍の攻勢がさらに強まり、本土以外に兵力を送るゆとりすらなくなるかも知れません。そして、今取り戻しておかねば、戦争資源の問題から今後の継戦能力に大きく影響してしまいます。 かくして、英国によるインド(洋)奪回作戦が開始されることになりました。 時期的には、1942年初頭。日本が西部太平洋でアメリカ軍と熾烈な攻防を繰り広げている時期です。 この時日本軍がインド洋に展開していた兵力は以下の通りです。
■海軍(機動戦力のみ) 第八艦隊(遣印艦隊): BB「高千穂」、「穂高」 CVL「日進」、「瑞穂」(艦載機約60機) CG:4隻、CL:1隻、DD:12隻 他 SS:30〜40隻(常時1個潜水戦隊が各種任務中)
■航空戦力 海軍航空隊(主力はセイロン):約150機 陸軍航空隊(主力は東インド):約300機
■陸軍 セイロン (自動車化)歩兵2個師団 戦車1個連隊 東インド (自動車化)歩兵3個師団 機甲1個師団 1個空挺旅団
兵力的には、二線級の戦力ばかりの在インド英軍に対する攻勢防御用としてなら十分なものと言えますが、本格的攻勢にさらされたなら、いささか不安と言える兵力量です。 また、これ以外に海上護衛総隊の護衛艦隊が頻繁に出入りしており、兵站線維持と潜水艦対策はこちらに任されています。 なお、ドイツの潜水艦もいくらかこの地域に派遣されているでしょう。 しかし、太平洋で激しい殴り合いをしており、シベリアに陸上戦力の主力を吸収されているので、これ以上の増援は望んでも得ることはできません。何があろうと、これで何とかしなくてはいけないのです。 これに対して英国がこの方面に展開している兵力は、現状ではこれだけです。
英インド方面軍 ■RN BB:「R級」2隻 CL:2隻、DD:12〜18隻、SS:10〜14隻
■RAF 各種200機程度
■RA 英インド師団4個 空挺旅団(ウィンゲート旅団) 他警備部隊多数
つまり、攻勢など以ての外、肝心の洋上機動戦力については、日本軍が引き上げた後でも劣勢と言うことです。しかも海軍は、そのほとんどが海上交通線の防衛と日本側のシーレーン破壊の為に行動しており、日本の機動戦力の前にかろうじて対抗できるのは、ブラフとして置かれている旧式戦艦とわずかな護衛だけです。 その上、空軍戦力も東部で消耗し尽くして、目も当てられない惨状です。 要するにインドの巨大な大地そのものを縦深のある防波堤として、かろうじて日本軍の攻勢を防いでいるだけです。 そして、この時英国にあった主要艦艇は、戦艦が「KJ5級」2隻、「聖者級」2隻、「I級」2隻、「フッド級」3隻、「レナウン級」2隻、他旧式戦艦が5隻、空母はマトモに使えるのは「ヴィクトリアス」級が2隻に「フェーリアス」があるだけです。 それ以外には、最低限の支援部隊はつけられますが、ドイツとの水面下の戦いを考えると日本軍と同程度しか回せないのが現状です。 そして、主要艦艇のうち、インド洋以外の旧式戦艦には船団護衛任務があります。他もドイツ艦隊の抑えと、ジブラルタル、アレキサンドリアにも配備せねばなりません。特にドイツ海軍の抑えは、高速戦艦か巡洋戦艦が最低4〜5隻程度は必要です。 となるとインド洋に回せる戦力は、旧式の「R級」との交代と言う形をとったとしても、3〜5隻が精一杯、空母も1隻回せれば御の字です。しかも、日本側は新鋭の「高千穂級」が相手なので、これに対抗するには同程度ないしはそれ以上の戦艦が相手より多い数必要です。 となると、当てはまるのは「KJ5級」と「I級」しかなく、攻勢により勝利するためには、この全力を派遣せねばなりません。 ですが、英国の生命線の回復のためですから、この際出し惜しみしても仕方ないので、英本土より生え抜きの精鋭が派遣されます。 この時派遣されるのは、戦艦「KJ5級」、「I級」が各2隻に空母「ヴィクトリアス」級が1隻、そして巡洋艦1個戦隊に1個水雷戦隊です。これ以上は、いかに英国と言えどない袖はふれません。
そして、再編成された英東方艦隊の作戦目的ですが、これはセイロンの奪回・・・と言いたい所ですが、アラビア海方面でのシーレーンの奪回となります。 では、シーレーンを奪回するにどうすればいいのか。答えは簡単です。セイロン島を軍事的に無力化すれば事足ります。本格的な奪回は、補給線が回復してゆとりが出てから考えればいいのです。 では、セイロン島を無力化するには、どうすればよいのでしょうか。答えは簡単ですが、かなり難しい問題です。それは、現地の日本軍の海空戦力を一時的に撃破し、補給線を途絶して無力化せねばならないからです。そして、この為には現地の日本軍の機動戦力を何としても撃破し、出来るならセイロン方面の基地を破壊したい所です。 そして、日本の第八艦隊は、英軍の反撃に備えてセイロンで待機状態で、簡単な挑発に乗ってくる様子はありません。日本軍のテンションの高さを考えると少し変ですが、インド洋は第八艦隊の一枚看板しかないことから慎重にならざるをえないと思えば、納得もできます。 ですが、納得してばかりでなく、これを洋上に引きずり出して撃破せねばなりません。 なぜなら、セイロンに近寄りすぎると現地の基地航空隊が、マレー沖の再現とばかりに殺到してくることが分かり切っているからです。多少艦隊の防空体制は改善しましたが、100機もの攻撃機に襲われればどうなるかなど、今更想像するまでもありません。 では、どうしましょう。どうにも煮詰まっているように思えます。第八艦隊をセイロンから引きずり出すには、どうすれば良いでしょうか。 答えは言うだけなら簡単です。第八艦隊が迎撃に出てこなければいけない事態にしてしまえば良いのです。一番簡単なのは、セイロン以外の日本軍の防備の薄い拠点を叩く事でしょう。 ただし、セイロンが日本軍の実質的な最前線であり、この条件を満たすには日本の勢力圏深くに入り込まねばなりません。 日本軍がコマを進めている東インドに対する攻撃など以ての外です。あまりにも奥まった地域にあり、周り中から叩かれてしまします。 また、日米とも忘れた事、考えない事にしている豪州方面からコマを進める事も危険です。なまじ、こちらから反撃したら、日本軍がこちらに攻撃を行い、必然的にアメリカが関心を持ち、こちらが主戦場となってかえって英国の交通線がガタガタになってしまうかもしれません。そうなっては、本末転倒です。ここからは、若干の兵力を引き抜くのが精いっぱいです。 となると、場所は自ずと限られてきます。第八艦隊がおびき出せて、日本軍にとってそれなりに重要で、英国側の危険が少ない場所。 消去法から残る場所は、インドを除外すれば、せいぜいインドネシア西部地方と言う事でしょうか。ここなら、セイロンからの艦隊の行動権内ですし、日本の交通線もあります。また、ここを攻撃すると思わせれば日本の危機感を大いに煽ることができます。豪州に向かうと思わせても良いでしょう。それだけで、日本軍は大慌てになるはずです。 また、ケープから足を伸ばすなら英国側の行動権内にかろうじて入ります。
さて、英側の概要は決定したので、この行動が起こされた場合の日本の対応はどう言ったものになるでしょうか。 状況としては、英国が希望岬周りで戦艦複数を含む大艦隊が、インド洋に入れてきたところを日本の潜水艦に発見されるあたりで動き出すでしょう。 そして、セイロンの司令部が余程肝の据わった指揮官に率いられていない限りは、英国側の予想通り大慌てとなること間違いないでしょう。少なくとも大混乱です。 在インド日本軍の目的は、とにかく現有兵力での敵撃退です。これ以外日本の選択肢はありません。だいいち、太平洋から今から増援を頼んだ所で、全ては後の祭りとなってしまいます。 ですが、相手は高速戦艦4隻に正規空母1隻です。対するこちらは戦艦2隻に軽空母が2隻です。かろうじて母艦航空戦力は優位にありますが、それも今までのように圧倒的などと言う言葉からほど遠いものがあります。 そして、日本海軍の伝統的ドクトリンからすれば、水上艦のみでこの劣勢を覆す戦術はたった一つです。そう、「夜戦」です。これなら戦艦が相手に沢山あっても、何とかできない事もありません。また、目的が防衛であり撃滅でないので、この点もこちらの損害を考えなければ納得できる戦闘方法です。 確かに、電探により夜間戦闘も昼間と変わらないものとなりつつありますが、いまだ電探技術はそれ程高度なものとはなっていません。これは英国においても同様です。 そして、日本側から見た場合の英国の目的は、インドネシアのパレンバンです。ここの石油採掘・精製施設を破壊する事で日本の戦争遂行能力を削ごうとしていると思うでしょう。また、ジャカルタなどの資源積み出しの為の港湾を狙うのもよいかもしれません。そして、英国側が選択する可能性が最も高い突破場所が、日本側の防備が比較的手薄な、スマトラ島とジャワ島の間にあるスンダ海峡です。 この地域には、対潜哨戒機の部隊と防空戦闘機しかいません。そして、他はそれなりの部隊が駐留しており、あまり大回りしていたら、他からの増援を受けて日本の迎撃が可能となってしまいます。 特にフィリピンなどから基地航空隊を一時的に移動されたら、英艦隊はマレーの二の舞となります。 さすがに、英国もそれほどバカではない筈ですから、迎撃体制が整う前の攻撃を画策していると仮定すると、この海峡突破が一番理想的です。マラッカ海峡やティモール方面では、日本の勢力が強すぎますし、海峡が狭すぎる場所があり、突破に相応しくありません。しかも、マラッカ海峡では、日本の補給線で日々船舶でいっぱい、いったんヘタに引っかかったら目も当てられません。 こうした判断のもと日本の第八艦隊は、セイロンを出撃後マラッカ海峡経由でインドネシアに入り、スンダ海峡手前の洋上で敵を待ちかまえようとします。 この情報は、英国にも伝わるでしょう。少なくとも第八艦隊のセイロン出撃は、現地のスパイ情報から伝わる筈です。また、英艦隊がベンガル湾に入る頃には、マラッカ通過も伝わるかも知れません。 何とも奇妙な事態です。 おびき出す筈の日本艦隊が、妙な所で待ちかまえているのですから、英艦隊としても今後の行動に迷いが生じるでしょう。 ここで、英艦隊の取れる行動は三つです。海上機動戦力がガラ空きになった間隙を利用して、セイロン島かまたは東インドを叩くか、後は日本側の思惑通りにインドネシア地域で海戦に望むかです。どちらにせよ相手の戦力分散で、より自らの戦力的優位となるので、英側の優勢に戦闘が運ぶ可能性が高くなります。 そして英国の目的は、インド洋の制海権の確保です。となると各個撃破の好機を利用して、目に付く目標から叩くに限ります。一番近くの目の上のたんこぶは、セイロン島です。ここをまず夜間艦砲射撃と空襲で撃滅するのです。順序が逆になってしまいましたが、ここを破壊できれば、日本側は潜水艦の拠点ともども一時的に失うことになり、艦隊だけのダメージよりも大きな損失となります。 よって、英艦隊は突然進路を変更して、タイミングを図りつつセイロン島へ殺到します。 第八艦隊がこれを知っても後の祭り。彼らがセイロンに駆けつけるには数日が必要です。 また、英国による攻撃はセイロンの夜間砲撃ですから、日本側がまともな迎撃をできない筈です。 さて、英国側の思惑通り運ぶでしょうか。 これは、現地の海軍航空隊が夜間攻撃に熟練しているかどうかとなります。そして、彼らは通常通商破壊任務で、頻繁に出撃を繰り返し、相手が大した防空能力を持っていないので、消耗程度も低く、練度も必然的に高くなっています。もちろん、通商破壊や夜間爆撃などで、夜間攻撃もお手の物です。 そして、日本軍は一斉攻撃が大好きですので(まあ、どこの国も大好きでしょうが)、英艦隊の接近を察知すれば、英国の常識をまた裏切る洋上での夜間全力出撃をしかけます。電探による索敵も可能ですし、基地航空隊ですので天候以外この攻撃に特に大きな障害はありません。
さて、夜間攻撃の基本は、夜間を利用してこっそりと近寄り、照明弾を抱えた機体が攻撃対象の反対側から不意に照明弾をいくつも投下し、敵艦隊(船団)を明かりの下にさらして、これを攻撃機が雷撃や爆撃すると言うものです。 このため、鈍足な輸送船団などは、ヘタをすれば不意に空からの攻撃を受けて、回避もままならない状態で大きな損害を受けることになります。水上艦が共にあっても防空能力が高くなければ、状況は大して変わりません。 そして、今回襲いかかるのは100機にも及ぶ基地航空隊の重爆撃機です。これに対して英国が連れてきた空母は、夜間戦闘なので役にはたちません。自慢のシーファイアが無理に夜間戦闘などしたら、発艦、戦闘はともかく着艦で全て失う事でしょう。そして、英艦隊そのものがRDFに映った日本機の数に驚愕して、右往左往する事になります。ルールの違う相手との戦争とはかくも大変です。 都市爆撃でもないのに、これ程大規模の洋上夜間攻撃はもはや異常です。自軍の損害を全く考えていないとしか思えません。 さて、英艦隊の混乱はさておき、日本軍の攻撃の顛末はどうなるでしょうか。 一応、英艦隊は夜間航行でも全艦がRDFを装備しているので、それなりの高速航行が可能です。また、対空防御も光学照準が機関砲はロクに照準できませんが、高射砲なら電探射撃も可能です。しかも、20隻近い大艦隊です。つまり、昼間よりも防御力は若干劣りますが、それなりの迎撃が可能と言うことです。 対する日本側も、熟練した搭乗員達が操る攻撃機ですし、夜間攻撃の経験も持っているので、昼間攻撃とそれ程大きな差はありません。 つまり、攻撃の結果は今までの想定と同程度と言うことです。日本側が鍛え上げられた部隊と考えれば、通常より高い数値を叩き出すかも知れません。 まあ、ごく常識的に考えて、夜間攻撃として5〜10%程度が命中弾となるので、この場合7〜8発の命中魚雷を英艦隊は受けることになります。大物狙いと考えると、戦艦と空母が2〜3隻が作戦続行不能なほどのダメージを受けている事になります。もちろん、直接ダメージがなくても英艦隊全体が大混乱です。 対する日本側の損害は、上昇した英国側の防空網の前に2〜3割程度の消耗をするでしょう(撃墜を意味するわけではありません。)。 そして、この結果は英側が画策していた夜間艦砲射撃による拠点破壊と言う作戦が、現時点では不可能になったと言うことです。そして、混乱を回復して前進を再開しても、攻撃を開始するまでにさらに迎撃を受ける事になります。 よって、英艦隊は補給の問題もあるので一旦はチャゴス諸島(ディエゴ・ガルシアとか言う秘密基地のある島々です。)かセイシェル諸島に撤退する事になります。
その後は、日本の警戒がさらに厳重になりますから、英国側の攻撃が難しくなります。さらに、インドネシアに行っていた第八艦隊も数日後(1〜2日)には帰ってきます。 となると、同程度の海上機動戦力を抱えた状態となるのでしばらくは千日手となってしまい、長期間精鋭艦隊をこの戦域に置いておけない英国の意図した作戦は、画餅に帰する結果に終わります。
さて、この後のインド情勢としては、英国が強引に日本軍に戦闘を強要するか、虚しく撤退するかですが、どうなるでしょうか。または、相手の戦力が低下した事を日本軍も掴むでしょうから、反対にこちらがアクティブに動く可能性もあります。 そして、どちらもインド洋の制海権をかけた決戦を、それぞれの理由からなるべく短期間のうちに発生することを望んでいるので、どちらかが動けば必然的に発生します。 常識的に考えれば、テンションの高い日本軍が、英艦隊が籠もっている拠点へ攻撃を仕掛けようとするのではないでしょうか。 そして、英国としても日本がノコノコとこちらに出向いて来るのなら、この挑戦を受けないわけにはいきません。それに、相手は現状でも同程度の戦力ですから、今までと違って勝機も十分にあります。 戦力敵には、
日第八艦隊(遣印艦隊): BB「高千穂」、「穂高」 CVL「日進」、「瑞穂」(艦載機約60機) CG:4隻、CL:1隻、DD:12隻
英東洋艦隊 BB:「KJ5」1隻 BC:「I級」1隻 CG:2隻、CL:2隻、DD:8隻
この程度でしょうか。この場合も勝利の鍵を握っているのは、やはり日本側の軽空母の存在でしょう。他は同程度になってしまったので、何もしないままとことん殴り合えば双方全滅、勝てるかどうかは運次第です。 日本側の軽空母は艦載機約60機、内半数が攻撃機ですから今ままでの想定に従えば、約1割の2〜4発の命中弾を水上打撃戦の前に相手に叩き付ける事ができる計算になります。そしてこの攻撃で英国側の戦艦が一隻脱落し、戦闘結果は日本側の僅差の勝利と言ったところでしょう。
しかし、英国が籠もっているのがセイシェル諸島とチャゴス諸島のうちのチャゴス近海だと、実は遠大な航続距離を誇る日本の基地航空隊のギリギリ行動可能圏内になるります。この場合もちろん戦闘機は随伴できませんが、もし英国側の空母が健在だったり、チャゴスから戦闘機が飛来しても、それは艦隊随伴の戦闘機隊で代用できます。 で、これが戦闘に参加してしまうと、41年夏のインド洋の再来、マレー沖の再来となって戦闘は終幕します。もちろん、英東洋艦隊の全滅で、と言う形でです。もちろん、英国側もチャゴスからの空襲を画策するでしょうが、すでに戦力が大きく低下しているので、日本側に大きな損害を与える可能性は低いでしょう。 そして、英国の拠点がセイシェルでなくチャゴスにある可能性は高くなります。 と言うわけでで、火葬戦記的ご都合主義精神に則って、英艦隊はまたしても日本航空戦力にタコ殴りに合って、トドメに第八艦隊の砲雷撃で水漬く屍となってもらい、この節を締めたいと思います。 そして、この戦闘の結果により英国は、インド洋の制海権奪回の機会を永遠に失い、ますます不利な立場に追いやられてしまいます。