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『第二次世界大戦から第五次世界大戦にかけての半世紀ほど、人類の発展に影をもたらした時代は存在しないだろう。』 これは、とある現代史の歴史家が近年語った有名な言葉だが、もちろん現在ではこれとは全く異なる見解を持つ人々の方が表面的には圧倒的多数なのだが、これを書くにあたり軍事的事象とは直接的関わりは薄いが、まずはこの言葉を以て始めたいと思う。そしてこれを書き始めた1999(昭和74)年3月初旬現在、これから六度目となるであろう世界大戦が幕を切ろうとしているこの時にあたり、中立国の観戦武官として日本軍と行動を共にする事を軍事の専門家の一人として幸運に思うと同時に、直接歴史の傍観者となる事への恐れにも似た感情を抱きつつ、これから行われるであろう未曾有の悲劇を客観的に捉えていければと思わずにはいられない。 しかし、これを始める前にこれまで経緯についての概要を、その時代に記録をまとめた人々のレポートから引用しつつ紹介していきたい。なぜなら、これからの戦いにおいて私の生き残る確率はあまり高くないだろうと、私自身が予測しており、戦後のレポートが作れる確証がないからだ。 なお、これからの事はJGPM-02委員会に所属し、観戦武官として第六次世界大戦の一端を目撃する事になるであろう私、ベトナム共和国海軍中佐グエン・バン・ヒューの手記である。 |
■Missions. 1:第二次世界大戦 |