◆コミックマーケット56◆ 1999年8月13日

コミックマーケット初参加!
コミケです! コミケットです!! コミックマーケットです!!!
ついに、夢にまで見たコミックマーケットにサークルとして初めての参加しました!
「FANKY企画」として初めての東京遠征、コミケット進出です。
(まあ、今までロクに参加申し込みしなかったなんて突っ込まないでください(^^;))
今まで、関西方面で細々と活動を継続してきましたが、
この前年よりサークル内でにわかに東京進出の機運が高まり、
申し込み2度目にして、念願かなって参加する事ができました。
もっとも、主催者は、もうそろそろこの道(同人誌活動)から足を洗うべきかなと考えている時期で、
参加が決まった当初は『これが最後の花道かなぁ。』という程度しか考えていなかったのですが、
しかし、このコミケット参加が全てを変えてしまいました。
『コミケは他とは違う』、『コミケには魔物が住む』などという風聞を聞き、
他のサークルさんの手伝い(何と壁サークル!)などである程度は知っていたつもりでしたが、
実際はその『知識』や『予想』をはるかに超えるものだったのです。

出動準備1、2、3
いつも他のサークルさんの手伝いので、はるか大阪から来る手順、宿の手配など抜かりは全くありません。
そして会場から比較的近く(タクシーで3000円台)の宿を拠点にして作戦を開始しました。
もちろん、販売物も用意できる限り全てを用意しました。少なくともそのつもりでした。
サークルとしては破格の総数100以上の大物量です。
一種類あたりだと40冊程度持っていきました。
大阪での活動と外野として見たコミケットの状況を考え用意したものです。
そう、大阪では10000サークル規模のイベントでもテーブルトークRPGという
ジャンルでは、一回で一種類10冊も売れれば良い方なのです。
その経験と『東京は通常の三倍売れる』という殆ど根拠のない憶測により用意された物量です。
私たち、少なくとも主催者の私は、この準備に全く不安を感じることなく、
また、新刊も用意出来たという誇らしさもあり自信満々でした。
え、何が自信満々だったかって? 
それは、関西人たるもの客がいるのに、商品を絶やしてはいけないという考えで用意されたその商品量にです。
しかし、これが全くの考え違いであることを後に思い知る事になりました。
そして、当サークルがコミケでは常に商品不足というジンクスを産むことになろうとは
この時点で誰が予想しえたでしょうか?
では、その最初の戦いの記録です。

戦闘開始!
さあ、いよいよ開場です。恒例の拍手と恐らく数万人が参加したであろう『鬨の声』の中、
テーブルトークRPGエリアにある私たちのブースも静かにその戦いの幕を切って落としました。
『まあ、1時間は暇だろうなぁ』なんて事を考えながら戦友たちが戦いに赴くのを見送り、
お隣さんとお話などしつつ過ごそうかと考えていたら、開幕早々にお客さんです。
しかも、中身もロクに確かめず『新刊ください』です。
『ああ、きっと大阪の人やな。見つけてすぐ来てくれはるはるなんて、ありがたいこっちゃ。』
などと思いつつ応対していました。まだその時は余裕でした。
そうあれは開始から30分もした頃でしょうか? 戦友たちはまだ戦いから戻っていません。
きっと、激戦区で苦闘を続けているのでしょう。
しかし、サークルは徐々に熱きバトルフィールドと化しつつありました。
数分おきに来るお客さん、売れていく商品。時には一人では応対に困る事すらままありました。
本来なら、これ以上喜ぶべき事はない状態です。
事実11前まではそうでした。
もうこれ以上はないというぐらいの笑みを浮かべブースに立っていたと思います。

戦線崩壊!
しかし、ある時笑顔が一瞬で凍りつきました。
何と! 本を入れた段ボール箱の底が見えたのです。
言うまでもありません、戦闘開始1時間で弾(本)が尽きようとしていたのです。
もちろん、予備のマガジン(段ボール箱)などあるわけありません。
11時すぎ、私同様サークルの戦況を楽観していた戦友が、戦果も多く意気揚々と帰ってきました。
その戦友に対して開口一番、「どうしよう、もう本あらへん」と
水をかけられた情けない柴犬のような顔で問いかけてしまいました。
対する戦友も「えっ、嘘?!」。
『うそ、ちゃうて!』とツッコム気力すらありません。
その後、少し落ち着いた戦況(売れ行き)の中、減っていく残弾を祈るように二人で見つめながら
戦線を維持していましたが、ついに最後の時がきました。
戦闘開始2時間。『FANKY企画陥落』。
何と、お昼すら迎えることなくあえなく完売となりました。
手元に残っているのは見本の商品だけです。
しかし、そこは関西人。
「来てくれはるお客さんに対して申し訳ない。せめて臨時通販受付しよう!」
と決意し、にわかに準備を始め。即席の通販受付を開始しました。
『戦いは、これからだ。さあ、銃を取れ。』まさにそう言った心境だったのでしょう。
そうして、結局閉会までにつたない対応ながら多数の通販申し込みを頂きました。
こうして、混乱はありましたが何とか終了。
そして終了後、私から出た言葉は『次の本どないしょう?』でした。
これで引退などとのたまっていたヤツが何という変心でしょうか!?
どうやら、コミケには本当に魔物が住んでるようです。

後日談
東京から帰ったらその日に通販の手続きをした事は言うまでもありません。


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